5月6日(火)     白杉(晴れ)

 以前の職場の後輩F君から釣りに連れて行って欲しいと連絡があった。「ゴールデンウィークは釣りにはゴールデンでない!」という私の必死の忠告も、まだチヌを釣ったことのない彼には届かなかった。チヌを釣りたいというギラギラした強い欲望と、きっと自分だけは釣れるはずだという妄想を私も釣りはじめのころは持っていた。「仕方ありません。それじゃ、行きますか。」場所はこの時期、唯一大釣りを見たことのある白杉に決めた。山弘渡船さんに電話すると二日前に40pが1枚釣れたそうだ。当日は5時に出船ということもあり、2時半過ぎに私の自宅に集合し、出発した。餌はボケ、オキアミ、丸貝、団子(小)を用意した。

 5時に出船し、3号筏に乗った。まずはボケの落とし込みから。それから、イガイや丸貝を落とし込むがそれらしき反応はない。ボケには時々フグが釣れてくる。しかしフグがあたってきたのも早朝だけで、8時頃からは何もあたらなくなった。ボケやオキアミが無傷で上がってくる。11時頃、時々、外道の反応が出るようになり、状況がよくなるかに思えたが、12時には再び沈黙。13時頃からは餌の中心をサナギや丸貝に変更した。団子を根気よく打ち返したので、もし寄ってくるようなチヌがいれば、サナギにあたるのではないかと期待したからだ。14時頃サナギを触るアタリがでた。しかし、無傷。「ウグイか・・・?」でも、当日初めてサナギに触ったので期待する。14時半、ハリスサナギ団子を投入すると着底後すぐに穂先がクッとお辞儀。あわすがのらなかった。「え!チヌぽかったな・・・。クソ。」更に期待度が上がる。その次ぎもサナギ。今度はコンコンあたっている。しかし、どう見ても外道。あわせどころもない。上げるとサナギが半分に。「サナギを食うやつがでてきた!」切り口が汚かったので、チヌではなさそうだったが、ますます期待する。しばらくはアタリがでなかったが、3時頃、またサナギを触る。上げると半分サナギが食われていたが、ハリスもザラザラ。「なんだ、フグがサナギに反応してただけか・・・。」闘志がトーンダウンするとともにアタリもなくなった。何度手繰り上げてもボケがガッツポーズをしている。そのボケの姿に逆にこちらは完全に戦意喪失。17時すごすごと納竿した。

 当日の状況であるが、潮も適当に流れ、いかにも釣れそうな雰囲気はあった。大量にいたフグも減っており、チヌさえ増えれば、よい釣りができそうだった。近くの磯では3枚上がったらしい。「もう少しの辛抱か。6月は釣れて欲しい。」そう願って白杉を後にした。車中もF君といろいろ釣りの話しをしながら帰った。「また行こう」と約束して別れた。初チヌを釣って喜ぶF君の顔を早く見たい。「今度はいい日に誘うから・・・。」

釣果:次は釣れそうな気がする。