11月23日(日)     大丹生(曇り後晴れ)

 22日の仕事が早めに終わり、ゆっくりした気持ちで大丹生に行けることになった。4時前に起床し、自宅を出発。途中、黒鯛釣具店で団子(中)、丸貝、サナギ、オキアミ、ボケ10を購入。大丹生には5時50分頃到着。まだ暗い6時10分頃出船した。前日は防波堤でオキアミで二桁近く釣れたらしい。カセが気になったが、当日は人が多いことが予想されたので、筏に向かう。降りたのは一番沖側列の千歳より2台目の筏だった。

 団子を5個投入し、それから仕掛けをつくった。まずはオキアミを落とし込む。すぐにアタリがでてチャリコが釣れた。次はボケを落とし込んだ。今度もすぐにアタリ。良型カワハギが上がってきた。外道の活性は高い。次は丸貝を落とし込んだ。しばらくするとコツと一瞬当たる。アタリが続かないので、上げると丸貝が割れている。チヌらしくはないが、丸貝まで割る活性にますます期待が高まった。次はサナギハリス団子。着底後、竿を置いて様子を見ようとした瞬間、コツコツ、グゥ〜と穂先が入った。まさかのアタリに一瞬アワセが遅れた。「しまったー。今のはあわせられた・・・。最初の突然のアタリはチヌのこと多いのに・・・。」すぐにサナギハリス団子投入。同じようなアタリがでれば、間違いなくよい状況と期待するが、明確なアタリはでない。でもサナギはボロボロに。カワハギの仕業だ。それからはオキアミは多少アタリがわかるが、すぐになくなる。サナギはアタリなくボロボロという状態が延々続いた。丸貝には全く反応がない。根気よく打ち返すが、たまに上がってくるのはチャリコとカワハギ。いつかはチヌアタリがでること願うが、気配はない。午前中は天気は雲って非常に寒かったが、11時半をまわる頃からは晴れてポカポカしてきた。いつの間にか2本の防波堤にはそれぞれ15人ほどの釣り師がいる。筏群もすべての筏に人が乗っている。その数、14,5名。だが、釣れている様子はほとんどなかった。

 昼をまわるとだんだん釣れる気がしなくなってきた。団子は14時に大量投下し、ほぼ使い切った。あとはひたすら丸貝を落とし込み、サナギの時だけハリス団子にしようと思った。14時20分、丸貝を落とし込んだ。着底後しばらくして、ハリスにボラがすれるような、ちょっと引っ張られるアタリが一瞬でた。「うん?チヌアタリじゃなさそうだけど、大きな魚がいるような・・・。」1分ほど待つがアタリがでないので、引き上げた。大きめの丸貝が完全に押しつぶされていた。「完全にチヌや。アタリやったんか・・・。チヌがいる。」もしかして時合いかと思い集中する。その後30分、アタリがない。15時、団子をすべて撒く。ひたすらその後は落とし込む。外道の活性は14時半頃より落ちていたが、15時にはオキアミすら残る状態となっていた。「あれほどいたカワハギやチャリコはどうなったのか。チヌがいれば絶対釣れる状況なのに・・・。」あきらめムードが再び漂ってきた。大丹生の紅葉した山が目に入った。「植林の山より自然の山がはるかに美しい。」



 16時、最後の1匹の大ボケを付けた。釣り座と反対の端で落とし込む。引き上げるとボケ元気。もう一度落とし込む。引き上げるとボケ元気。「あかんは、これは。」釣り座に戻って再び落とし込む。そして放置した。「確かに状況が夕方になって変化したけど、何にもおらん。」ずっと以前、初めて冬場にボケで釣った時のことを思い出した。「大きなアタリやったな。食う時はチヌも豪快に食うのにな〜。」回想にふけっていると、突然穂先がゴゴゴン、ググとなった。回想と現実が混ざって、なんのことかよくわからなかったがあわせていた。「よっしゃ、かかったぞ。チヌや。」無我夢中で上げた。上がってきたのは30p中ごろのチヌだった。とてもほっとした。「やった。釣れた。」写真をとってもう1枚を狙った。



 「やっぱり時合いは夕方なんや。こんな状態で釣れるんや。」巨丸貝で大型を狙う。期待は膨らむが、一気に日が暮れてきた。次々と釣り人が帰り始めて16時半には2つ隣の筏の2人組と私だけになった。16時40分、2人組の方がかけた。残念ながらばれてしまったが、大型のようだった。時合いであることは確信したが、もう真っ暗になるのに30分かからない。16時50分、おじさんを呼んだ。だいたいの片付けを終えて、餌を引き上げると巨丸貝が食いちぎられていた。「くそ!いつのまに。おるな〜。でも、もうよんだし、今日はあきらめよう。今度はとことんやろ。」最後の最後で、ちょっとドキドキと悔しさを残して17時納竿とした。陸に上がるとがじろうさんが来てくれていた。日没間際の海を眺めながらしばらく話した。今年もあと1ヶ月で終わる。なんだかもの悲しい気持ちになるが、海を見ていると心が澄んでくる。そんな夕暮れだった。

釣果:1枚(37p)