8月5日(水)     大丹生(曇り後晴れ)

 私は釣れている筏やカセに乗るのは好きではない。理由は2つある。一つは釣れても当然のように感じ、せっかくの釣果を素直に喜べないから。そしてもう一つは、釣れなかった時のショックが大きいから。下手さ加減を強烈に自覚させられる結果になる。だから実績筏はこわい。だが、今の状況はアタリもない釣りが続いている。少しでもよい条件で釣りがしたかったので、前回よく釣れていた大丹生のカセに行こうと思った。月曜日に電話してみると日曜日も当日も釣れているようだった。「よう釣れてるな〜。大丈夫かな〜・・・。」

 釣行当日は2時過ぎに自宅を出発した。途中黒鯛釣具店で団子(大)、丸貝、サナギ、オキアミ、氷を購入した。釣り場には4時15分頃に到着した。先に到着されていたもう一人の釣り人さんと楽しく話しながら、夜が明けるのを待った。私は人の多い日はカセにのらない。以前にも書いたが頭の上からウキが飛んでくるのが嫌だから。ただ今回は朝からお話させて頂いた方しか、西田渡船のお客さんはおられず、穏やかでとても丁寧な方だったので、安心してく出船した。おじさんによるとカセは日曜日9枚、月曜日7枚、火曜日5枚釣れたらしい。取り敢えず、前日の5枚をなんとか目標にして釣ろうと思った。カセに到着して、海の色を見ると濁りが入り、いかにも釣れそうに感じた。

        

 まずは丸貝を落とし込んでみた。着底後しばらく待つが反応はない。「うーーーん、あかんか。誘ってみるか。」竿を大きく上に上げてゆっくり落とし込む。落ち込みで少し触ったかなと思うやすぐに穂先が入った。「よし!」筏より水深が浅いせいか、引きは強く感じる。カセ下には突起物も多くあるので、ばれないか心配だった。必死のやりとりでやっとの思い出取り込んだのは中型のチヌだった。「1投目で釣れた。」少し笑ってしまった。連続してくるかと思ったが、その後はアタリがない。糸を巻き取って再び落とし込んでみる。すると3ヒロほど落とし込んだ時、穂先に魚のアタリがでた。半信半疑であわせてみると、すごい手応え。「チヌや!走られたら、糸ださないと切れるぞ。」そんなことを考えながらやりとりを開始。しかし、あっという間にばれた。あわせが軽すぎてハリがはずれてしまった。「しまったな〜、チヌ浮いているやん。」それからしばらくは中層を狙ってみるが、ばらした後なのですぐにあきらめた。次は軽いオモリで丸貝を落とし込んでみた。すると着底直後、穂先が突っ込んだ。先ほどより大きい40pオーバーが釣れた。「お〜、うまいこといったな。」

       

 「早くも2枚、なんとか5枚はいけるかな。」しかし、その後30分ほどは丸貝に反応はない。もう少しイガイもまじえた落とし込みで拾えそうに思ったが、団子釣りに切り替えた。団子を3個放り込んで、サナギハリス団子投入。反応なし。「そらそうやな。おったら、丸貝にアタリあるだろうし。」餌を回収するとサナギがボロボロになっている。「なんか、いるんや。サナギが1投目からかじられるとは。」更に団子を2,3個投入し、サナギハリス団子投入。するとすぐにアタリが出始めた。「おおー、アタリがでてる!」それっぽいアタリなので、あわせてみた。「かかったぞ。チヌや!」同型GET。次ぎもサナギハリス団子。アタリはでる。連発。写真を撮った。

       

 「どういうことや。最初のかじられ方はチヌじゃなかった。でも、次はチヌが釣れた。すべてチヌアタリなのか?」次ぎもサナギハリス団子。すぐに穂先が突き刺さった。しかし、今度はフグだった。「外道とチヌが混在してるのか。外道の活性も相当高そうや。」刺し餌を丸貝に代えた。アタリはでるが、なかなかのらない。外道も突っついているようだった。ならばイガイ。イガイには外道はあまり触ってこない。何度か誘い上げてみると、触ってきた。「よし、のった。チヌや。活性高かったら、団子打ってもイガイで、釣れるんや。」

             

 その後も団子を打ちながら、イガイで釣った。高確率でかけた。イガイの釣りも最初の数枚は緊張したが、だんだん緊張感がなくなってきた。二桁を越えたあたりで、何枚釣ったかわからなくなった。7時半頃からはイガイに飽きてしまい、敢えていろんなアタリのでるサナギハリス団子でやった。すでに魚がひしめき、自分のスカリは大変な状態になっている。8時、おじさんに魚を入れるものを持ってきてもらうため電話した。巨大なスカリを持ってきてもらった。さっそく、自分のスカリから5枚ほど移し替えた。

         

 型も40前後がそろい、申し分なかったのであるが、人間とはぜいたくもので、集中力が切れかけていた。めったにない好条件、数を釣ることを目標にして頑張ろうと思った。ところがせっかくでかスカリが到着したのだが、その後はアタリ方も小さくなり、回数も減った。ただチヌの気配は十分あった。ペースは落ちたが、12時半までの4時間で4枚追加した。その頃になると、曇っていた天気も晴れて暑くなっていた。疲れたのと気分転換の意味でも、一旦陸に上がろうと思っておじさんを呼んだ。1時間休憩した。

 13時半再びカセに戻った。すぐにチヌのアタリが出始めた。朝の時合いほどではないが、普段ならもう大緊張になるような気配だった。しかし、前半にはなかったバラシを連発。風が吹いており、カセが押されて突起した支柱付近に動いたのか、ハリス切れが連続した。1時間ほどでやっと釣ったのが当日としては最も小型なチヌだった。

       

 その次ぎも小型。群れが変わったのかなと思ったが、後半4枚目ぐらいに40オーバーがきた。時刻は15時半をまわっていた。後半の餌はすべてサナギ。ボラの活性も高く、ハリス団子にするとボラの団子アタリとチヌアタリの判別が難しく、逆に当日としてはそれがおもしろく感じられた。

       

 16時になるとチヌの活性は再び朝の時合い並に上がってきた。アタリを見極める前にひったくるアタリがでることもしばしばあった。丸貝を落とし込むと丸貝にもあたってくる。チヌアタリの連発だ。17時までに3,4枚追加したように思う。チヌの活性は依然すごいものがあったが、チヌを釣ってもドキドキしなくなっていた。これ以上、数を目標にしてるとは言え、釣っても仕方ないと思った。おじさんも18時までに終わって欲しいと言っていたので、17時20分納竿とした。自分のスカリを引き上げ写真をとった。それからむかえに来てくれたおじさんと協力してでかスカリを引き上げた。スカリが大きすぎて魚が一所に集まらず、うまく写真はとれなかった。

 当日であるが、厳しい釣りばっかりで、もっとよい条件で釣りがしたいという願望がかなった釣行だった。ただ、今回のことは別格扱いで、次回からは根気よく打ち返してチヌを寄せ、気配を感じながら何とか釣り上げることを目標にしたい。大満足の一日だったが、唯一の反省点はチヌをほとんど放流できなかったことだ。スカリを引き上げずに放流すれば、よかったのだが、引き上げたためチヌがあっという間に弱ってしまった。スカリから直接つかみ出さなかったのは、釣果を西田のおじさんに見せたかったから。他の釣り場だったら、もう少し元気な状態で多くのチヌを逃がせたと思う。こんなに釣れることはそんなにあることではないのだが、、せめて持ち帰ったチヌをおいしく食べようと思う。

       

       

釣果:25枚(48・46・43×3・42.5・42×5・41.5・40.5×2・38.5・38・37.5・37・36.5・36・35.5・35・33×2・30.5)