8月12日(金)    若狭大島(晴れ)

 今回はナガさんのHGの中谷渡船に連れて行ってもらうことになった。小型だが数は出そうだということで、若狭大島でチヌを釣ったことがない私にとっては、絶好の機会と思った。当日はサナギハリス団子で楽しむつもりだったので、黒鯛釣り具店では団子(中)、サナギ2袋、丸貝1袋を買い、店で待ち合わせていたナガさんと大島に向かった。そして、5時前に出船し、夜明けの海を走って、児島の8番(?)に上がった。まずは丸貝の落とし込みから始めたが反応はない。10分もしないうちに、団子を投入した。「さー、こい!」しかし、30分たっても、1時間たっても、サナギには全く反応はない。「うーーん、筏下にはおらんのか。どんどん打って寄せないと。」1時間ほど、落とし込みをしていたナガさんも団子釣りを始めた。

 最初のヒットはやはり、ナガさんだった。釣り開始から2時間以上たった7時半頃、竿が曲がった。餌はオキアミだそうだ。さっそくナガさんからオキアミをもらったが、初めての釣り場なのに、外道の状況を知る上で必要なオキアミをけちった自分を反省したが、それ以上に、私はこの時点で、すでにもっと大きなミスをしたことに気が付いていた。「団子が足りない・・・。もう三分の一は無くなっている。」オキアミハリス団子では流石に瞬殺だし、ナガさんのように団子に包めば、確実に団子は午前中でなくなる。「団子釣りをするつもりなのに、団子がない・・・。思ったように団子を打てないのはすごいストレスや。最低やな。」仕方ないので、ゴルフボール大ほどの団子で餌はサナギでやった。ナガさんはその後も、団子をボラに割らせて、オキアミで確実にあわせる釣り方で、活性のない中でも、2時間に1枚ぐらいのペースで追加した。

 相変わらず私の釣り座にはボラも寄って来ず、サナギへのアタリは皆無であった。「疲れた・・・。」12時過ぎ、眠りについた。しばらくすると背後の気配で目が覚めた。またもナガさんがチヌとのやり取りをしていた。「がんばらないと。」起きて、再びサナギハリス団子を続けることにした。すると団子にアタリがでた。今までいなかったボラがとうとう私の釣り座にも寄ってきたようだった。「サナギハリス団子では、ボラは邪魔やけど、きっとチヌも寄って来ている。何とかチヌアタリを見極めるぞ。」そう思って集中した。太陽が正面から照りつけて、パラソルが役に立たず、暑かったががんばった。1時間が経過し、2時間が経過した。「ドラマがあるはずや。団子がなくなるまでにきっと釣れる!」ピンポン球ほどの団子で粘った。しかし、その団子もとうとう15時半過ぎに最後の1投となった。団子アタリがでる。団子が切れる。反応がなくなる。そしてサナギは無傷で回収された。「あかんかった。完敗や・・・。今日は準備で失敗した。なめてたな〜。情けない。」若狭大島、初チヌを諦めた瞬間だった。

 横を見ると、ナガさんもほぼ同じタイミングで団子を打ち切っていた。ただ、自分の釣りをして計画的に打ち終わったナガさんと、引き延ばしたくても、もたなかった私の違いは大きかった。「ナガさん、これからどうするの?」「丸貝やサナギの落とし込み。」私は団子を打ち終わったあと、夕方に1時間ほどたまに丸貝の落とし込みはやるが、サナギはほとんどやらない。「ナガさんがそういうなら、落とし込みするか。チヌおるとは思えんけど。」サナギを付けて5Bで落とし込む。「納竿は18時か・・・。まだ2時間以上もあんのか。」すると着底寸前に突然、穂先が舞い込んだ。アワセはもちろん失敗した。「えーーー。これは・・・。」初めてのチヌアタリにびっくりした。「あれだけ打ち返して1度もアタリがなかったのに、なぜ?でも、とにかく今のは絶対チヌや。」もう一度、サナギの落とし込み。着底してしばらくするとモゾモゾしたが、アワセどころが見つからない。仕掛けを回収するとサナギがない。「いるぞ。」再び、サナギを落とし込む。しばらくすると触った。待つと、いきなり穂先が引き込まれた。向こう合わせに近いかたちでかかった。「チヌや!ばれんといて」必死で巻く。水面にチヌが見えた。無事GET。「やったー。大島初チヌや!」40p弱のチヌだったが、うれしかった。全く思い通りの釣りができない1日だったので、苦しかったが、それだけにうれしかった。

  

 その後は1投毎にアタリがある。失敗の連続だったが楽しい。「こんなことがあるんや。団子を切ったことがよかったのか?たまたま、時合いになったのか?」とにかく、団子を切ってからのサナギの落とし込みという引き出しが増えた気がした。16時15分、再びかけた。上がってきたのは30p前半のチヌだったが、とても引きが強かった。大島のチヌは元気だと思った。

  

  「ここから、二桁狙えるか!」そんな欲が浮かんだが、そうはうまくいかなかった。相変わらずアタリは連発するのだが、どうも外道の活性も上がってきたようだった。カワハギのような突っついた跡がある。5Bぐらいの落とし込みでは着底までにほとんど食われているようだった。オモリを重くして対応するが、チャリコが餌をひったくる。たぶん、チヌもいるのだろうが、チヌまで餌が届いていなかった。それでも楽しかった。この時期のサナギの釣りらしかった。結局、納竿の18時まで、追加できなかったが、よい経験ができたし、団子釣りの魅力を思い出した。私が下手くそなばかりに、ナガさんは自分の釣りに集中するどころではなかったと思うが、また大島に呼んでもらえればと思った。

釣果:2枚(39・33.5p)