7月17日(日)    上佐波賀(晴れ)

 今回はF君と久しぶりに行くことになった。自分自身もこのところチヌが釣れていなかったので、せっかく2人で行くのでなんとしても釣りたかった。前日の朝から釣り場を考えて、まずは山弘渡船に電話してみるが、あいにく予約でいっぱいであった。次に上に電話すると釣れているとのこと。特に24番が昨日も、今日の朝の段階でも、調子がよいとのことだった。「24番か・・・、連日釣れているか・・・。」とにかく夕方にもう一度かけて決めようと思った。夕方、釣果を聞いてみると、一番釣れたのは17番で10枚とのことだった。本当は4,5枚釣れた場所がよかったが、「上佐波賀は実績筏に乗るべき」という上での教訓があるので、17番を予約した。爆発の次の日はもう一つという気がしたが、少なくとも朝に1,2枚は釣れる可能性は高いし、とにかく贅沢を言わず、1枚が確実な筏選びが大切と思った。

 当日は2時過ぎにF君と一緒に自宅を出発した。黒鯛釣り具店で、団子(小)、サナギ、丸貝、氷を購入した。マスターによると前日17番に乗られていたのはオキアミの名人だそうだ。名人の後なら、バラシまくったり、餌をぶち撒いたり、場荒れの心配はないと思いほっとした。上に着くと、前日は10名ほどの釣り人がいたらしいが、私達の他には1組2名の釣り人しかいなかった。5時前に4人で出船した。もう一組は24番に降りられた。我々も筏に降り、まずはイガイの落とし込みから始めた。第1投。穂先を見つめていると、隣でF君があわせをいれた。「アタリました!」「えー、もうか。餌はイガイ?」F君が続いてイガイを落とし込む。すると着底するやいなや、穂先に反応がでている。F君があわせるも、スカ。「うわ!チヌいるやん。」その後もF君はアワセをいれている。アタリは小さいらしい。狙い通り昨日の居残りがいるようだが、こちらにもアタリが欲しい。イガイをパラパラ撒きながら、落とし込みを続けると数投目にアタリがでた。チョンとあたった後の本アタリを待つが、反応はでない。上げると餌がない。確かにF君の言うようにアタリが小さい。というか、チョンで取られる。2回ほど餌をとられた。「うーーん、早目にあわすか。」そして次の1投。しばらくして、チョンときた。「うん」バシ!アワセをいれた。「よし、かかった。」引きは強い。何とかとりたい。上げてくるまでが、長く感じた。良型が姿を見せてすくった。「よっしゃ。」久しぶりに釣れたことと、タイミングを読んでかけたことがうれしかった。その後も、いつもより早目のタイミングでアワセをいれた。6時過ぎまでの1時間強はアタリが連発し、6回かけて1枚がロープ、1枚が表層でハリ外れでバラシたが4枚上げた。一回り小さいのが1枚いたが、どれも良型というか大型だった。こんな型がそろうのは初めてだった。F君はバラシを連発し、苦戦していた。

      

 朝一の時合いがあったことは前日の釣り人のおかげだと思ったが、この後釣れるかはわからなかった。「朝一終わり」はよくあるパターンだ。8時、久しぶりにコツアタリでイガイがなくなった。「うん・・・。」次の1投に集中。すると着底後、アタリ。一呼吸待ってあわせた。またも強い引き。ところがしばらく巻くとロープにかかった。魚はまだついていたので、F君に背後のロープを引き上げてもらうと、糸のついたロープが上がってきた。ロープの一番底の部分で糸が1周していた。どうもロープが長いので、最初にちょっと入られただけでロープにからまるようだった。糸を外すして巻くと幸運にもまだ魚がついていた。引き上げたのは40p後半のチヌだった。一人では上がっていなかったと思うが、ラッキーな1枚だった。この1枚で完全に満足した。後はF君だが、しばらくするとF君にも待望のチヌが連発で釣れて9時頃には「よい釣り」が確定した。24番でも団子釣りでパラパラとチヌが上がっていた。

          

 当日はイガイで粘れば釣れる気はしたし、イガイ釣りへの集中力はまだあった。しかし24番では団子で上がっていたので、サナギハリス団子で釣ろうと思い、9時半から団子を投入した。成功したことはあまりないが、イガイとサナギの両天秤だ。サナギをかじられることなく時間は経過した。試しにオキアミを付けるがオキアミもなかなかとられない。外道はほとんどいない。上から落ちてくるイガイを少し浮いているチヌが見つけて、追いかけてきて食うようなパターンが多いような気もした。11時、F君にイガイでアタリがあった。サナギからイガイに私も代えるとアタリがでた。すぐにイガイをもう一度落とし込む。細かいアタリにあわすとまたも重量感を感じる引き。しばらくのやりとりの後、水面に見えた姿を見て焦った。「年無しや!」何度も水面近くで潜られたが、数度目かのタモ入れですくった。年無しを確信していたが、すくってみると顔ばがりでかい。メジャーで測るがどうやっても50pはなかった。「残念」

          

 その後であるが、チヌの活性はどんどんあがっていった。アタリは多くなり、アタリ方も午前中より、はるかにわかりやすくなった。イガイにチヌが狂った状態。時合いは2時間ほど続き、その間、私は1回ロープでばらしたが、3枚追加した。そして私以上に入れ食いになったのがF君だった。52pを頭に竿は曲がりっぱなしだった。はでな時合いの終了した13時以降はめっきりアタリは少なくなったが、まだ近くにいるに違いなかった。暑くなり、二人とも満足し、集中力も落ちていたが、後1枚釣って2桁にしたら、終了しようと思った。15時までにアタリを2回ほどはずし、中層で1回ハリはずれでバラした。当日は潮が緩やかに流れると明らかに食いが立ったので、少しの変化でまた時合いがくる可能性はあったと思うが、納竿することにした。2桁目指して、2時間粘ったのだがいつの間にかF君は11枚釣っていた。

 当日は釣りとしては最高の結果となったが、心配は釣ったチヌだった。船のいけすに入れて、船着き場まで戻った。食べきれないのはわかっていたので、写真をとって検寸したら、半分は放流しようと思った。しっかり水を撒いて冷やした場所に引き上げて、すぐにスカリごと写真をとった。しかしスカリからチヌを出して1匹目を計ろうとしたころには、ほとんどのチヌはもう弱っていた。ほぼ即死状態だった。もらってくれる人を探したが、少し前に上がられた24番の方も数枚ずつ釣られており、誰も引き取り手はいなかった。クーラーに魚を立てに並べて何とか詰め込んだが、どうしても1枚入らなかった。猛烈な暑さだったので、クーラーの蓋を開けたままでは、他の魚もいたむ。非常に心苦しかったが、1枚は海に流した。こんな釣れることはめったにないのだが、このような事態を避けるには筏で放流するしかないのかなと思った。しかし筏で魚を逃がすと次の日に影響するという話もあるので、次回は何とか無意味な殺生にならないように工夫しようと思う。
 
 服を着替えて、一休みしてから帰路についた。渡船場からしばらく行った海岸線に車を止めてクラクションを鳴らし、手を振った。14時より参戦したがじろうさんが筏からタモを振り返してくれた。その姿を舞鶴湾の青い空と青い海が包み込んでいた。
     

  

釣果:9枚(49・48.5・48・47・45.5・45・45・44・40p)