12月29日(金)   上佐波賀(曇り時々小雨)

 今年は4月以降忙しく、夏以外は思うようには釣行できなかった。28日より休みになったので、ゆっくりした時間を過ごすことと、年間釣行回数の最低をクリアーする目的で、舞鶴宿泊連荘釣行を計画した。初日の29日は自宅を4時半過ぎに出発し、上佐波賀に向かった。まだ暗い6時半過ぎに船頭が到着し、3番筏に乗った。釣り人は私だけ、暗い筏群に1人だったが、さほど寒さも感じなかったので、寂しさはなかった。牡蠣を引き上げて、7時前より釣りを開始した。1投目から穂先に反応がある。2投目も細かい反応で牡蠣がとられた。「チヌか?」しかし、3投目から迷う必要がなくなった。あたらない・・・。無反応な時間が続く。朝の1投目には早くに釣れると思ったが、予想外の無反応になり、水温の低下による低活性かと不安になった。

 変化が出たのは8時30分頃だった。アタリがあり、ハリがなくなった。フグの登場だった。その後、ハリスへのスレアタリや、水圧によるフワフワ感が穂先にでる。雰囲気が出てきた。そして、8時50分、突っつくようなアタリのあと、穂先がお辞儀したところをあわせた。久しぶりの強い引き。何とか釣り上げたいと思い、慎重にやりとりした。年無しを連想していたが、上がってきたのは全然足りなかった。ただ、十分満足できるサイズを釣り上げほっとした。

    

 気分良くして、牡蠣を投入。すると小さなアタリのあと、もたれるようなアタリがでる。上がってきたのはアナゴだった。その後も着底するとすぐアタリがでる。何のアタリかはわからないが一気に魚の活性が上がってきた。1,2度ミスした後かけると、今度はチヌの強烈な引き。筏下に突っ込むが何とか巻き上げる。しかし、あと一歩でロープへ。ロープに絡んでからも魚の感触は長い間あったので、同行者が入ればあげられたように思ったが、諦めて切った。バラしてもアタリは続き、9時20分にも1枚追加した。

   

 まだまだいける気がしたが、時合いはこの1枚のあと終わってしまった。それからは時々外道のアタリが出る程度で、緊張するような変化はなく、時間が経過した。2度目の時合いがきたのは11時50分だった。突然、明確なアタリが出た。フグかと思ったかが、手に重量感が伝わってきた。「チヌだ!」良型GET。

   

 ここから、数を延ばそうと集中する。今度はゆっくりと竿がお辞儀にそのまま動かない。変だと思ったが、あわすと根がかった。だが、なぜか巻けるし時々生命感を感じる。「げ!」何と大アナゴ(70㎝オーバー)。写真を撮ろうとするが大暴れ。糸を切ってスカリに投入した。

   

 ところが期待した2度目の時合いは20分ほどで、あっという間に終わってしまった。13時からは、フグアタリもない時間に突入した。何の変化もない2時間が経過し、このまま、盛り上がりなく終了かと思い始めた15時、突然着底直後の餌にゴンゴンとあたった。とっさにあわすとチヌがかかった。大型でないことがすぐわかり、ゆっくりあげたので、このチヌは空気抜きをせずにすんだ。
  
    

 この突然の1枚が残念ながら最後1枚となり、その後アタリがでることはなかった。午後からは、小雨が降ってきたが、一日を通して風がなかったおかげで、天気予報ほど厳しい条件ではなく、集中して釣りを楽しめた。当日の反省であるが、チヌアタリを見逃した回数は少なかったと思う。ただ、アタリのない時間になったと判断した時に、工夫がもっと必要だと思った。

     

 16時半に納竿し、舞鶴プラザホテルにむかった。チェックインしたあと、着替えて18時過ぎからがじろうさんと居酒屋に行った。魚料理が美味しい居酒屋さんで、10時前までがじろうさんと話した。がじろうさんには、突然決まった釣行計画につきあってもらい、とても楽しい1日になった。ホテルに戻って風呂に入りすぐに就寝した。

釣果:4枚(46・45・42・39)





12月30日(土)   青井(曇り時々晴れ)

 翌日は6時半にホテルの朝食を食べ、それから青井に向かった。到着は7時。すでにマーやんが待っておられた。マーやんとは約1年ぶりの釣行だった。筏に乗ると、上佐波賀の残り牡蠣で釣りを開始した。マーやんの分も持ってきたが、どうもマーやんは牡蠣が嫌いなようで、イガイやサナギをメインに釣っていた。当日は天気予報では、珍しく晴れマークがでていたが、実際は風が非常に強く、筏も結構揺れた。うねりが入っているようで、立ち歩くと若干気分が悪かった。さらに乗った筏は最近、餌用の牡蠣上げをしている筏のようで、そのせいか朝一より強烈な外道。フグの嵐だった。牡蠣はほぼ瞬殺。釣りにならなかった。

 外道と悪戦苦闘していると、今度は潮が強く流れ始めた。ここは堂ノ浦かと思わせる流れで、下手をすると穂先と糸が一直線になった。右に流れたかと思えば、今度は左、そして前方へと短い周期で向きを変えた。撒き餌をしても効果はなさそうだったので、ほぼ撒かなかったが、どんな状況でもフグだけは元気で、持っていた7号針10本ほどは早々になくなり、マーやんからもらったハリで釣ることになってしまった。その間も風は止むことなく、雨の降った前日より寒かった。

 1人なら心の折れる状況だったが、当日の釣りは長くは感じなかった。もちろん、それはマーやんがいたから。今年は単独釣行がほとんどだったので、話しながらやるのが、新鮮だったのかもしれない。とにかく、経験上ダメな日にあたっていることは分かっていたが、突然の1発への期待はずっと持っていた。

 状況が変わったのは14時頃から。餌取りが大人しくなり、チヌの食うタイミングがとれるようになった。しかし、納竿の16時まで、チヌが餌を見つけてくれることはなかった。当日は12,3人は釣り人がおり、大賑わいだったが、目立った釣果はなかったようだった。何とか1枚釣りたかったが、工夫が足りなかった。釣果うんぬんより、後から考えてやっとけばよかったということがないような釣りを、来年はしていきたいと思った。マーやんと別れて、帰路についたのは16時半だった。

 最終釣行は、牡蠣を売ってくれた大島さんや、店の手配をしてつきあってくれたがじろうさん、そしてタクシー代わりをしてくれたがじろうさんの奥さん、さらに最終日同行してくれたマーやんのおかげで、楽しい2日間になった。年齢とともに、私も含め釣行回数がみんな減ってきている。また筏釣り自体も釣り人が高齢化し、勢いのある釣りジャンルではない。それでも今年で16年、同じような釣行記を書き続けていられるのは、時々のぞいてくれる方がいるからだと思う。釣りが取り持つ縁を来年も大事に、そして深められたらと願っている。みなさんにとって来年も良い年になりますように。今年1年ありがとうございました。

    

釣果:人は人との関係の中で生きている。