8月9日(土)    日引(曇り後晴れ)

 今回は日引に行くことにした。20年以上続けてきたHPには日引への釣行記はないが、実は1度30年ほど前に行っている。時は経ったが、その時の印象は今も残っている。確か友人との釣行だったと思うが、乗せてもらった筏の板が突然抜けて、右足が海に落ちてびっくりした。筏に穴が空いたこともだが、それよりも忘れられないのは、陸上がりした時の当時の船頭さんの言葉だった。船頭さんは筏に穴が空いて右足が海につかったことにはノーコメントだったが、我々の釣果がなかったことに対しては、「おーーー、それはレコードやな。」と大笑いされていた。同情されると思っていたが、予期しない言葉に反応できなかった。「レコード・・・、記録という意味か。ボウズが記録ということはみんな釣るということか。ということは馬鹿にされたのか・・・」ただ、あっけらかんと笑う船頭さんに嫌みはなく、自分たちが駆け出しのひよっ子のように思え、怒るよりも恥ずかしかった。特別、悪い印象はなかったが、再び訪れることもなく、今回の釣行となった。釣り場には6時過ぎに到着し、すぐに出船となった。船頭さんはとても丁寧な方で、当然、「レコード船頭」さんではないし、そもそも以前の渡船屋さんが今回お世話になった由幸さんかも定かではなかった。船頭さんが渡してくれたのはカマエダ2号という筏で、舞鶴とは違い全面板張りで、トイレ付きで広々としていた。

      

 さっそく団子を打って、6時20分頃から釣りを開始した。朝一にコーンに反応があったが、そこからは無反応であまり魚の気配が感じられず、厳しいかと思った。ところが1時間半程経過した8時前より団子へのアタリが出始めた。刺し餌は無傷なので、ボラだと思った。それから徐々に魚が寄ってきたようで、8時半をまわると、中層でシオやイサキが釣れたり、底で良型ガシラが釣れたりした。コーンだけでなく、サナギも触る魚が登場し、良い雰囲気になってきた。そして9時20分、サナギコーンを団子は別打ちして落とし込むと、着底直後に穂先が当日初めてきれいに入った。あわせた。「重い。うぉーーー」すごい勢いで右斜め前方に魚が走った。止めにかかるが糸を引きずりだされた。「そうだ、この筏は牡蠣筏じゃない。糸を出せば・・・」と思った瞬間、2.5号が高切れした。あっけにとられた。「あ~、残念。」このバラシのせいか、その後良い雰囲気は消えてしまった。気を取り直して打ち返しを続けるが、サナギは無傷。コーンはたまに1粒取られたり、かじられたりする程度で、釣れるとは思えない状況が続いた。この低活性では、少しでも反応のある餌を使うしかないと考え、サナギは諦め、コーン1本で攻めることにした。12時20分、ボラの団子アタリを見送ってそのまま、5分ほど放置していると突然、竿尻が浮くくらいの勢いで穂先が突き刺さった。完全に油断しており、竿を握り損ねてタイミングが遅れてしまった。超大物を逃してしまったと思い落胆したが、巻くと魚がまだ付いている。引きは予想より遙かに弱い。グリグリ巻いているとやがて水面下に魚が見えた。「お!チヌ。」拍子抜けのようなサイズだったが、とにかく30年越しにレコードを破ったチヌだった。

   

 チヌが寄ってきたことがわかったので、更なる追加を狙った。しかし、明確なアタリはでない。ただ、ボラの団子アタリはますます激しくなり、中層ではコーンだけでなく、サナギも取られた。魚の活性は上がってきていた。何かがはまれば、チヌが食いそうな状況だった。当日は気温も高くなく、疲労度は少なかったので、最終の17時までやりたかったが、早く帰らねばならなかったので、残念だったが14時半に納竿した。新しい釣り場は、それだけでおもしろいので、近いうちにまた来たいと思った。

   

釣果:1枚(34)