6月25日(日)     大丹生(曇り時々小雨)  大潮

 大丹生がなぜか恋しくなり、行きたくなった。いつもは予約もせずに出かけるのだが、前日なぜか電話してみようと思った。今回は日没ぐらいまでやる気だったので、途中睡眠をとることも考え、防波堤近くのカセではなく筏の状況を聞いてみた。「全然釣れてない。」との答えだった。「やっぱりな〜。防波堤に魚がついてしまって、筏にまわってきてないか・・・。まあ、いつものことやし、しゃあないな。」と思っているとおじさんはさらに、「せっかくの休みなのだから、電話してもっと釣れている釣り場を探した方がよい。」とまで言われた。「商売気が相変わらずないな〜。そういうところが好きなんだけど。筏、釣れてないけど、誰かが最初に釣る。自分がそれになればよいだけだ!」と考え、行くことにした。

 当日は、おじさんがキス釣りのために船を出すため、来るなら早めにと言われていたので、2時過ぎに出発した。途中、団子(大)、丸貝、ボケ20、サナギ、氷を購入。合計4500円。気合いが入って、結構買ってしまった。大丹生には4時に到着。4時15分頃、まだ暗い中、おばちゃんが出てきた。「おじさん、まだ寝てるの?」「もう、出船したよ。今日はキス釣りに漁協から駆り出されているから。」何のために早く来たのか、わからなかった。暗い中、出船。2人組のお客さんがカセに、私は筏に上がった。暗くてガイドに糸が通せないので、明るくなるのを10分ほど待った。明るくなって初めて気づいたのだが、前の列の筏に2人の釣り人が。櫻井渡船の「通し」のお客さんだった。釣れていないようだった。「夜も釣れないのか・・・。チヌ、ほんまにおらんな・・・。」と思った。

 しかし、もしかしたらという期待を込めて第1投はボケの落とし込み。やっぱり何の反応もない。5時半過ぎまで1時間ほど落とし込みを根気よくやったがだめ。その後、団子を投入するも状況に変化はなかった。「な〜んもおらん。」ボケもとられない状況だったので、イガイや丸貝、サナギにも当然反応はない。そして・・・・・・・・・・・・・、14時間が経過した18時半過ぎ、納竿した。当日の状況であるが、防波堤近くのカセに上がった釣り人は、良型を1枚上げられたらしい。ほかにも防波堤のウキ釣りの釣り人が、午前中を中心に何枚か上げられた方がおられたようだった。筏群では、私のほかにも数名おられたが、釣れていなかった。ただ、道路側の櫻井渡船の筏の長竿師がよい型のチヌを1枚か2枚釣られていた。冬場でも、安定した釣果のでるポイントではあるが、筏群にもいるところにはいるということだ。

 筏からあがるとがじろうさんが迎えに来てくれた。30分ほど話した。今年はがじろうさんと竿をだす機会が、なかなかとれなくて残念だが、8月になったら行けたらいいなと思う。7月9日は同じ釣り場に行くのだが、筏は違うし・・・。19時過ぎ、がじろうさんと別れ、帰路についた。気の済むまで釣りをするという目的は達成されたが、筏で最初にチヌを釣る人になるには技術も運もなかった。漁師のいうことは聞くべきだ。でも撃沈しても、これもまた釣り。そしていつまでたっても、撃沈はなくならないだろうし、そのことを笑って仲間に話し、共感しあえるところが、かかり釣りの魅力の一つなのかもしれない。

釣果:チャリコとフグと小アイナメを各1匹、それとボラの鱗1枚。