1月4日(日)     長浜(曇り時々晴)

 今年の初釣りは長浜に行くことにした。5時前に自宅を出発し、黒鯛釣り具で団子(小)、丸貝、石ゴカイ、シラサ、オキアミ、サナギを購入した。長浜には6時50分頃到着。がじろうさんが朝から渡船場に来てくれていた。新年の挨拶を交わしたり、エビクーラーを捨ててしまったため、おがくずに入れてもらった私のシラサを見て笑ったりしていると、船頭さんが来られ、がじろうさんお見送りの中、出船となった。東の筏に降りた。潮は濁り、いかにも釣れそうな気がした。まずは石ゴカイの落とし込み。着底するも反応無し。何回か誘うが反応はない。竿を置いて身の回りの整理をしていると突然、クッ、クと穂先がお辞儀した。失敗。「しまった。たぶん外道やろうけど、この時期は小さくて軽いアタリでもチヌのことはある。かけられるアタリは大切にしないと。それにそういう小さいアタリを、チヌかもしれんと思ってあわすのが、冬の楽しみの一つやし。」もう一度、集中。その後も、石ゴカイ、オキアミなどを落とし込む。7時半、手前の筏に五目釣りの方、中の筏に長竿師が来られた。8時前より団子を投入。魚の活性は徐々にあがり、石ゴカイやオキアミには毎回アタリがある。針掛かりするのはチャリコとフグばかりだが、フグやアジの群れの中からチヌが釣れることはあるので、よい傾向と判断し、打ち返しを続けた。

 9時を過ぎるとシラサにもアタリが出始める。ただ、チヌらしき食い跡ではなかったが、活性は上がっている。そして、・・・とうとう竿が曲がった。中の筏の長竿が。遠目なので、大きさはわからないがチヌのようだった。「やっぱり、状況は悪くないんや。がんばろ。」10時、またも中の筏の長竿が曲がった。「こっちも必ず釣れるはずや。」餌取りの活性が高いので、丸貝やサナギを使いたかったが反応がでないので、メインはシラサとオキアミでやる。10時30分、オキアミハリス団子を投入。着底後すぐとられると思ったが、反応がない。「うん?とられた。いや、まだあると思うけど。活性落ちたか。」そんなことを考えていると、コン、クッと穂先が突然お辞儀した。軽いアタリだったがとっさにあわせた。何かがかかった。フグのつもりで巻き上げにかかると重い。「おお?これは何・・・。チヌや。」一気にギアチェンジ。「確かかかりは浅かったはず。」即座に二度アワセをいれる。「やっぱり、軽いアタリでもチヌのこと、あるんや!」そして、巻き上げ再開と思った矢先、無情にも針がはずれた。・・・がっかり。「あ〜あ、新年1ッ発目からバラシか。」後から考えると、チヌが来て、外道がおとなしくなるという典型的なパターンだったのだろうが、1枚目を底バラシした結果、群れを散らして何もいなくなるという、これまた典型的状態になってしまった。

 12時過ぎ、がじろうさん登場。がじろうさんに一通りの状況説明する。外道の活性は午前中ほどではないがある。ハリス団子で落とすと餌持ちがよいが、遠投して手前に寄るように落とし込むとフグが大きなアタリをだす。フグは多少浮いているようだった。フグをさけるため、ハリス団子で落とし、しかも確実に残るよう丸貝を付ける割合が増える。飽きたらオキアミを付けた。チヌからの反応はないが、がじろうさんも海の様子は釣れそうだと言っていたし、私も同感だった。13時、我々の読みが正しいことをまたも中の筏の長竿が証明してくれた。長竿は15時半ごろまで時々曲がっていた。こちらからでも、棒ウキが頻繁に消し込むのが確認できた。「いいな〜アタリいっぱいあって・・・。」結局、17時の納竿まで、チヌの気配を感じることなく撃沈してしまった。

 帰りの船では中の筏の長竿師と同乗した。その釣果を見て言葉がなかった。数は5,6枚だったと思うが4枚は大型で、内2枚は年無しだった。しかも見事な体型の傷一つないチヌだった。もし、これが同じ短竿の釣果だったら、もちろんうらやましいが逆にあきらめもつき、あ〜あで終わったと思う。ただ、中の筏からカセに向けての長竿の釣果だったので、素直になれない敗北感があった。私も筏から長竿を振ることがあるし、同じようなことを以前にやったこともあるので、偉そうなことは言えないけど、あのポイントで長竿振ったらいけない気がした。それと、自分自身の釣りも後から考えると反省点がある。オキアミでバラシがあったために、多くの餌を奮発して買った割りには、オキアミに固執してしまったが、長竿師のメインの餌はサナギだったそうだ。さらにフグが浮いていたということはチヌも浮いていた可能性もあるのに、やはり底でのバラシがあったので、底にこだわり、軽いオモリでの落とし込み等で上層にアピールすることをしなかった。かかり釣りは長い時間釣る釣りだから、毎回思うことだが、チヌはいると信じて工夫してみることが大切だとあらためて思った。

 陸に上がって、がじろうさんに挨拶し、帰路についた。お互い苦笑いのスタートになったが、次回から徐々に上向きになれればよいと思う。まずはこの冬、またみんなでいろいろ試しながら、がんばっていきたい。

釣果:工夫と粘りが大切