7月28日(金)     大丹生(晴れ)  中潮

 仕事に疲れたときは大丹生に限る。いつものように予約せずに大丹生に向かった。途中、団子(大)、丸貝、サナギ、氷を購入。合計3250円。舞鶴のなか卯で牛丼を食べた。その後、がじろうさんが待つ、ミニストップに向かった。がじろうさんは、前回の餌の残りの丸貝を、私にくれるためにわざわざ朝の4時に起きて待っていてくれた。がじろうさんから殻の固い私好みの丸貝を受け取り、しばらく虫談義をして、大丹生に向けて再び出発した。大丹生には4時半に到着した。おじさんを起こして、他の釣り人1名とともに、4時40分頃出船した。筏群に到着し、もう一人の釣り人が降りられた。「和田君、どれにする?筏にはあんまり乗っとらんから、どれがよいかわからん。」真ん中の列の避難箱付きの筏にした。

 釣れそうな気がする。まずは丸貝とイガイの落とし込みから始めた。イガイをパラパラ撒いて。落とし込む。前回の雪辱を果たすべく、集中してやったがアタリは皆無・・・。「筏下にはおらん。釣れるような気がしたけど。こんだけやって当たらないということは、近くにはいない。」6時頃より、早くも団子投入。30分たっても何の反応もない。サナギですら、一度もかじられなかった。一気に不安が強くなった。「あかん。外道もおらん。やっぱり筏群にはいないのかも。昨日も防波堤では、長竿で10枚釣れたっておじさん言うてたしな〜。防波堤側のカセに代わった方がよいかも。」さらに時間の経過とともに、場所代わりの気持ちが強くなり、落ち着かなくなってきた。7時になった。サナギハリス団子で投入し、穂先を見ていた。「限界や。代わるならもう代わった方が・・・。もうそろそろ何か、変化がないと・・・。釣れる時は、こういうタイミングでアタリがあったりするんやけど・・・。」などと相変わらず、うだうだ考えていた。すると、いきなりグッと穂先が入った。若干タイミングが遅れたが、かけた。強い。間違いなく大物の手応え。糸が徐々に引き出されていく。「年無し級の引きや!」残りの糸の量を確認した。あんまり出されるとまずい。幸い、魚は右前方に走っているので、ロープは心配ないが・・・。「しょっぱなの大物は取った記憶がないしな。やられるかも。」という不安が脳裏をよぎった。しかしやりとりを1分くらい続ける内に、落ち着いてきた。「この調子なら糸を全部引き出されることはない。強い引きにも耐えてるのでハリスに傷が入っていることもない。大丈夫。」その10秒後、バレた・・・。「・・・・・・・、針はずれか。」ショックだったが、底でのばらしではないので、切り替えて次を狙うことにした。「チヌはいる。」とわかって、迷いもふっきれた。

 続いて、もう一度サナギハリス団子投入。するとすぐに反応がある。「まだいるぞ!・・・あれ?このアタリはボラでは。うーーん、明らかに刺し餌ではなく、団子にさわっている。」よいアタリのところであわせてみると、案の定、鱗が2枚ついてきた。「やっぱり・・・。するとさっきのもボラか?いや、あの引きはチヌのはずや。ボラとチヌが一緒にいる状況か。」2,3度団子を投入したが、結構ボラがいることは確かなようだった。ならば、団子の周りにいるチヌを狙おうと、刺し餌のサナギを落とし込み、団子は別打ちした。するとしばらくして、明確なアタリ。「のった!」結構強い引きだったので、40pオーバーを確信した。最後は筏下に入られ、ひやっとしたが無事ゲット。7時15分だった。思ってたほど大きくなかったが、うれしい1枚だった。夏チヌの引きの強さを実感した。狙い通りだったが、同じ作戦で連発とはいかず、その後は苦戦した。

 相変わらずボラは活発に団子にあたってくるので、まだチヌもいると思った。8時、目先を変えるため。丸貝ハリス団子投入。まだ、団子が切れないうちに、節のあるアタリがでた。「のった!」先ほどよりもやや弱いが、これもまあまあの型だと思った。無事取り込み成功。この調子でパラパラとでも拾い続ければ、二桁も達成できるかもと考えた矢先、何のアタリもなくなってしまった。しかし、朝一ではなく、しばらく団子を打った後に時合いがあった場合は、この後もきっと時合いがあると思った。10時、再びボラが戻ってきた。きっとチヌもいると思ったが、なかなかそれらしいアタリがでない。11時、餌を大きめのイガイに代えた。チヌにアピールするために上に大きく誘った。何度目かの誘いの後、コンコンと久しぶりのアタリ。即あわせ。「よっしゃ、かかった!やっぱりおったか。」強い手応え。間違いなく良型だ。かけて10秒後くらいか、またもバレた。「あ〜あ。イガイやし、バレる確率は高いし、仕方ないな・・・。二桁などと考えているより、1枚1枚、丁寧に拾っていかないと。」と思った。その後もしばらくはボラのアタリはあったが、11時半には何のアタリもなくなった。

 次の時合いは2時か3時頃かなと考えながら、また打ち返しを続けた。状況的には、なかなかおもしろいと思ったが、暑い。暑くて、気分が悪くなりそうだった。そしてとうとう2時過ぎ、おじさんを呼んでいったん陸に上がった。海辺のおじさんの作業小屋の椅子に座ってやすんだ。風が吹き込んできて涼しい。筏とは大違い。幸せ。ずっと座っていたかった。「何でこんなに現代社会は忙しいのだろう。命を削って無理にがんばらなあかん。もっとのんびり生きられる社会がいい。」などと取り留めのないことを感じた。
 
 3時前に再び筏に戻った。夕方の時合いに備えてせっせと団子を投入した。5時前よりボラが登場したが、そのころには団子はほぼ撒き終えていた。5時15分、5分ほど放置していた丸貝に突然明確なアタリ。しっかり針掛かりした。上がってきたのは30センチ強のチヌだった。「よし、これからや!」と気合いを入れる。その後、残り少ない団子を打っている間は何となく雰囲気があったが、団子が切れるとともに何の気配もなくなり、6時には全く諦めモードとなってしまった。そしてがじろうさんが出迎えに来てくれた6時40分、納竿とした。


 陸に上がってがじろうさんに手伝ってもらって荷物を車に運んだ。「和田さん、何でいつもタライ持ってるんですか?団子こねてるとこ見た事ないですけど・・・。」がじろうさんに言われて、気づいた。「なぜ、持ちにくいタライを毎回運んでいるのだろう?」次回からは荷物が1つコンパクトになる。がじろうさんの買ってきてくれたジュースを飲んで一息つき、しばらく談笑した。舞鶴の夕まずめは気持ちがいい。とっても気持ちがいい。いつまでもこの雰囲気の中、話していたい気になる。そして7時過ぎ、大丹生を後にした。
 当日釣ったチヌの腹の中であるが、1枚目はイガイ1個と少量のサナギ、2枚目は丸貝が2個分ほど、3枚目はサナギでパンパンであった。チヌの食性も個体差があるということかもしれない。
(1枚目はかかり所が悪かったのか、すぐ死んでしまったのでクーラーの中)

P.S 今日(7月30日)、ライバル後藤氏の結婚を祝う会が京都であった。後藤氏は最初の職場の同僚で、最も昔からの釣り仲間でもある。私は同僚の中では一番早くに結婚した。みんなからとても祝福され、そして心配もかけた。その後多くの当時の同僚が結婚したが、職場もバラバラになり、自分がしてもらった以上のことはできていない。後藤氏に対してもそうだ。でも、形にはできないがとても安心した。「よかったね。おめでとう!落ち着いたら釣りいこな。」
 
釣果:3枚(38.5・36・32p)