6月28日(日)     大丹生(晴れ)

 スナさんの釣果を見て、大丹生に行こうと思った。いつものことだが、大丹生ではいい釣りがしたいという思いが強い。当日は2時半頃自宅を出発した。黒鯛釣具店で団子(小)、丸貝、サナギ、ボケ15匹、氷を購入し、店を出ようとすると銀太郎さんがお友達と入って来られた。大丹生に行かれるらしい。後で釣り場お会いすることを楽しみに店を後にした。大丹生には4時半頃到着し、すぐに出船した。この冬よく乗った一番岸よりの列の筏に降りた。まずはイガイの落とし込みから始める。反応はない。何度かイガイでやるが、ダメなのでボケを落とし込む。着底してしばらくするとアタリ。上がってきたのはチャリコだった。しかし、その後はボケも残る。前回の白杉同様、外道はほとんどいない。筏の周囲も探るが、ボケで裏面でいいアタリでチャリコが釣れただけだった。釣り座に戻って7時まで、落とし込みを続けるが、全く気配がないので、団子投入。しかし、何の活性もあがらない。イガイ、丸貝、サナギには1度のアタリもなかった。

 日が昇るにつれ、暑くなってきた。相変わらず、穂先に反応はない。丸貝を半貝にすると、ハタが触ってくる。海はチヌが釣れるとは思えない低活性状態。アケミ貝やオキアミを持ってくれば、もう少し退屈しのぎができたかもしれないが、ないものはどうしようもない。11時頃には、疲労がたまって、相当長い間釣りをしているような気分になっていた。ただ、前々回の長浜ではないが、こういう状況でも真っ昼間にドカンはたびたびある。根気よく、打ち返しは行った。12時、サナギハリス団子投入。しばらくして、少し団子ごと、餌を動かすと手にひびく強いアタリがコツとあった。上げると今日初めてサナギがなくなっていた。「おおお!」すぐにサナギを落とし込む。「サナギを食うやつがでてきた。群れでいてくれたら・・・。」しかし、反応はでない。「うーーん、単発だったのか。」ゆっくり穂先で聞いてみると、ググッと魚の感触。とっさにあわせた。「お、のったぞ。」かけた瞬間は、よくわからなかったが、引き始めると強い。「居食いや。この引き、チヌちゃうの?チヌやで!しかも良型。」斜め前方に走った魚を引き寄せる。強い引きの合間を見て、どんどん巻いた。「よし、この低活性でチヌかけたぞ。」ちょっとうれしかった。そろそろ銀色の影が水面下に見えると思ったとき、突然軽くなった。「・・・・・」ハリはずれだった。「何で・・・。あかんな〜〜〜。1ッ発目をやってしまった。」悔しいというより、意気消沈した。もちろん、アタリは無くなり、餌は無傷で上がりだした。13時頃に隣の櫻井渡船の筏の釣り人がチヌを上げたのを考えると、やはり昼間の時合いの初っぱなをばらしたようだった。「全然あかん・・・。」

 夕方の時合いを信じて再び打ち返しを始めた。ひたすらサナギハリス団子、丸貝ハリス団子を投入した。アタリは1度もない。16時からは残り少ないボケをつけた。ボケでも、1度キスが釣れた以外はとられない。活性は低い。16時半、ボケハリス団子投入。反応がないので、団子ごと少し動かした。すると動かした直後に、モゾっと小さなアタリ。身構えると押さえるようなアタリではないが、鋭くグッと引いた。力強さを感じた。そして次のクッであわせた。腕が肩で止まった。「よし、やった。大物や。取り返したぞ。」速攻で巻き上げにかかる。4,5回巻いたところで、軽くなった。またもハリはずれ。一瞬のことなので、しばらく茫然。「午前中より時々根掛かりしたし、根掛かりか?いや、アタリあったし。やっぱりバラシか。どっちにしても、あかんな。今日は・・・。」可能性としてはたぶんバラシだった気がした。その後は案の定、アタリはなくなった。15分後、斜め前の筏でチヌが上がった。「やっぱり時合いの最初をバラシたのか。ほんまに・・・。」17時には団子も打ち終わり、丸貝を中心に落とし込みを続けたがアタリはなかった。17時40分、やめようと思った。元気はなくなっていた。「まるで、広島カープやな。ふがいない試合ばっかりやりやがってと思っていたけど、自分もまったく一緒や。ようは気持ちはあっても広島同様、実力がないということや。」18時で納竿することにして、サナギや丸貝を落とし込んだが、ぜんぜん釣れる気がしない。18時になった。ふと前方の筏を見ると、銀太郎さんが魚を取り込まれたようだった。遠目に見ても大型だった。「おー、流石やな。時合いか!」もう少し、がんばろうと思った。銀太郎さんを見ていると、たぶんアタリがあるのだろう、背中ごしでも集中力を感じた。しかし18時15分、西田のおじさんに電話した。1度、無くした気合いは戻らなかった。「やっぱりやめよ。あかん。涼しくていかにもっていう時間帯やのに・・・。がんばれない。」帰りの船で、銀太郎さんの筏を回って挨拶してから、渡船場に戻った。銀太郎さんはまだまだ佳境のようだった。一日を通した釣りへの組み立ての細かさやここという時の集中力の高さなど、帝王、銀太郎さんのすごさを感じた。まだまだ、進化される人だと思った。上達のスピードが違うと思った。

 当日であるが、私を含め8人の釣り人がいたが、銀太郎さんを含め4人は釣っていた。まだ本格的ではないが、これから大丹生はもっとよくなる気はする。今回はとても残念な結果に終わってしまったが、次回こそ、大丹生の同じ筏で釣ってやろうと思う。闘志が少し沸いてきた。

釣果:リベンジしたい。