10月28日(土)     上佐波賀(晴)  小潮

 小チヌ倶楽部の工藤さんの釣果に刺激を受けて、今シーズンやられっぱなしの上佐波賀に行くことにした。さっそく日曜日に予約の電話を入れる。おじさんに聞くと、18番だけ予約が入っている。「あれまあ、残念・・・。」おじさんに当日の釣果を聞くと、3番で5枚あがったそうだ。工藤さんの釣行日も3番で1枚釣れていたようなので、3番を予約した。

 3時半に自宅を出発し、黒鯛釣具店で、団子(中)、丸貝、サナギ、オキアミを購入。更に高橋釣り具で丸貝(300円)とサナギ(100円)を追加。合計3560円。黒鯛釣り具店のマスターによると、若狭方面に行かれる方が多いようだ。実は私も若狭に久しぶりに行きたいという思いが強かったのだが、工藤さんの釣行記を見て「やっぱり型狙い。どうせシラサの数釣りはへたやし。」と考え直した。上佐波賀には5時15分頃到着した。釣り人は私以外に10名ほどだった。5時50分出船。1,2、13,14,16,18、25番に他のお客さんは乗られた。

 丸貝を5,6個撒いてから、仕掛けを作った。6時過ぎから釣りを開始する。8Bでまずは落とし込み。新しいリールを買ってからは、底取りをする必要がなくなって楽だ。着底。1分ほど経過した。すると、チョンチョンと丸貝にアタリ。「チヌや!」小さいアタリが連続し、押さえるまでには至らなかったが、アタリが若干早くなったところであわせた。かからない。「うーーーん、早かったのか。でも、チヌはいる!」たぐり上げてもう一度丸貝投入。着底後、1分ほどすると、またかすかにさわってきた。アタリがでてすぐに竿に手を伸ばしたのだが、それよりも早く穂先が一気に海中に突き刺さった。久しぶりに見る強烈なアタリだったが、一瞬の手応えを残してばれてしまった。「あーーー。」手持ちにしていれば確実にかけられたアタリだったが、緊張を和らげるため、置き竿にしていたのが仇となった。ドキドキするアタリだったので、余計に残念だった。その後、2,3投するもアタリはない。ばらした影響だろう。まだ筏下にはチヌが結構いるように感じたので、ばらした釣り座を離れて、旅立つことにした。

 岸に向いて右に釣り座を構えていたので、左に2.5メートル移動。落とし込む。するとすぐに反応。丸貝を細かく突いている。3秒ほど待ってあわす。またも乗らない。「いかん。2投目のあたりを見る限り、食い気はある。もっと食い込むまで待ってみよう。」たぐり上げて、再び丸貝投入。しばらくするとあたってきた。細かいアタリの連打。我慢。少しずつ押さえながらアタリは強くなる。我慢。穂先を3pくらい押さえたところであわす。「のった!やっとや。おお、結構引くぞ。」筏下に入られないように願いながら、無事取り込んだ。30p後半のチヌだった。しかし、その後数投したが、アタリはない。次は筏の裏側に行って2度はほど落とし込むが反応はない。丁寧に探ろうかと思ったが、どうも裏側の面は釣れる気がしなかったので、もとの釣り座に戻った。丸貝を落とし込む。しばらくすると小さなあたり。引っ張るようなアタリであわせてしまう。「うん?チヌか?今の丸貝は小さかったしな・・・。」大きめ丸貝投入。すぐにはあたってこないが、しばらくするとあたってきた。今度はかけた。「強いぞ!」何度かの強い締め込みに耐えて上がってきたのは、一目で40オーバーとわかる良型だった。「よっしゃ!いいのが釣れた。」6時50分だった。その後、早合わせとよそ見で2回のアタリを失敗した。どのアタリも2,3分放置したあと、あたってくる。7時20分、細かく軽いアタリを5秒くらい待って30pオーバーを釣る。「おお3枚目。今日はいけそう。」と思った。しかしその後はアタリなく20分が経過した。このまま自然な状態を保ちながらの丸貝の落とし込みを続けるか、筏周辺のチヌを寄せるために団子を投入するか迷う。落とし込みで1,2枚追加するより、大釣りをするには群れが散らないうちに早めの団子投入しかないと思い、7時45分、団子爆撃を開始した。そして・・・、状況は改善せず、うんともすんとも言わなくなった。

 底には何もいない。オキアミもそのままだ。明らかに状況は悪い。浮いているのかと思い、時々錘なしで落としたりするが反応はない。周りの釣り人も釣れている様子はない。底より少し上に時々アジが回ってくる。みなさん、あまりのアタリのなさにアジを狙われている。私も12時頃から狙ってしまった。20pオーバーなので、食べたらおいしそうだ。尚更、突然のチヌアタリがあっても、とらえられない釣りになってしまった。「アジの魔力か。」2時頃から次々と他の釣り人は納竿されていった。そして3時半、私以外はみんな帰ってしまった・・・・・・・・。上佐波賀独占だ。というより、この状況で粘っている私がおかしいと思った。

(誰もいません・・・。)

 そして5時に納竿となった。私さえ粘らなかったら、おじさんも早く家に帰れたのに。陸に上がるとがじろうさんが来てくれた。30分ほど、今日の状況を話した。釣果だけみるとまあまあなのだが、興奮はもはや残っておらず、10時間近く沈黙した海の状況が印象に残ってしまった。しかし、チヌ釣りは楽しむというには、ほど遠い釣りだ。多くの場合はアタリも少ないし、時合いも短い。やっと魚をかけても、必死になり楽しむ余裕などない。二桁釣れるような日にあたれば、余裕も生まれるのだろうけど。楽しむに代わる適当な言葉がないが、厳しい中で1枚釣って「ふ〜」という一瞬が快感なのかもしれない。

 5時半過ぎ、上佐波賀を後にした。朝、黒鯛釣り具のマスターが「最近情報がない。」とおっしゃっていたので、帰路に初めて寄ることにした。どう考えても、状況がよいわけでもなかったので、HPを見た方が釣果を誤解されると申し訳ないと少し迷ったが。今回で、上佐波賀に年内に行くことはないと思う。朝一だけに終わったが、上佐波賀は実績筏がよいという学習を実践できたので満足している。次はどこに行こうかな。ちなみに釣ったチヌの腹は前日の釣り人の撒き餌のサナギが詰まっていた。


釣果:3枚(44.5・38・35p)