4月30日(土)    白杉(曇り)

 前回、気になった山弘渡船のカセに行くことにした。途中、団子(小)、ボケ30、オキアミの小ブロックを購入した。そして5時半頃渡船場に到着し、しばらくの後、出船した。戸島に着くとカセが1艘かけてあった。前日、このカセではウキ釣りで7枚釣れたそうだ。そのカセには一緒に出船した釣り人が乗られ、私は船頭さんと共に筏群まで行き、そこからカセを引いて再び、戸島に戻った。その後、船頭さんは最初のカセから20メートルほど筏群方向に離れた位置に私のカセをかけてくれた。

              

 カセの水深が8メートルほどであることは船頭さんが教えてくれた。普段はカセをかけていない場所のようだったので、まずは魚にアピールするために団子を投入することにした。数個投入し、仕掛けを作ってボケを5Bで落とし込むと早速アタリがあった。「いきなりきたか!」と思ったが、上がってきたのはカレイだった。外道でも魚がいることは期待が持てる。団子を打ちながらボケを落とし込んだ。結構反応がある。ボケが尻尾だけ残して上がってくる。しかし、風が吹き始めてカセが移動するとアタリがなくなった。初めての釣り場なので、アタリがないと不安になる。「本当にチヌいるのかな?乗っ込みなのでもっと岸寄りの浅場にいるのでは・・・。」7時半頃大きな当たりでチャリコが釣れた。「だんだん、チヌに近づけるといいけど。」そんなことを考えていると今度は潮が流れ始めた。仕掛けがカセの下に流れ込む。5Bと4Bで仕掛けが流れる速度を抑える。そのうち、前のカセの釣り人がこちら向きに釣り座を変えられた。私も釣り座の向きを変えて、潮下に仕掛けを流すことにした。方向を変えて1投目、ボケを合計9Bで投入。おそらくカセより2メートルほど前方に着底。さらに1メートルほど糸が出たところで、穂先がフワッとお辞儀し、すぐにグゥーと入った。とっさにあわした。「かかった!」すぐに魚は突っ込んだ。「大きいぞ!」何度が強烈な突っ込みを見せるが、糸を巻かれるような障害物はないので、それほど怖くはなかった。ハリ外れだけが心配だった。しばらくやりとりすると、魚の引きは弱まり、この時期特有のただ重いだけとなった。やがて水面下に大きな魚体が光った。1発でタモ入れに成功したのは40p後半のチヌだった。時刻は8時過ぎ。「お〜、チヌいたな。早々に釣れたぞ。まだきっといるはず。よーし、追加するぞ。」

             

  余裕を持って2枚目に臨んだ。しかし、釣りを再開したときには潮の流れがすごく速くなっていた。9Bではあっという間に流されて、ラインと海面が平行になってしまう。団子は潮の緩んだ時に投入した。潮の流れに悪戦苦闘しているうちに、今度はフグが大量に集結してきた。オキアミやボケはすぐにやられてしまう。サナギや丸貝は持っていないので、フグをかわす方法がなかった。カセの中を移動していろんなルートで流した。団子の筋でなければ多少フグは少なかったが、その分、他の外道がいた。キュウセンベラ、キス、メゴチが釣れた。もちろんフグも。チヌが寄って外道を押しのけてくれることを期待した。

 10時過ぎ、大丹生方面の雲行きが怪しくなった。稲光が見える。どうしようかと迷ったが、こちらには来なかった。その後は結構な風が吹いてカセの位置が動く。潮はほとんどの時間吹っ飛んでいる。フグの活性は極めて高い。「厳しい釣り場やな・・・。特に短竿では苦しい。」そう思ったが、朝に1枚釣れているだけに、大物への期待は強かった。1時間に10分ほどカセでひっくりかえって休んだが、そのほかの時間は根気よく餌を投入し、フグを20匹ほど釣り上げた。状況の変化は昼を過ぎてもなかった。13時を過ぎる頃には、時合いへの期待はなくなった。「まぐれ当たりの1発狙いやな」

 14時過ぎ、西の空が曇ってきた。天気予報では昼から崩れると言っていた。自然は怖い。特に白杉は渡船場から遠いのでなお恐怖感が強かった。10分もしないうちに、空がゴロゴロ言い始めた。「来る。」撤退を決めて、すぐに船頭さんに電話した。5分ほどで片づけたが、その頃には一気に強烈な雨が降ってきた。しかも雷が真上でなっている。カセの中に伏せて耐えた。10分ほど後に合羽を着た船頭さんが迎えに来てくれた。しかしその頃には激しい雨も上がり、あたりは明るくなっていた。5,6年前なら夕立程度に考えて釣りを続けたかもしれないが、最近の天気はわからない。「やばいな。」と少しでも思った時は釣りを切り上げようと考えているので、朝の船でご一緒した釣り人とともにそのまま帰港した。そして15時には釣り場を後にして家路についた。

 舞鶴市街まで戻ってくると薄曇りで穏やかな天気になっていた。「まだ、やれたかもな〜。でも風が出たら怖いし、やめて正解。」いつもなら帰りは舞鶴西から高速に乗るのだが、時間も早く、天気もよかったので、250円を節約しようと地道を走った。するとウスイ釣り具を過ぎたあたりだっただろうか、旗を持ったおじさんが飛び出してきた。「・・・、警察官」「この道は50キロ制限で17キロオーバーです。」「はぁ〜・・・・・・・」素直に「すみませんでした。」と言えるほど人間はできていなかった。終始無言のまま10分が経過し、渡された切符を握って車にもどり、再び走り出した。「250円けちって1万2千円かよ。こんなことなら、もっと釣りしとけば。やめたへんかったらよかった。ついてないのぉ〜」などとしばらくうじうじ考えていたが、すぐにふっきれた。「この程度をついてないと考えるのはおかしいよな。今の日本はいっぱいお金のいる状態。政府にしっかり使ってもらおう。」そう思って、27号線を走った。和知まで来ると大量の鯉のぼりが由良川の上を泳いでいた。

釣果:1枚(47.5p)