2月10日(土)  白杉(曇りのち晴れその後雨)  小潮

 今回は長竿をやってみようということで、トシさんと白杉の山弘渡船さんに行くことにした。いつもより早い4時15分に自宅を出発し、5時頃には黒鯛釣り具店に到着した。マスターは昨日男女群島から帰ってこられたようで、少々お疲れのようだったが、月末に痛められた腰の方は回復されていたのが、何よりだった。オキアミと団子を購入し(その他の餌はトシさんにボケを買ってきてもらい、イガイと牡蠣は現地調達)、トシさんとの待ち合わせ場所のウスイ釣り具に向かった。5時40分、ウスイ到着。トシさんと合流し、すぐに出発。白杉には6時過ぎに到着した。当日は曇っていたこともあり、当然真っ暗。しばらく、トシさんの車の中で話し、その後荷物を港に置いて、駐車場に車を回した。カッパなどを着込んでいると、急に腹が痛くなってきた。「うんこ、うんこ・・・、便所はどこだ!」我慢の限界がやってきている。困った。頭の中が便所でいっぱいになってきた。するとそこにもう一台車がやって来た。「きっと常連さんだ!便所の場所を知っているはずだ。」降りてきた釣り人に躊躇なく声をかけた。「すみません、便所どこにあるか知ったはりますか!!」「え、私も初めてここに来たので・・・、あっ和田さん!」暗い上に、判断能力が低下していたため、すぐに気づかなかったが、「舞鶴湾筏の春夏秋冬」の管理人のIさんだった。「え、今日は?」長浜が臨時休業となったため、こちらに来られたそうだ。「おおお、偶然。今日の山弘渡船は知り合いだけ。・・・うっ、腹が。うんこが。」

 6時半になった。「おじさんはまだか!」そして、とうとうおじさん発見。「おじさん、トイレは?」「え、うんこか?」「そう。うんこ。」「家の中の便所を使え。」そして、騒動はやっと解決した。6時半過ぎ、3人で出船。筏までは結構時間がかかるので、船に付いている魚探を見ていた。筏到着。降りようとすると、魚探に魚マークが大量に付いている。「・・・・・?」おじさんは「筏にチヌがついている。」と言った。トシさんと私は手前の筏に降り、Iさんは保安学校よりの筏に降りられた。私が以前見た長竿師は岸向きではなく、沖向きで爆釣していた。しかし、魚探には岸向きで魚マークがでていた。「あれ、ほんまですかね〜。おじさんのサービス?」結局、魚マークには勝てず、岸向きで釣ることにした。赤土を撒きながら釣りを開始するが、まったく反応がない。「おかしいな〜。あれだけの反応がでるなら、入れ食いのはずやけど・・・。あのマークは何だったのか?外道もおらん。」私は、早々に短竿もセットし始めた。両天秤は成功した試しはないが、山弘渡船では、短竿でよい思い出があるので、どうしても短竿も出しておきたかった。

 時刻は7時50分頃になった。潮は朝から適度に流れている。ウキが若干手前に寄りながら動いている。すると当日初めてウキが若干しもった。しもりながら、更に数秒後、スポッと入った。一テンポ待って、あわせた。グンと竿に重みがのる。「おお、かかった。重い。チヌか!」魚は頭を振っている。「チヌだ。結構な良型かも。」ヒヤッとするほどの抵抗は見せなかったが、徐々に上がってくる。さらにぐりぐりと巻き続けると、良型のチヌが姿を見せた。トシさんがすくってくれたのは40pほどの細身のチヌだった。「おーー、やっぱりおったんや!。」俄然やる気がでる。その20分後、今度はトシさんがかけた。35pほどのチヌGET。すぐにトシさんの竿がまた曲がった。トシさんのかけた先ほどと同型のチヌをすくっていると、今度は私のウキが沈んだ。これはあわせられなかった。しかし、この時点で私の頭には、そしてたぶんトシさんの頭にも「今日はいける。楽勝。」という思いが浮かんだ。

 その後もウキに反応がでるものの、外道も寄ってきたようで、なかなかかけられない。しかし、ボケやオキアミが一瞬でやられるような外道の多さではないので、打ち返していれば必ず釣れると思った。しかし期待とは裏腹に、潮止まりとともに、全く無反応な時間がやってきてしまった。餌もほとんどとられない。こうなると、ウキ釣りは退屈だ。トシさんは根気よく、打ち返していたが、私の方は長竿を片手間にして、短竿中心の釣りに代えた。10時頃、向こうの筏でIさんがチヌとやりとりされているのが見えた。活性がないなか、見事にチヌに食わせたようだった。「よ〜し、がんばろ。」短竿には、一度だけ牡蠣の半貝にいいアタリがでたが、失敗した。釣り上げられたのは、フグやアイナメなど数匹だった。

 午後からは風も多少でてきて、長竿はさらに厳しくなった。私はイガイや牡蠣、オキアミなどで、短竿を中心とした釣りを続けた。今日はいい潮だと思ったが、どうも朝一の時合いで、午後からもう一度時合いがあるような雰囲気ではなくなっていた。こんなことは、今までも何度も経験し、朝一の時合いにもっと集中し、チャンスを大切にすべきだったのだが、油断してしまったことを反省した。またこの状況でワンチャンスを拾うには、長竿か短竿、どちらかに絞るべきだと考えた。しかし最後まで両天秤でやった。当日はトシさんと朝から愉快に話しながら過ごせたし、向こうの筏では根気よくがんばられているIさんがおられる。「今日は結果より、やりたいことをいろいろ楽しめたらいい。」と思った。「とりあえず長短両制覇だ!」

 15時半からは雨、風ともに強くなり、大荒れかと心配したが、雨が降っているにもかかわらず、太陽が出て、虹が架かっていた。寒さもさほど感じなかった。2月にこんな天気になっても寒くないのはいいが、地球温暖化は大丈夫かと心配になった。そして、16時半納竿時間となった。納竿時には、天気も回復していたので、夕まずめの一撃を狙いたい気持ちも若干あったが、元気があるうちにやめるのもいいかなと思った。山弘のおじさんによると、年明けより年無しも10枚ほど釣れて、コンスタントな釣果がでているようである。しかし、ここ2,3日は釣果がなかったらしい。それを考えると当日は3人とも、なんとか釣果を出せたのでよかったと思う。 「釣りは楽しい。」



釣果:1枚(40p)