2月3日(土)   大丹生(曇り時々晴れまたは小雨または雪)

 大学時代の友人が大阪出張のついでに、前日より京都に宿泊するので、釣りに連れて欲しいとの連絡があった。「本気か。」釣りなどしたことのない初心者なのに。山も登るそうなので、少々ひどい目にあってもよいかと思い、了解との返事をした。ただ、朝の時間、凍結、風雨など考え、融通のきく大丹生の小屋付き筏に乗ることにした。当日は6時に京都駅周辺の宿泊場所に迎えに行き、現地には8時過ぎに到着した。筏に乗って基本を教えながら、釣り開始。友人は意外と飲み込みは早かった。

 その後の釣りのことだが、、午前中にそれらしきアタリが友人に2度ほどあったが、あわせきれなかった。チヌを釣り上げたいという友人の望みをかなえることはできなかった。まあ、ある程度は予想していたのだが。天候は1時間周期ぐらいで変化し、ぽかぽか陽気もあれば、厳しい状態もあった。冬場に釣りをする人なら普通の天気だが、馴れない友人はどうかと心配したが、小屋でカップラーメンを食べたり、写真を撮ったりしながら、機嫌良く過ごしてくれた。特に練炭での焼き牡蠣が気に入ったようで、5個も6個も食べていた。確かに採れたての牡蠣を筏上で食べるのは貴重な体験だとは思ったが、想像以上に喜んでくれてよかった。納竿は16時半過ぎ。海は穏やかになっていた。陸に上がり、山に沈もうとしている夕日を見上げた。「沈んでからの残光で、紫になった空が好き。あと一歩やったな。」

      

 それから車を走らせ、17時半過ぎ「舞鶴とれとれセンター」に行った。お客さんは誰1人おらず、店員さんが片付けをしているなか、2人で見て回った。その後、「漁師小屋」で夕食。いろいろ話した。大した話じゃない。でも、次から次へと話題があり、話は尽きなかった。しかし、帰りの運転が不安だったので、19時20分頃店を出ることにした。外にでると、西舞鶴の静かな夜のアーケード街に、牡丹雪がしんしんと降っていた。しばし、その光景を友人と見た。「俺、こういう雰囲気、好きなんや。」そう言うと、友人は友人でカメラを出して写真を撮っていた。車に乗り込み、雪の舞う27号を走った。友人はまだ雪をうれしそうに見ていた。

 京都のホテルに到着したのは21時頃。迎えに行って、15時間が経過していた。あっという間だった。友人もそう思っていた。当日は4年ぶりの再開だった。大学を出てから考えても何度も会えたわけでもない。それでも、すぐに打ち解けられる。10年、20年、30年の時間が何のブランクにもならない。それが、学生時代の仲間なのだろう。「じゃあ、またな。」そう言って、学生時代と同じように別れ、帰路についた。

釣果:大切な時間