4月7日(金)    白杉(曇り後晴れ)  長潮

 平で連続してよい釣りができた。正直、平への未練はあったが他の場所に挑戦して、舞鶴乗っ込み最終回にしようと考えた。行き先は白杉の山弘渡船。昨年何回かお世話になった渡船屋さんだ。昨年は5月に行ったのだが、他の筏が釣れてない時期に釣れていた(私ではなく長竿の人が爆釣)。きっと産卵場所が近いから早くから釣れ始めるだろうと考え、今回の行き先に選んだ。しかし、釣行前日なかなか渡船屋さんと連絡がつかず、高橋釣り具店に電話して、やっと携帯の番号がわかった。携帯の番号はわかったのだが、今度は餌の問題。私がよく行く店の餌の仕入れは金曜日なので、金曜の早朝はまずボケはない。更に今の時期のシラサは粒が小さくて好みにあわない。「餌がないな〜。極小シラサとオキアミか・・・」戦意が低下して、久美浜でウキ釣りしようか、それとも土曜日にするかと迷ったが、ポイント釣り具店に電話してみると、ボケがあるとのこと。「天が行けといってるのか。」そして、その後山弘渡船とも連絡ついた。「よし、行くか。」ここのところお客さんも来ておらず、まったく状況はわからいとのことだったが。

 当日は3時33分に自宅を出発した。縦貫道を走っていたときだった。突然道路に動物が。おそらくタヌキだろうが、アナグマに見えた。高速道路なので時速は100q。しかも1車線。よけきれなかった。おそらく前輪で踏んでしまった。「あ・・・」車の中で、合掌。タヌキの冥福を祈った。「ゴメン。生き物の命を大切にするし・・・。」そんなことしても、失われた命はかえってこないけど。その後、黒鯛釣り具店、ポイント釣り具店で餌を購入した。餌は団子(小)、シラサ1杯、ボケ30、オキアミ小ブロック、合計4000円。山弘渡船には5時15分頃到着。すでに夜はすっかり明けていた。

 5時半過ぎ出船。筏群に到着すると漁船が、網をあげている。「何とってるの?」山弘のおじさんは怒りながら、「チヌとっとるんや。」と言った。筏群の端から端まで網が入っているらしい。「・・・、でも網入れるということはチヌがおるんやろな。」筏で準備していると、山弘のおじさんが言われた通り、網を引き上げながら私の15メートルほど先を漁船が通っていった。「こりゃいかん。あんな所で網上げられたら、魚がいてもにげてまいそうやな・・・。ついてない。」しかし網にはほとんどチヌがかかってなかったので、「網に止められて、この辺に溜まっているかも。」と前向きに考えたりもした。とにかく、仕掛けを準備して、ボケを5Bで落とし込んだ。ボケが着底すると同時に、チョンチョンと小さなアタリ。「チヌや!」緊張が一気にピークに。こちょこちょしたアタリは続くが押さえるようなアタリはでない。5,6秒ほど待ったであろうか。あわせた。「乗った!よっしゃー!まだつきがある!」手応えからすると良型。しかし、その2,3秒後、ばれた。「・・・、終わった。底でばらしてしもた。」非常に落胆したが、もう一度ボケを投入。するとまた同じようなアタリ。「まだ、おる!」ばらしたら今度こそ終わりと思ったので、十分待った。といっても10秒程か。「乗った!またしても良型や。とった!」40アップの良型だった。ほっとした。続いてボケ投入。またアタリ。、着底とともにアタリがでる。本アタリはでないが十分待って、ボケを飲ませてからあわせようと思った。6時前から7時過ぎまでノーミスで7か8連ちゃん。腕がだるくなった。5連ちゃん目ぐらいからは緊張感もなくなってしまった。ちょっと間をおいて1枚追加し、7時15分頃からは流石にあたらなくなった。団子投入で状況が悪い方に決定的になるかもと思ったが、7時50分頃投入。2個落とした後、ボケハリス団子。すると団子が切れてないのにアタリ。びっくりして早アワセしてしまった。「え、団子に反応している。」団子が効果があり、チヌがまだいることもわかった。ボケを落とし込む。しばらくして回収しようとするとかかっていた。またも良型。その後再びアタリが遠のく。8時45分頃から餌をシラサに代えた。シラサは落ち込みではあたらないことが多かったが、上に大きく誘って落とすと着底とともにコンコンとアタリがでた。またも3連ちゃん。シラサのチヌは一回り小さいものが多かったが、口元にかかっていた。その後、10時15分頃に1枚追加したところで、アタリがなくなった。おそらくまだ、工夫すればいけたのかもしれないが、10時半頃より風が強まり潮も強く流れて釣り辛くなったことと、私自身が満足して戦意が低下してしまったのが釣れない原因だったのかもしれない。。午前中の釣果を写真に撮ろうとしてスカリを落ち上げようとしたが重くて引き上げにくく、魚もいたみようだったのでやめて上から撮った。


 昼からは「午前で終わりかな〜。」と思いながら強風の中でがんばってみたが、とうとう耐えきれず13時頃、風を背に受けられるように、場所を潮下に移動した。ボケを落とし込んでいると何投目かにアタリ。「おおお、こんなところにチヌが!」1枚追加。まだアタリがあったが、仕掛けがもつれたことをきっかけに元の釣り座に戻った。すると元の釣り座でもボケの落とし込みにアタリ。2,3枚連発。その後もパラパラ釣れた。14時30分頃、ボケも大きなシラサも尽きた。オキアミをメインにする。そして15時20分、オキアミでも良型が釣れた。この1枚でもういいと思った。釣りたい気持ちは当然まだ残っているのだが、魚とスカリ、写真のことの方が気になった。魚はタヌキ(アナグマ)の冥福を祈るためにも、できるだけ逃がしてやろうと思っていたが、ギュウギュウ状態で大丈夫だろうか。良型をこんなに釣ったことがないので、持ち上げるときスカリが壊れないか本気で心配になった。こんな時に限ってデジカメの調子が悪い。操作方法がわからない。せっかくの釣果なので写真に撮りたいが、どうやってとろうか。魚は筏に引き上げようか。などなど。結局迷ったが、全部食べるならまだしも、写真を撮るだけのために魚が弱るようなことをするのはあきらめた。出来るだけハリははずしたが、飲んでいるのもいる。逃がしても生き残れないのもいるだろうし。上から写真を撮り、小さいのからつかんでは、検寸、放流した。7枚ほどつかみだしたところで、おじさんが迎えに来てくれて17時納竿となった。残った魚を船上に引き揚げ写真を撮り、再び検寸、放流。良型7枚を残して逃がした。そのうち2枚はおじさんにあげた。孫が来るらしく、刺身で食べさすそうだ。17時半過ぎ、おじさんに挨拶して家路についた。

 いつも私は1枚を釣るのに四苦八苦している。特に昨年は厳しかった。釣れてもボウズを逃れるのが精一杯。そんな時、「魚さえいれば、自分でももっと釣れるはず。その時のために、こんな釣りも役立つ。修行や。」と自分をなぐさめ、納得してきた。今回は待ち望んだ状況にあたった。あっという間に二桁釣れ、楽しかった。時々一人で笑っていた。何人かの仲間には喜びを伝えた。でも、何か物足りない気がした。集中力も途中で切れた。なぜだろう・・・。きっと誰かと一緒だったら、もっと楽しめたと気づいた。釣り仲間を思い出した。もっと大笑いできたのに・・・。当日は釣れた以外に10回ほどは餌をとられた。チャンスはまだあった。更に工夫すればもっとアタリを出せたかもしれない。でもしなかった。今度は単独釣行じゃない日にこんな状況にあたりたい。私の情報が舞鶴の好きな釣り師の役に立てばいいなと思う。たぶん一過性のものだと思うけど。

  

釣果:チヌ20枚(45・44.5・44×2・43×2・42・41・40×2・39・38×2・36・35.5・35・34・31・30.5・27p)