11月20日(日)    白杉(小雨後曇り)    

 金曜日の夜に台湾より帰り疲れていたが、釣りに行くことした。大丹生は休みだったので、今シーズン3連敗の山弘渡船に行くことにした。途中で、団子(小)、オキアミ、サナギ、丸貝を購入し、釣り場に向かった。出船は2番船で7時頃、筏群につくと1番に2人、3番に3人の方がおられた。そして同船だった2人の方は4番で降り、私は2番に乗った。7時20分頃より釣り開始。オキアミを投入するが、しばらくして回収すると無傷だった。「あら・・・」しかし、3投目からオキアミに反応が出始めた。サナギにはアタリがでないが、オキアミは毎回とられる。8時半までに、穂先が入る明確なアタリが2回あったが、かからなかった。カワハギもアジもいなかったので、おそらくチヌかチャリコだと思った。この調子なら、そのうち活性も上がり、サナギにも反応がでて、チヌが釣れると思った。
 
 ところが、その後全く活性がなくなり、オキアミが無傷で上がりだし、おまけに雨が降り始めた。服はたくさん着ていたので、寒くはなかったが、魚の方はどうしようもない状態だった。何の反応もない海にひたすら打ち返した。「何時までやるかな・・・」そんなことを考えていた10時半、突然リールがガタッと音がして、穂先が舞い込んだ。またも置き竿にしていたので、アワセが遅れ素バリを引いた。「なんなんや。チヌか?いや、チャリコでもああいうことはある。たぶん、派手すぎるし小型やな。」逃がしたものは、深く考えても仕方ないので、すぐにオキアミを投入。細かいアタリがでる。いきなり活性が上がってきた。次の1投ではチャリコが釣れた。ところが次の1投には、アタリがでない。ハリス団子にしていたので、竿を動かして団子を切る。巻き上げようかと思ったが、穂先の重みから餌がついているのがわかったのでそのまま放置した。1分ほどが経過しただろうか、突然前アタリがあり、すぐに穂先が曲がった。ワンテンポ待ってあわせると、確かな重みを感じた。「よしきた、チヌや。」引きからすると40㎝は超えていると思った。ガツンという感じでかけた感触ではなかったので、無理な引っ張り合いは止めようと思った。しかし、強烈な引きはほとんどなく、わずかに糸を出したのが2回ほどあっただけであった。魚は表層に近づくにつれて、前方に出始めた。「ラッキーや。」魚が上がってきそうだったので、前方3メートルくらいの位置をみていると、やがて白い魚体が浮いてきた。「でかい!」予想をはるかに超えた巨チヌだった。「早よすくわな。大暴れせんといて」祈る思いで魚を引き寄せた。そして、タモに入ってすくおうとした瞬間に突如暴れて水しぶきが上がり、魚体が見えなくなった。「ばれたか!」タモにハリかハリスが絡んで、魚が反転して逃げて行く場面が脳裏をよぎった。水しぶきが消えるとチヌはタモ網の上付近に横たわっていた。タモをずらして即座にすくった。「よし、やった!これはでかいぞ。」予想通り、ハリはタモに引っかかっていた。ハリを外して引っ張ると、かかっていた位置がわかった。口の縁に薄くかかっていた(1枚目の写真)。たぶんあと一暴れで口が切れてばれていたと感じた。「ほんまについていた。そういえば、さっきがじろうさんのメールに返事したばかりや。幸運の女神の復活。」

     

 チヌのサイズを計測すると55.5㎝だった。自己新記録だった。こんな日にいきなり釣れるとは、不思議な感じがした。もう満足したが、時刻は11時であったので、追加を狙って釣り続けた。しかし、活性はすぐに低下していった。再びオキアミがとられるようになったのは、12時半頃だった。余裕ができたので、紅葉を楽しみながら、穂先に集中した。ただ、オキアミはとられはするが、あわせるようなアタリはでない。

      

 夕方の時合いはありそうに思ったが、暗くなるまではやりたくなかった。「3時半か4時くらいか・・・。」いつアタリがでてもよいような状況を感じながら粘った。ただ、状況をよんでいるとやめられないと思ったので、3時に船頭さんに電話して「3時40分頃迎えにきて欲しい。」と連絡すると、「今から4号の釣り人を迎えに行く。」とのことだった。仕方ないので電話を切ると後片付けに即座に移ることにした。ちょうど雨雲が広がってきたので止めどきだと感じた。陸に上がると本格的な雨になった。雨に濡れながら、車まで5分ほど歩いた。「今シーズン初めて記憶に残る釣りをした。残りの釣行もよい釣りがしたい。」

    

釣果:1枚(55.5㎝)