1月6日(月)   大丹生(晴れ)

 初釣りは大丹生に行くことにした。7時に到着し、もう一人の釣り人と共に出船し、小屋付き筏に乗った。今日は取りあえず筏下で釣るつもりだが、おそらく周りの筏で牡蠣掃除をしているので、雰囲気を感じなければ投げて探ろうと思っていた。もちろん、牡蠣掃除が始まれば遠投で対応する計画だ。牡蠣ロープを引き上げて掃除をして、第1投は7時半頃だった。期待して牡蠣を落とし込んだ。「なんと・・・」着底する前にとられた。次も、その次も着底しない。朝一からもの凄い外道だ。本来はアタリがなければ、周囲の筏を探るつもりだったが、直下で釣りにならないので投げることにした。ところが周囲の筏近くに投げるとこれまた外道にすぐやられた。餌が多少残るのは筏と筏の間くらいであった。イガイを試したり、牡蠣での乱打戦をしたりしているうちに時間が経過した。10時になった。ふと見ると底の部分に1㎝四方くらいの穴が偶然空いていた牡蠣を見つけた。牡蠣にフタをして糸を巻く方法で、底に送り届けるのに疲れていたので、その牡蠣の穴にハリを埋め込んで投下した。さすがに外道も手が出せないのか着底した。反応なく2分ほどが経過したころ、コンコンと小さく突くアタリが出始めた。餌がとられることなくしばらく続いたので、フグではなさそうだった。そして、やや押さえたところであわせた。すごい重量感が伝わってきた。やったと思った。「作戦成功!」強い突っ込みはないが、冬場の大物はただ重いだけのことはよくある。ある程度の大物を期待して水面下を見ていると魚体が現れた。「えーーー、巨ガレイやん。」産卵後で痩せていたが46㎝もあった。産卵前なら年無しと間違っていたかもしれない。

     

 その後も外道との戦いが続いた。チヌらしきアタリは皆無だった。すぐ餌がとられてしまう。ところが12時をまわったあたりから、状況が変わり始めた。アタリが減り始め、12時半には何も反応しなくなった。明らかに活性が落ちた。今度はアタリを求めて、直下や投げて周辺筏を釣った。外道だらけより落ち着いて釣りはできるがアタリはない。そして、更にびっくりしたのが、14時から牡蠣漁師さんが対面の筏で牡蠣作業をはじめられた。「こんな時間から・・・。ジエンドか。少なくとも、直下では釣れない。」納竿までの時間もないので、対面の筏に向けて投げることを決断した。しかし何度投げても餌は無傷。せめて大きくて美味しそうなものを投げてアピールした。14時40分、残った牡蠣の中で一番よいのを投げた。ところが糸が途中でひっかり身切れした。「あーあ、一番良いのが吹っ飛んだ。」糸を手繰り上げると弾力のある身だったのか、殻は吹っ飛んだが身はほとんどまだハリについていた。ほかすのはもったいなく感じたので、おもりを付けてむき身として落とし込むことにした。直下に落とすがなかなか着底しないので、手繰りあげるとむき身がなかった。「あれ、魚いるんか。全く餌取られなかったのに。」投げ続けていたが、これを契機に直下に牡蠣の半貝を投下した。すると着底前から小さなアタリが出始め、着底後も触ってきたので適当にあわせた。もちろんかからなかったが、触ったのはウマズラやフグでないように感じた。「突かれてもとれなかったし、ハリスにも傷がない。何?」もう一度半貝を落とし込む。またも着底前よりアタリがあり、着底後もしつこくあたる。若干ピョンピョンしたアタリで、押さえると言うより、引くようなアタリだったがあわせた。「なんだ?穂先を叩くがえらく軽い。」何が釣れたかわからなかったが上がってきたのはチヌだった。偶然の結果、直下で釣れた。ちょっと小型だがうれしかった。

     

 通りすがりのチヌだとは思ったが、すぐに牡蠣を投入した。するとまたアタリがでた。今度ははっきり押さえてきた。引きも強い。上がってきたのはそれなりの型のチヌだった。なぜか連発した。

     

 今度は群れがいると思って急いで次の牡蠣を投下した。しかし三連発とはならなかった。それからは適当に外道があたり、いかにもきそうな雰囲気のなかでの釣りとなった。なんとかもう一枚と思ったが、納竿は16時だったので、気持ちだけがあせる。結局、追加できずに納竿となってしまった。苦しい釣りだったが、最後の2時間は楽しめたのでそれなりに満足出来る初釣りになった。

 帰路、舞鶴市内は車が多かった。私は休みをとって明日から出勤するが、世間は仕事始め。1年の始まりの日なのだ。ところで最近欠かさず見ているテレビ番組がある。「ポツンと一軒家」だ。放映される住人はすごく魅力的に見える。なぜなら、世俗的な価値観から離れ、自分らしく生きているから。他人の目や世間の評価に左右されない、強くて優しい人物に憧れるから見てしまう。彼らのように自由で余裕のある心でまた1年を過ごしていきたいと思う。

 釣果:2枚(39.5・30.5)