9月4日(日)    大丹生(雨後曇り)

 息子の少年野球の試合が台風のため延期になり、日曜日が空いてしまった。台風の影響はまだ十分にあると思われたが、数年前同じような状況で釣りができた記憶があったので、出撃することにした。行き先は南からの強風を考えると大丹生しかなかった。当日は、いつもより遅い4時前に自宅を出発した。雨は相当強く降っていたが、北に行けば雨量は減ると思った。予想通り、綾部に入ると小雨になったが、車内から見える木々の動きから風がきついのがわかった。「うーーん、だめか。」舞鶴に入っても風はきつそうだったので、まず釣りができそうか海を見に行った。赤レンガ倉庫の先から海を見る。白波は見えなかった。「やれそうや。」引き返して黒鯛釣り具店に寄った。団子(大)、サナギ2袋、丸貝2袋、氷を購入した。「今日は貸し切りですね。がんばってください!」とマスターから声をかけられた。「貸し切りやろな。こんな日に来る人はいいひん・・・。」

 大丹生には6時過ぎに到着した。小雨が降り、風もあるが湾内は静かであった。「大丈夫!」6時半出船。おじさんはカセに上げてくれた。まずはイガイをパラパラ撒いた後、イガイを落とし込んだ。無反応。次は丸貝を落とし込んだ。しばらくするとチョンと触った。「うん?」待つが次のアタリがでないので、上に30pほど誘った。すると着底後すぐにコツコツと小さなアタリが出た。構えるが続かない。餌を回収すると丸貝がなくなっていた。チヌだと思った。「いるぞ!」一気に緊張する。次も丸貝を落とし込む。着底してもあたらない。同じように上に一度誘い上げた。着底。穂先が強風で震えたが、それでもわかるくらい穂先が押さえ込まれた。すかさずあわせた。魚が力強く竿を引き込む。糸を出すか迷ったが耐えると持ちこたえられた。良型であることは予想できたが、年無しの引きではないと思った。しばらくしてよい型のチヌがタモに収まった。朝一のアタリをとらえたことに満足した。
              

 連発するかと次も丸貝を落とし込むがアタリはでない。30分くらい丸貝やイガイの落とし込みを続けたが、7時半より団子を投入した。団子投入後も、変化のない時間が経過した。暇なので背後の防波堤にのぼって、のぞき込むと前回同様、良型のチヌが表層を泳いでいた。団子の効果か、9時頃からは、チャリコやカワハギがかかるようになった。外道の活性が上がることはよい傾向と思ったが、頻繁にサナギがなくなったのも30分ほどで、すぐに残るようになった。風が収まり雨の上がった11時、再び防波堤にのぼって、今度はイガイで落とし込みをやってみた。水深2メートルまでの範囲を探ること数回、アタリは覚えていないが違和感を感じてあわせるとかかった。「え!」と思ったがすぐに正体が見えた。「お!チヌや」意外とあっさりタモに入ったのは40オーバーの良型だった。黒くて大丹生では珍しい、傷だらけのチヌだった。釣り味もなく、全然おもしろくなかったので、カセに戻って、サナギハリス団子を投入した。するとすぐに激しくあたってきた。ボラの団子アタリだと思ったが、回収すると餌がなかった。「あわせてしまったしな〜。ボラかチヌかわからんな。」次も着底するとすると激しく穂先が動き、突き刺さった状態のままになる。ボラだとすぐに穂先が戻るのだが、止まったのであわせた。上がってきたのは小型のチヌだった。「チヌか!」次も派手に穂先が突き刺さり、同型GET。「時合いや。数釣りモード!」しかし・・・・・・、時合いは2枚目を釣った時点で終了していたようで、アタリはなくなった。「何と短い時合い。」

 全く気配のないまま時間が経過した13時、がじろうさんが登場した。釣れると思って連絡したが、状況がよくなく申し訳ないことになってしまった。それでも14時半、がじろうさんは私の横で30p強のチヌを釣り上げた。ただこのチヌは通りすがりだったようで、アタリは続かなかった。がじろうさんはしばらくすると防波堤に旅だって行った。15時50分、「和田さーん」という声がした。見ると向こうの方でがじろうさんの竿が弓なりになっている。がじろうさんのタモを持って、防波堤を20メートルほど走った。すくったチヌは47センチの良型だった。以前、筏で探り釣りをしにいったがじろうさんが、よくタモを持たずにチヌをかけて、私を呼んだことを思い出した。がじろうさんはチヌをカセにあるスカリに入れ、「タモ、持っていったら釣れへんで」という私の忠告を聞かず、今度はタモを持って旅立っていった。

 私の方は防波堤の浮きチヌ狙いはどうも気が進まなかったので、カセで釣り続けた。11時30分頃よりチヌアタリのないまま16時20分となった。相変わらずサナギハリス団子でやり続けていると、コツという強いアタリを手に感じた。咄嗟にあわすがのらなかった。「?」次もサナギハリス団子。しばらく放置すると突然、ヌ〜というゆっくりしたスピードで穂先が大きくお辞儀して戻った。「ボラ?」上げてみると餌がなかった。「アタリはさっきのしかなかったはず。あのアタリでとったということは、ボラじゃなかったということか。」なぜか、迷いがなくなった。「次のアタリが勝負!」と思った。サナギハリス団子投入。着底したがアタリはない。しかし集中して待ち続けた。2分ほど経過しただろうか、コツコツあたり、小さく押さえた。「よし!」確かな手応え。大きいと思った。「これは強いぞ。耐えれるか。うぅっ」前回ほど圧倒的ではないが、突進は止められず、ズルズルと糸がでる。魚は右後方の防波堤の柱に逃げ込もうとする。糸は引き出されていたが、あと少し耐えれば止められると感じたその瞬間だった。糸が切れた。「あ〜・・・、この魚を待っていたのに。」2回連続の敗北だった。時合いの最初の魚をバラシてしまったがアタリは続いた。何度かアタリを失敗した後、31pのチヌを追加したが、ばらした時の脱力感が強く、気持ちがのってこなかった。「あ〜あ、さっきの上がってたらな〜」その後も5分ほどは気配があったがやがて消えてしまった。「これまた、短い時合いやな。」ところで防波堤から戻ってきたがじろうさんの方は、時合いの間に2枚釣り、さらに私にアタリがなくなった後も、2枚追加した。半日で6枚。さすがの釣果だった。

 納竿は18時だった。スカリを上げるとすまし汁用に入れたチャリコがいないのに気が付いた。「あれ?」よく見るとスカリが破れていた。「もう寿命かな〜」「和田さん、買い換えましょう。もう少し大きいスカリにしましょうよ。」「確かに小さいな。でも5,6枚釣れたら十分やし、こんなんでいいけど・・・。」買い換えようかなと気持ちに傾いた時、西田のおじさんがやってきて、直してくれると言われた。「え!いいの?」おじさんの言葉に甘えることにして、スカリを預けた。そして次回の釣行も大丹生に決まった。「次こそ、巨チヌを釣りあげるぞ。」

            

釣果:5枚(47.5・42.5・31・27・25.5p)