12月30日(木)    上佐波賀(雨のち曇り)

 昨年はできなかったが、今年はトシさんの声かけで忘年会をすることになった。自宅を16時に出発し、黒鯛釣り具店でオキアミ1パックとイシゴカイ500円を買って、舞鶴に向かった。ホテルには18時10分に到着し、会場の居酒屋には待ち合わせの18時半頃についた。そこにはすでにトシさん、岩崎さん、ナガさん、がじろうさんが集合していた。すぐに宴会スタート。岩崎さんやナガさんとはしばらく会っていなかったのだが、なぜかブランクは感じない。釣り仲間とは自然に話せるのがよい。楽しい。普段は飲まないが、飲んだ。店を変えてまた飲んだ。もう一軒。そして時刻が12時半を回ったころ、組合長の「解散!」の声かけで、宴会は終了した。繁華街を離れて、東舞鶴駅近くのホテルに一人歩いた。商店は閉まり、人気のない街をふらふら歩いたが、寂しくはなかった。夜の舞鶴が好きになった。舞鶴に行きつけのお店が見つかるといいなと思った。

 次の日は私の友人の友人であるMさんと待ち合わせた。初対面ではあるが、かかり釣りに関することで何度も連絡を頂いて、とても熱心な方だったので、厳しい季節ではあるが、ご一緒することになった。赤れんが館前で落ち合って、上佐波賀には7時頃到着した。7時半過ぎ、ナガさんとトシさんともう一人の釣り人と共に出船した。ナガさんとトシさんは7番、Mさんと私は9番、もう一人の方は6番に降りた。船頭さんは私たちの筏に乗って裏面で牡蠣の引き上げ作業を始めた。船頭さんが引き上げてくれた牡蠣を使って釣りを始めた。期待の第1投。反応はない。オキアミやイシゴカイにも反応はない。「まあ、これから。」と思った矢先の8時20分頃、ナガさんの竿が曲がっているのが見えた。しばらくのやりとりの後、GET。大型のチヌのようだった。「うーーん、チヌはいるなあ。それにしても釣るな〜、ナガさんは。」その後もナガさんは1時間おきぐらいにさらに2枚のチヌを追加した。こちらはMさんといろいろ話しながら釣り続けるが、全く反応はない。外道のアタリすらない。おまけに朝から降り続ける小雨に濡れて、とても寒い。「厳しいな。これで風が吹いたら、終わりやな・・・。」

 11時半頃、「ワダサーン」とかすかに聞こえる。「あの声は!」声の方に顔を向けると、船頭さんとともにがじろうさん親子が巡回にやってきた。がじろうさんジュニアにとってはちょっと天候的に厳しい遊覧だけど、お父さんと一緒なので、これも年末のちょっとした体験プレゼントになるかなと思った。一息ついた形になったが、やはり寒い。Mさんに14時か15時をめどにしましょうと告げた。魚の反応は一切ないのに加えて潮が右に左にと激しく流れ、釣れる気がしない海の状況だった。時刻は納竿予定の14時前になった。ところがその頃から、雨が上がった。14時半過ぎ、トシさんとナガさんが片付け始めた。午前中より条件もよくなり、何よりMさんの闘志が衰えていないので、我々はもう少し続けることにして、二人を見送った。その後、潮が緩くなった時に、アジやキスが釣れるようになった。15時頃になると薄日もさしはじめた。「16時半までやりましょうか?」「はい、いくらでも大丈夫です。」Mさんはきっとかかり釣りが上達されると思った。

                

 夕方の時合いがあるかと思ったが、15時半頃からまた潮が速くなることが増え始め、外道のアタリもなくなった。16時諦めムードになった。やることが思いつかなくなったので、筏の中を釣った。船頭さんが牡蠣を引き上げたので、少しスペースがあったのだが、Mさんが不思議そうに思われているようだったのでいい訳をした。「本当はこんなとこは釣らない方がよいです。かけてもばらす可能性も大きいし、ばらすと後に影響もあるので。」そんなことを言っていると牡蠣が着底した。コン、クゥ−。「うぉ?!」とっさにあわせた。「おお!のったぞ。」引きはさほどでもないがチヌに間違いないと思った。しばらくして上がってきたのは大きくはないがチヌだった。今年最後の釣行を締めくくれた気がしてうれしかった。

             

 夕方の時合いかと思ったが、すぐにまた潮が速くなった。1枚釣れて満足したので、お土産用の牡蠣洗いをすることにした。Mさんにも釣れて欲しかったが、16時半まであと20分ほどしかなく、厳しいと思った。16時20分、放置して竿にアタリがでたように思えた。もどってあわせたが、当然スカ。「う〜ん、今のはアタリだったのだろうか?」とボーと考えていると、Mさんの穂先の反応が目に入った。コンコン、グゥと穂先が押さえ込まれた。「当たってる−」というのとほぼ同時にMさんがあわせた。のった。竿の曲がりからしてチヌだと思った。「竿を前に出して。どんどん巻いて。」そして、魚が見えた。「チヌ、チヌ」無事にすくった。かかり釣り2回目で、しかもこの条件で釣れたのはMさんの集中力の賜物だと思った。「よかった。」16時半過ぎ、船頭さんが迎えに来た。チヌが釣れた上に、お土産用の牡蠣、さらに船頭さんにハマチまでもらい、クーラーは満タンになった。17時過ぎ、最後までつきあって頂いたMさんとお別れして、帰路についた。楽しい2日間で年を締めくくれたことをうれしく思った。

 今年は仕事で特に疲れや限界を感じた1年だった。来年も同じ状態が続くかもしれない。ただ、できれば少しでも多くの時間を穏やかな心で過ごしたい。だから、忙しくとも釣りに行こうと思う。釣りは思いやりや共感、回想、安らぎ、いろんなものを私に与えてくれるから。そして、独り言のようなHPもまた続けられたらと思う。最後になりましたが、今年も根気よくHPをのぞいてくださった皆様に感謝します。来年が皆様にとって笑顔の多い1年になりますようにお祈り申し上げます。

釣果:1枚(34p)