7月16日(日)     上佐波賀(大雨)  中潮

 前日の雨の濁りが入り、きっとよいはずと考え、釣行することにした。上佐波賀に電話してみると、二桁近い釣果がでたらしい。「きっと明日もよいだろう」と思った。その後、行こうかどうか迷っているがじろうさんを「9時までに二桁釣れるに違いない。」などと誘惑し、一緒に出撃するとことなった。

 当日は午前2時45分に自宅を出発し、団子(中)、丸貝、サナギ、氷を購入。合計2900円。途中、結構雨が降っていたが、上佐波賀に到着すると小降りになっていた。4時50分、おじさんがやってきたので、料金を払い、筏を決めた。昨日釣れたのは12番のようだったが、すでに予約が入っていた。一昨年釣れていた16番にする。5時過ぎ出船。岸を向いて、右に私、左にがじろうさん。まずは2人でイガイの落とし込みから始めた。イガイ釣法は理にかなった釣りだとは思うが、筏下にいるチヌを釣る釣りで、寄せて釣るという自己満足を得にくい釣りだったので、いままで試さなかった。イガイをパラパラまきながら、大きめのイガイを落とし込む。釣れそうな海の色だったので、すぐに竿が突き刺さるかと思ったが反応はない。「あかんのかな〜。」と思いはじめた6時10分。ばらばらのイガイが残骸があがってきた。「おお!チヌがいる。そう言えば、さっきも極小当たりで丸貝なくなったし。」一気にやる気があがった。イガイを投入。着底後、1分ほどで何かがさわった。集中しているとかすかに押さえたように見えた。あわせる。「かかった。でかいぞ!」しかし、一瞬のやりとりではずれた。あっという間の出来事なので、大型チヌだったのか、根掛かりだったのかよく分からなかった。しかし、その後アタリが消えたので、ばらしだったのだと思う。「しまった・・・。」反応のない海に戻ってしまった。もう筏下にはチヌがいないような気がして、私は7時前から団子釣りに切り替えた。がじろうさんは、今日はイガイ釣法をやり通すということで、団子なし。「がじろうさんのような根気が必要やな。そうでないといろんな釣りはマスターできひんな。」と反省した。

 その後、天気は大荒れ。スコールのような大雨が定期的にくる。だんだんカッパの奥にしみてくる。寒い。炎天下よりはましだがつらい状況が延々続いた。アタリも一切ない。13時過ぎ、白杉のマーやんから電話。午前中にいい型が2枚上がったらしい。「いいな〜。」もう一度やる気がでた。「きっと3時頃から、時合いがあるはずだ!」しかし、やる気を低下させる大雨がまたもやくる。2時過ぎ、がじろうさんが用事のため、早上がりされた。「こんな日にがじろうさんを引きずり込んでしまった・・・」期待した3時になっても、変化はない。3時50分、他の釣り人もすべて上がられた。上佐波賀の筏群には私一人。5時までの1時間は釣りたいというより、むしょうに寂しかった。更に反応のない海からくる虚脱感が加わった。「がじろうさんと一緒に上がるべきだった。」

 当日の状況であるが、釣り人は私たちを含め、12,3人だった。2人が1枚釣られたようだったが、厳しい状況だったようだ。帰路についたときはブルーな気分だったが、運転している間にだんだん気持ちは持ち直していった。割られたイガイを初めて見た。アタリも久しぶりに体験できた。イガイで釣れる確信が持てた。そして次回はもう少しイガイ釣法を工夫できそうなアイデアも浮かんだ。今回の収穫。

 洛西ニュータウンまで戻って来たときだった、薄暗い歩道に立ち止まる老夫婦が目に入った。旦那さんは車いすに乗りボーとしていた。奥さんはじっと側で待っていた。奥さんの優しさを感じた。「釣った。釣らない。」と一喜一憂する前に、仲間と釣りに行けたこと自体を感謝しないといけないと思った。

釣果:もう一度、イガイでやってみたくなった。