8月2日(金)   山弘(晴れ)

 今回は山弘渡船に行くことにした。近年は山弘渡船ではイガイ釣りをすることが多いが、今年は少ないそうなので、当日はウスイ釣り具店で団子とサナギを購入した。出船は5時20分頃、釣り客は私だけであった。このところは2番と4番に釣り人が乗ることが多いらしいので、4番に乗せてもらった。筏に乗ってイガイを探すと小粒なものならあるにはある。船頭さんによると水潮で一度死んだらしい。取りにくいところを含めて集めれば、イガイだけでやれるかもしれないが、下手に筏に腹ばいになってイガイを探すと毛虫にやられる。取りやすいものだけ集めたが、なんとかなりそうな量はあった。釣り座はトリ貝筏向きにとった。前に筏ではチヌがフロートを食んでバシャバシャ音がしていた。

    

 ところで釣り座のことだが、写真ではわかりにくいが、足下の板が前方にむけて傾斜しており(当日足が滑って片足が海に落ちたとこで持ちこたえました)、左端の部分は水面から20㎝程度しか浮いていない。後で気がつくことになったのだが、大きな船が通って波が左前方より来ると釣り座付近まで波が上がって来るので、バケツやパッカン等を押さえないと流されてしまう。当日はベタ凪だったが、それでも船の波が何度もやって来て(帽子の所までは来なかったが)怖かった。天気の怪しい日はこの釣り坐で釣るのは絶対止めた方がよいと思った。

 5時40分頃から釣りを開始した。イガイでの釣りを40分ほどやったが、特にアタリがなかったので、前回同様に団子釣りに移った。団子を打つと一瞬で表層にコノシロが寄ってきた。底でも団子に触ってくる。いけるかと思ったが、30分たっても、1時間たっても刺し餌には全く触らない。初アタリが出たのは、開始から3時間近くが経過した8時半だった。イガイの落とし込みをしていると底から1.5メートルくらい上でコツとアタリがあった。チヌだと思った。そしてそのまま着底させて待つと、予想通り穂先が舞い込んだ。「え!・・・」失敗してしまった。「明確なアタリだったのに・・・。」糸をたぐり上げて、すぐにハリを5号から6号に代えた。イガイを付けて落とし込み、2メートル上くらいからはゆっくり落とすと、細かいアタリがでだした。そのまま穂先を下げるが、1メートルくらいの間ずっと触っている。着底まで待つ必要もないと思いあわせた。上がってきたのは37㎝だった。時合いだと思った。「よし次!」と意気込むが続かない。団子を投入しても、スレアタリばかりで、全然チヌの気配を感じないまま時間だけが経過した。

 次に変化が出たのは11時頃だった。微細なアタリでイガイがなくなった。その後、放置したイガイに急に穂先が入るアタリがあった。餌が外れたり、スレアタリかもしれないと思ったが、もしかしたらチヌがいるかもと考えた。ただ、その後30分ほど何の変化もない。11時半、イガイを落とし込んだが反応がないので、団子を追い打ちしてみた。すると変化のなかった穂先に小さく突っつくアタリが出始めた。ほんの少し押さえたところであわせてみると、しっかりした手応え。浮いてきたのは先ほどより良型だった。やや早アワセだったのか、タモの中でハリは外れていた。

 その後も照りつける太陽の下でがんばってはみた。2,3度アタリはあったが、どれも突然で、かけるには難しいかったし、典型的なチヌアタリとは程遠いものだった。納竿は14時、当日の釣りの感想としては「なんかなあ~」というものであったが、客観的に見れば、この状況で少ないチャンスでとらえたのだから上出来かなとも思った。とことんまで釣りをしていないので体は楽で、帰りの船では真夏の海を疾走する時間を楽しめた。陸に上がるとがじろうさんが娘を連れて出迎えてくれた。優しくて、お父さん大好きという感じの娘さんだ。しばらくがじろうさんと話して帰路についた。帰り道、20年ほど前にトシさん達と行った喫茶店を探した。もうなくなってしまったかと思ったが、記憶していた場所にまだあった。「LEMON」という店、中に入ると店内は広く、すごく落ち着いた。チキンカレーを食べながら、一人で窓から外を30分ほど眺めた。つまらない会議でくだらないやつの戯言を聞くよりずっと生きている感じがする時間だった。そして15時半、店を出た。その時には、帰りは高速ではなく地道を走ろうと決めていた。

     

釣果:2枚(42・37)