3月17日(日)    上佐波賀(晴れ)

 今回は偶然が重なって、上佐波賀の筏に上がれることになった。当日はあまり早く着くと迷惑かと思い、5時20分頃自宅を出発し、途中ボケを15匹買って、釣り場には7時過ぎに到着した。乗せてくれたのは、とても感じの良い若い船頭さんだった。釣り客は私だけと思っていたが、すでに2人組の釣り人が25番(?)に乗っていた。船頭さん曰くでは今年になって2度目の渡船らしかった。船中で、最近牡蠣上げをした筏を聞くと、今年はほぼ全滅で牡蠣の引き上げはやっていないとのことだった。船頭さんがすすめてくれたのは18番(?)の筏だった。筏に乗ると船頭さんが牡蠣ロープを引き上げてくれた。確かにあまり牡蠣は付いてなさそうだった。船頭さんは撒き餌はたくさんした方がよいと言われ、更にあと2本ロープを引き上げてくれた。牡蠣を探すのは難しかったが、ゴカイやカニ、緑色の小型のイガイなどの撒き餌としては十分なものだった。大量の牡蠣ゴミをしばらく撒いて、釣りを開始したのは8時前だった。久しぶりの上佐波賀、チヌが居ればスレていないので、食ってくると思い集中した。牡蠣を落としこむ。着底しても反応はない。しばらくして上に誘った。3度ほど誘っただろうか、牡蠣にチョンチョンとあたった。緊張の一瞬。程なくして牡蠣を押さえるアタリがでた。心の準備は一応あったので、すぐにあわせた。「おお、うん?お!重いぞ。これは。チヌや!やった。やっぱりおった。」思っていた最高の展開にドキドキしながら、やりとりした。引きからすると良型は間違いなかった。無我夢中で巻き上げ、そろそろ上がってくるかと思った時だった。穂先がはねた。「あっ。いったー、やってしまった。いたいなー。うーーーん。」会心アワセと痛恨のハリ外れで久しぶりに心臓がドキドキしていた。急いで、ドキドキを押さえて牡蠣を付ける。投下するが、案の定、アタリはない。「1枚目をばらしたら、いい条件でもあかんようになるわな・・・。」くよくよ考えていた8時20分、餌をボケに代えてみた。着底後、アタリがないので、何度かエビが飛び跳ねるイメージで誘ってみた。すると穂先がモゾモゾとした。チヌならまだあたると思い我慢すると、しばらくすると更に一段押さえた。「よっし!チヌや。」今度は先ほどより簡単に上がってくる。取り込んだのは36pだった。ボウズを逃れてほっとした。ただ、このチヌよりはるかに先ほどの引きは強かったので、バラシがあらためて痛く感じた。

       

 続いてもボケ。これも何度か誘っているとアタリがでた。「よっし!」先ほどより、よく引く。なんとかとりたい。「おお!いい型や。」45p。良型が釣れて、先ほどのバラシのショックもなくなった。「うれしい。」

       

 その後もボケでやるが、アタリがでない。9時20分、餌を牡蠣ゴミから見つけたゴカイに代えた。着底するがアタリはでない。何となく釣れそうにないので、2分ぐらいで回収しようと上げると何かがかかっている。「おお?チヌか?」上がってきたのは33pの冬場にしては小さなチヌだった。今度は、餌を牡蠣にした。すると着底と同時にゴゴン、グゥと明確に押さえた。ドンという手応え。「これは来たぞ。良型や。」「うん?ロープか?いや、この角度やったらかかってないはず。やたらに重いな。」グリグリ巻き上げる。しばらくして浮き上がってきたチヌを見て、びっくりした。「でっっかーーーーーー!」「うぉーーー、でかいぞおおお」計測した。「55pや!こんなん、いるんや。」思わずほくそ笑んでしまった。「釣り堀や。」

      

 その後も順調にチヌは釣れた。9時50分に牡蠣、10時10分にボケ、10時30分にゴカイで中型のチヌが釣れた。もう完全に満足したが、時間があったし天気もよかったので、もちろん釣り続けた。そして、10時40分、今度は牡蠣に明確なアタリ。「よしかかった。おおおお。おーー、お」今までと違い格段に強い。何度も何度も、魚は強烈な突っ込みをみせた。「これは間違いなく年無しや。上げたら2枚目や。」ただ、すでに1枚巨大なのを上げていたので、それほど緊張はしない。この強さなら筏下に突っ込まれたら終わりだが、なぜか魚は真下に潜った。やがて浮いてきたチヌを見て、再びびっくり。「でかーーーー。またきたぞ!」計測するとこれまた55pだった。「ペアなのか。同寸や。それにしてもでかい。」

      

 2枚目の年無しを入れたスカリを覗くとせまいスカリが大変な状態になっていた。過去の経験から即座にチヌの放流を決めた。30p台のチヌをつかみ出して逃がした。中には浮き袋が出てしまったのや、ハリを飲んだのもいたが、確実に弱る前に助かってくれることを願って逃がした。

     

 釣ることに集中できなくなったせいか、その後も牡蠣に5、6回よいアタリがでたが、ことごとく失敗した。中には竿を放置して、ゴミ撒きをしている最中に穂先から竿が持っていかれたのもあった。そしてとうとう12時をまわった頃からはアタリもでなくなった。別にもう止めてもよかったのだが、昼に見回りに来られた船頭さんがチヌを食べると言われていたので、良型をあと何枚か釣りたかった。「でも、おかしいな。午前中はあんなにコンスタントにあたっていた。そういう日は大体一日中釣れるけどな〜。」潮下に移動して牡蠣を落としこんでみた。アタリはない。「うーーーん、やっぱり食わないか。」しばらく放置して竿を見ていると、穂先がお辞儀をした状態で止まった。波があったので、牡蠣が引っ張られたのかと思っていると、穂先がそのまま海面に突き刺さった。上がってきたのは45pの良型だった。「食わないのでなく、周りにいたのか。」13時20分だった。

     

 そして、10枚目が釣れたのは潮が強く流れていた14時だった。ボケを5B2個付けで止めていると、穂先を引ったくるアタリで42pが釣れた。

     

 潮が強く流れた後、アタリがなくなった。「撒き餌も相当撒いたし、流石に食いが悪くなったか。」14時50分、アタリがないので、食い込み重視でゴカイを付けてみた。すると久しぶりにアタリ。確実にかけようと明確なアタリを待つと、食い込んだ。上がってきたのは37.5pだった。ハリを完全に飲んでとれなかった。即リリースしたが、テンションが下がった。「これ以上釣っても、無益な殺生に近い。」やめようと思った。15時納竿することにした。迎えに来てくれた船頭さんは釣果を見て、とても喜んでくれた。気持ちの良い船頭さんのおかげで、最高の釣果に恵まれた。陸に上がると写真をとった。船頭さんに45pを2枚あげ、自分は年無し1枚を含む2枚を持ち帰った。そして2枚目の年無しはリリースした。

 船頭さんはサラリーマンをされているようで、渡船は日曜日や祝日に限ってされることがあるとのことだった。うまく都合があう日は少ないかもしれないが、上佐波賀で釣りができる可能性が生まれただけでも、船頭さんに感謝したい。

  

   

釣果:11枚(55×2・45×2・42・39・37.5×2・36・33・32.5)