8月22日(金)     大丹生(晴れ)

 どうしても、大丹生で大物を上げたくて、この夏最後の釣りに行くことにした。がじろうさんに連絡したところ、付き合ってくれるとのことなので尚更、いい釣りができることを期待した。当日は午前2時半過ぎに自宅を出発した。家を出た瞬間寒いと感じたが、黒鯛釣具店に向かう道路側の温度計は15℃を表示していた。「あと数度下がれば、冬の気温やな・・・」黒鯛釣具店で団子(大)、丸貝、サナギ、オキアミ、氷を購入し、4時半頃、大丹生に到着した。しばらくするとがじろうさんも来られ、4時50分、出船した。釣り人は我々以外にいなかったので、いつもの筏に乗った。おじさんによると前日は手のひらクラスが数枚と良型が1枚上がったらしい。防波堤の方はカニ餌で相変わらず、大型が釣れているそうだ。海の状況そのものは悪くなさそうだ。

 まずは丸貝の落とし込みから始めた。1投目からくるような気がしていたが、反応はない。30分ほどやってみるが、気配はないので5時45分ごろから団子を投入し始めた。30分もすると泡がブクブク上がってきた。やがて表層にコノシロが現れた。底でも反応がある。サナギが2,3回かじられた。「これはいけそうや。きっと釣れるぞ。」そう思って、打ち返しを続けながら、時合いを待った。サナギをかじられたのが7時前。その後はサナギにも丸貝にも全く反応はなかったが、海は過去釣れた時と同じような状態になっている。前回の朝しか魚の活性が感じられなかったのとは違う。なんとなく早くに時合いがくるような気がしていた。

 9時、がじろうさんの竿が曲がった。30p弱の小型だが、チヌGET。「よし、これからますます活性があがって、釣れ始めるぞ!」ところが状況は・・・、アタリがでない。アタリがでない。全くアタリがでない。底にはヒイラギ、チャリコ、ハタ、そして時々ボラ。表層や中層にはコノシロやアジ、アオリイカの子、サヨリ。チヌ以外はたくさんの魚がいる。なぜ、チヌの活性だけがあがらないのかわからなかった。「釣れそうなパターンなのに・・・。自然相手なので、毎回同じようにはならないとは思うけど・・・。」10時の時合いはなかったが、過去はすべて17時からは時合いがあった。夕方の時合いに向けてがんばった。そして、16時半、ボラの活性がヒートアップ。いつもの時合い突入の状態となった。しかし、アタリがでない。全くアタリがでない。「なぜ?なぜなんだーーーー。」結局、納竿の18時過ぎまで釣れそうで釣れない状態は変わらなかった。1度もサナギや丸貝はとられることはなかった。「おかしいな。どうしてだろう。こんなはずじゃないはず。」などと焦りを感じながらの釣りだったので、ストレスがたまる一日だった。

 当日であるが、我々より後から来られた釣り人が、防波堤にかけてあるカセに乗られたが、40p前後のチヌを4枚釣られていた。あれだけ外道の活性があるのだから、チヌの活性だけが低いとは考えにくかったので、やっぱりそうかという気持ちだった。つまり、釣れなかったのは、チヌがいなかったから。場所の選択ミスということだ。後悔した。当日の目標はがじろうさんと二人でたくさんチヌを釣ることだった。千歳爆釣は知っていた。あれほどの釣果はでないにしてもある程度は釣れただろう。特にがじろうさんは上手だから、チヌさえいればきっと釣られたはず。前回の大丹生は調子がよいとはいえない状態だったのに、久しぶりに二人で行く機会に、自分の願望である「大丹生で大物を釣る」ことを優先した釣り場選びしてしまったことは大きな反省点だった。以前、上佐波賀で本命筏をはずして、大穴狙いをしてがじろうさんと反省したのを思い出した。本命釣り場や本命筏の後追いをしたがらないかかり釣り師は多いと思うが、次回こそ二人で行く時は、もう少し釣ることを重視した選択を二人で考えて出撃しようと思う。

 後悔が残る釣行だったが、帰りの船では穏やかな気持ちだった。もちろん、帰りの車の中でも。厳しいのは途中でわかっていたし、選択ミスを釣りながら後悔した。でも、一生懸命はやった。一生懸命やっても結果がでないことはある。他人に対するイライラ感は、結果だけで判断していることが多い。どうしようもない敗北の経験は他人への優しさにつながる気がした。釣りぐらいでちょっと大げさかもしれないが・・・。この夏も結構釣りに行った。次回の釣行まではしばらくあくと思う。でも、近いうちにがじろうさんが釣ってくれるだろう。しばらくはみなさんの釣果を楽しみにしたい。
 

釣果:完封負け、でも豆アジを南蛮用に釣ったのは大正解だった。