10月9日(月)     長浜(晴)  中潮

 釣行前日の夜、近所のTさんが来られて、釣りに連れて欲しいとのことだったので、ご一緒することになった。当日はTさんを乗せて、3時過ぎに自宅を出発した。途中、団子(中)、丸貝、サナギ、シラサを購入した。黒鯛釣り具のマスターと二言三言会話して店を出た後、Tさんが釣り具店のマスターに名前を覚えられていることに驚かれていた。Tさんからすれば、驚異的に釣りに行っている私を印象づける一コマだったのであろう。もちろん、名前を覚えて頂いているのは頻繁に顔をだした結果だと思う。しかし、名前を知っているかそうでないかということより、マスターとの短い会話が、私にとっては気持ちよく釣りに出かける第一歩として大切なものになっている。そのことを、釣り師でないTさんが感じ取るのは難しかったと思う。その後、なか卯でうどんを食べ、長浜には5時頃到着した。

 5時半に出船。釣り人は後から来られた方も含め、手前の筏群、雁又、カラスカセあわせて20人弱だったように思う。私たちは前回同様、カセ前の大筏に乗った。私は前回の釣り座(カセを向いて右側)、その1.5メートル右横にTさんが釣り座を構えた。前日まで大荒れの天気で、潮は濁っている。期待満点で丸貝の落とし込みから始める。すると早くもカセの方の竿が曲がってる。「やっぱり、今日は爆釣の日か!」穂先を見る目に気合いが入る。しかし・・・・・・・・、いつまでやっても穂先は入らない。チヌの気配を全く感じないので、6時45分早々に団子投入。8時頃には前回同様ボラが登場するが、丸貝には無反応。底にはボラの他にカワハギやフグはいるようだ。全く底潮がおかしいわけでもない。チヌがいないだけである。困った・・・。9時頃、突然別のカセの方が釣られた。「う?チヌはおるし、口も使うんや。」10時、集中力が切れた。このところ腹の調子が悪く、いつも以上に根気がなくなっていた。竿を持って旅立つ。この筏は、8メートルくらいはあるので、反対の端まで探ることにした。まず、左1.5メートルに大きな丸貝を落とし込む。反応なし。がじろうさんが後から来られることになっていたので、がじろうさんの前回の釣り座をとばして筏の左端近くに移動。着底した丸貝をそのままひっぱての移動だった。そして、丸貝がなじむのを待つ。反応はない。上に大きく誘って、また落とす。すると、着底直後、ク、クッと当たって少し押さえた。反射的に穂先を少し下げて、アワセの体制に入るが、この筏は水面から少ししか浮いていないため、不覚にも穂先が海中に入ってしまい、アタリがよくわからない。一呼吸おいて勘であわせた。手応え十分。せっかく拾ったチヌだったので、何としてもとりたかった。「ハリはずれるなよ!」Tさんにタモを持ってきてもらって無事GET。40pほどの良型だった。10時15分頃のことだった。

 10時半過ぎ、がじろうさん登場。がじろうさんに釣れた場所を指して、いつものがじろうさんの釣り座より左であることを伝えた。ところが、実は私が釣った場所ががじろうさんのいつもの釣り座だった。当然、私の釣り座も前回の釣り座ではなかった。「・・・・・、あれ?しまった。」その後、しばらく当日の状況をがじろうさんに話した。「和田さん、後ろ側は探られました?」「いや、やってないよ。」がじろうさんは準備をして、いつもの釣り座で2,3投したかと思うとすぐに筏の裏側に移動された。「おーー、いつもより行動が早いな〜。がじろうさんのポイントで釣ってしまったしな。」しばらくすると、私の釣り場から対角の場所で釣っていたがじろうさんが、ニコニコしながら、「和田さん、とられました!いますよ。」「へ〜。釣らな。」するとしばらくすると、「和田さーーーん。」とまたがじろうさんの声。振り返ると魚とのやりとりの真っ最中だった。「早!もうかけたんか。」タモ網隊出動。がじろうさんの後ろで見ていると、40pほどの良型が上がってきた。タモを渡す。無事GET。「よし、がんばろ。」自分の釣り座に戻る。1,2投するが、釣れる気がしないので竿を持って裏側に移動。しばらくやったが、アタリがないので、再び戻った。するとまたがじろうさんが呼んでいる。振り返るとまた魚をかけている。タモ網隊出動。今度は先ほどより大きそうだった。後少しという所で魚は筏下に潜ろうとする。がじろうさんが必死に引き出しにかかる。「出てきた!大きい。」デカイのをすくうのは責任重大なので、タモを渡したかったが、がじろうさんの体制を見ると渡せるタイミングではなかったので、すくいにかかる。タモを水中に入れた直後、魚が暴れて水しぶきが上がり、タモ近くに突っ込んだ。「やば!・・・・・、入ってる!」ホッとした。45pの大型だった。「うーーん、探り釣りの帝王やな。」見事な連発に感心した。

 それからは流石のがじろうさんにもアタリがなくなったようだった。私には当然ない。だんだんしんどくなってきた。体調不良だ。12時半、とうとう大の字で寝てしまった。気持ちいい。13時過ぎに目覚めると、強風になっていた。時々、水しぶきが筏上にあがってくる。Tさんも、厳しそうだったので反対側に移ることをすすめた。Tさん移動。そして、私も13時半前反対側に移動することを決めた。この時間帯からポイントを放棄することはまずしないが、当日は根気がなくなっていたことと、団子の効果が感じられなかったので、あきらめがついた。反対側の真ん中に釣り座をとり、団子を5個ほど投入し釣り開始。14時過ぎにはボラが寄ってきた。「ボラは寄りが早いな〜。チヌも来てくれないかな。」潮は前に向かって結構流れている。錘を8Bに代えて、ひたすら丸貝の落とし込みを続けた。2時15分、丸貝が着底すると穂先が突然突き刺さった。びっくりしてアワセが一瞬遅れたが、のった。二度アワセを入れる。その後、強烈に引く。「2週連続来たか!」と思ったが、糸を引き出されるほどではない。でもいい型は間違いない。「見えた。よっし!」42,3pに見えた。満足。



 何の変化もない時間が1時間ほど経過したが、3時半頃より状況が変化してきた。潰れた丸貝が上がってきた。「チヌはまだいる!」その後も時々、丸貝に細かいアタリ。小さいアタリだが、丸貝がなくなる。4時前、食いちぎられた丸貝が上がってきた。「何匹かは確実にいる!この小さいアタリをなんとかあわせれば、たぶん3枚目が釣れる気がする。」・・・と、「和田さーーーん。」と呼ぶ声が。振り返ると今度はかじろうさんが、私たちが放棄した釣り座の端で魚をかけている。タモ網隊出動!やりとりを見ていると、意外とあっさり上がってきている。しかし、水面下に見えたチヌを見てびっくり。「巨チヌやーーー。」急いでがじろうさんにタモを押しつけた。GET!完全な年無しだった。即座に検寸。53pだった。その後、記念撮影などをして、喜びを分かち合った。15分ほどなんやかんやして釣り座に戻ったが、残念ながら私の方は追加できなかった。でも、満足の1日だった。

 当日は手前の筏群では、1枚上げられた方が何人かおられただけで、食いは渋い1日だった。荒れ後の爆釣を狙ったが、そう人間が考えるようにうまくはいかない。上がって帰る間際に「舞鶴湾 筏の春夏秋冬」の管理人さんとお話する機会をもてた。とても丁寧で優しい話し方をされる方だった。また話がしてみたいと思える方と新しく知り合えたことをうれしく思った。17時半過ぎ、長浜を後にした。帰り道、Tさんが釣りの最中に白杉にいるマーやんや若狭本郷にいる佐藤さんと携帯で話しているのに、なぜ一緒に行かないのか不思議がっていた。たぶん、浅く広く付き合っているようにとられたと思う。釣りをしない方に、釣り人の付き合いを説明するのは難しいし、理解してもらう必要もないと思う。ただ、今の釣り仲間と付き合えて、本当に楽しいのだということは伝えたいと思った。


釣果:2枚(44・39p)