12月30日(水)    上佐波賀(曇り後晴れ)

 年の終わりに、恒例の年末釣行に出かけた。今回、集まれたのは岩崎さん、マーやん、ナガさんと私の4人。長い付き合いだけど、案外会えないものだ。それでも、会うチャンスがあるのは、やっぱり黒逢会のおかげかもしれない。釣行先は昨年同様、上佐波賀にした。当日は4時20分頃に自宅を出発し、途中黒鯛釣り具店でオキアミと石ゴカイを購入し、渡船場には6時に到着した。程なくして、全員集合となった。さらにその後、まこちゃんとそのお友達も来られ、出船した。私とマーやんが4番におり、一台飛ばして岩崎さんとナガさんが乗られた。しばらくすると我々の間の筏に二番船で釣り人が来られた。「3、4番を予約したのになぜ隣ではないのか?どうして3番と4番の間に筏が?我々が5番なのか・・・。岩崎さんらが2番なのか・・・」不思議なので、その釣り人に筏の番号を聞くと「3.5番」ということだった。「ほうー。知らなかったよ、そんな番号の存在を。」

 筏に乗ってまずは牡蠣を引き上げた。重いものを上げたのだが、どうもその重さは大量のイガイのせいのようだった。牡蠣の数はそれほど多くはなかったが、一個一個の牡蠣は大きく、値段相応だと思った。掃除をしてもほとんどゴミはなかったので、イガイを踏みつぶして撒いた。7時頃より釣りを開始し、牡蠣を落としこむが、反応はない。外道の様子を見るため、ゴカイも試すが、それもなかなか取られない。それでも8時半ごろまでに、2回牡蠣を取られた。アタリはわかったが、あわせられないアタリで、おそらくチヌではないと思った。明らかに活性は低いと感じていた9時頃、3度目のアタリ。これは極めて弱々しいアタリで、なかなか牡蠣をかみ切れないようだった。2分ほど経過したところであわすとヒイラギがすれで上がってきた。「あ〜・・・」厳しい状況を再度確認していると、前方の筏で、まこちゃんが良型を上げている姿が目に入った。「おー、さすがやな。もしかして時合いか?」するとしばらくして、隣の筏の釣り人もチヌを上げられた。「今がチャンスや!」集中するがアタリがでないまま、1時間が経過した。そして10時20分、私が次のエサの牡蠣を選んでいるときに当日最大のチャンスが訪れた。目を左手にある牡蠣の山に移してよい形のものを見定めていると、ガタという音がした。目を右手の竿に移すとまさに竿が海中に引きずりこまれるところだった。とっさに尻手ロープをつかみ、竿も引き寄せて慌ててアワセを入れた。「しまったー。」天を仰いだ。アタリは見逃したが、穂先がゆっくり曲がり、途中から加速して引き込まれる様子が想像出来た。ドキッとする快感的なアタリを見れなかっただけでなく、かけられもしなかったことを、この上もなく後悔した。「うーーーーん・・・」

 そしてその後、予感していたが、1度のアタリも出せなかった。手は尽くしたがアタリはでなかった。隣の筏の釣り人が、エビでハネを3匹ほど釣られた以外、誰もアワセを入れている場面すらないなか、まこちゃんのお友達だけが13時40分頃にチヌを釣られていた。まこちゃんと共に喜ばれている様子を遠くから見ていると、こちらまで嬉しくなってきた。「よかった。あの人も筏好きになってくれるといいな。」

 納竿釣行は17時の最終までがんばったが、我々の誰もチヌを手にすることはできなかった。私に関しては言えば、絶好のワンチャンスを逃すという大失敗をやらかしてしまい、未熟さを露呈した。でも陸に上がって、早上がりした岩崎さん以外の3人で話していると、釣れなかったことなどどうでもよかった。集まって竿を出せたことがよかった。永遠などというものはないが、知り合えた幸運をこれからも続けていければと思う。今年は最後にきて4連敗したが、釣りたいという気持ちは強くなり、また釣りに行きたくなった。

         

釣果:みなさん、よいお年をお迎え下さい。そして来年もよろしくお願いします。