11月27日(土)    大丹生(晴時々曇り)

 疲れ果てたが、久しぶりに頭も心も使わず釣りができそうだった。天気予報からすると、午後から風がでそうだったので、大丹生に行くことにした。前日に電話した。「おじさん、明日行こうと思うのやけど、お客さんいっぱいで乗れないってことはない?」「(笑い)・・・来てくれるのは、あんただけや。」釣果は聞くまでもなかったので、電話を切った。そして絶対行くしかない状況となった。
 当日は4時に起床して出かけた。冬場は朝、ゆっくり寝られるのがいい。黒鯛釣り具店で、団子(中)、サナギ1袋、丸貝2袋、オキアミ1パックを購入し、釣り場に向かった。到着は6時過ぎだったが、おじさんがすでに渡船場におられたので、薄暗い中で筏に向かった。乗った筏は沖側の千歳よりの避難箱付きだった。6時半頃より釣りを開始した。まずは丸貝の落とし込み。反応なし。落とし込みで粘る気が全然起こらなかったので、すぐに小団子を5個ほどを撒いて、オキアミハリス団子を投入した。アタリはないがすぐにオキアミはなくなっていた。「さすがにオキアミはあきませんか。」今度はサナギを落とし込んでみた。すると着底後、すぐにコン、クッとあたった。「うお・・・」失敗した。いきなり反応があるとは思わなかった。「今のは・・・、何かはわからないが、あわせられたよな。」次もサナギの落とし込み。同じようなアタリがでた。「よっしゃ!・・・あれー、かかったと思ったけど。チヌじゃないのか。でも、この活性。今日はいけるのか!?」もう一度、サナギを落とし込む。しばらくして、今度は穂先が震えながら海面に持ち込まれた。「よしかかった。・・・軽い。」上がってきたのはちょっと大きめのチャリコだった。「さっきのもこいつか?でも活性はよさそうだ。期待はできる。」ところが、その後、サナギへの反応が消えた。もちろん丸貝にもアタリはない。さらに時間が経過するとオキアミですらかじられてはいるが、残ってあがってくるようになった。「朝一のみの活性だったか・・・。」退屈な時間が経過した。

 根気よく団子だけは投入し続けた。すると9時40分頃から、サナギが突かれるようになり、やがて、アタリはほとんどでないのだが、なくなるようになった。たぶんカワハギだろうが、よい傾向に思えた。経験上、大丹生の時合いは10時頃、14時頃、夕まずめが多い。「このまま、活性が上がれば、そのうちチヌも釣れそうだ。」希望が見えてきた気がした。ところが、穂先に集中すれど、あわせるにはいたらない。サナギの噛み跡もカワハギのものに見えた。もちろん、完全にとられた場合もあったので、チヌアタリがなかったとは言い切れないが、その場合でも穂先にはアタリはでなかった。「極小アタリなのか・・・。やっぱりチヌはいないのか・・・。」カワハギの活性の高い時間はその後も続いたが、11時半頃突然、アタリがなくなった。サナギがほぼ無傷であがってくる。「うーーーん、時合い終了か・・・。」12時前に、根掛かり。ラインを手で引くとゴミとともに抜けた。グリグリ巻き上げると、なんとゴミの正体はタコだった。「こいつのせいで、アタリがなくなったのか。」しかし、タコを釣り上げても、アタリは戻ってこなかった。オキアミを使ったり、遠投したり、餌を変えて落とし込んだりしてみたが、反応はない。「今日はあかんかな。」紅葉に色づく大丹生の村を見ながら、時を過ごした。
                 

 次の変化は13時半頃だった。状況的には午前中の時合いと同じであった。どう考えてもカワハギだった。サナギハリス団子を投入し続けた。だんだん、集中力が切れてきた14時、サナギにコチョコチョしたアタリがでた瞬間にあわせた。穂先にアタリが確認できることがほとんどなかったので、うっぷん晴らしのようなあわせだった。「よし、かけったった!あれ、なんだこの手応え。カワハギじゃない。チヌか?チヌなのか。」必死で巻いた。やがて水面下に現れたのはまさしくチヌだった。「よっし、釣れた!」結構な引きに思えたのだが、30p強のチヌだった。「最近、小さいのしか釣ってないし、良型かかったら、びっくりしてとれへんかも。」それでも、チヌが釣れてうれしかった。

                 

 チヌが寄ってきたことがわかったので、俄然やる気が起きた。「よし、これから連発するぞ!」ところが以後はアタリも気配も感じない。元気なのはカワハギだけ。「あかんな〜、あれは、はぐれチヌだったのか・・・。」それらしきアタリがないまま、時間が経過した15時40分、残った団子を大量放棄した。いわゆるやけくそ。その後は、サナギをあきらめて、国産の硬い丸貝に変えた。15時50分、放置した500円玉大の丸貝にコツと小さなアタリがでた。アタリはそれきり出なかったが、回収すると見事にとられていた。「ない・・・。このアタリ方は良型の取り方のような・・・。」16時、何度か誘い上げた丸貝に着底直後にアタリ。即あわせを入れるがのらなかった。ぺしゃんこに潰された丸貝が上がってきた。「くそ、あわせが早かったのか?」しかし、今度こそ時合いだと思った。日没まで時間があまりないが、なんとか釣りたい。16時15分、丸貝にアタリがでないので、サナギの2個掛けを落とし込んだ。着底後すぐにコンと明確にあたった。「お!」あわせてしまった。「・・・、いかん。早かった・・・。あせってる。」このころから、次々と釣り人が帰り始めた。チヌがいるのはわかっていたので、粘る。ただ、アタリは連発しない。数は少ないのだろう。続いてもサナギの2個掛けを落とすが反応なし。再び丸貝に戻す。16時半過ぎ、誘い上げて落とした丸貝にコツとあたった。餌は筏下に徐々に流れる。竿でついて行きながら、次のアタリを待つ。筏ぎりぎりで再びアタリだす。「最後になんとか一発。」コツコツ、クッ。思いっきり竿を振り上げた。・・・、だめだった。真っ二つに食いちぎられた丸貝が上がってきた。針が入っているのと反対の半分を食っていた。「うんんんんーー」その後、2投ほどするが、アタリはでない。日没直前に竿が突き刺さるような状況に思えたが、すでに防波堤にも筏にも人がいなくなっていた。おじさんに悪い気がしたので、16時45分、納竿とした。

 陸に上がるとがじろうさん親子が来てくれていた。ひとしきり今日の釣りを話した。当日であるが、筏では真ん中の列に乗られていた釣り人が47pを釣られたらしい。「久しぶりの釣りで釣れたと喜んでおられた。」とおじさんが話してくれた。「久しぶりの釣りで釣れた・・・。」想像すると、その釣り人の喜びが伝わってきて、私までうれしくなった。「海はいい、釣りはいい、自然と人はいい。」そして、夕闇迫る大丹生を後にした。釣果はよくはなかったが、よい1日だった。

釣果:1枚(32p)