8月29日(金)    下佐波賀(晴れ)

 今回はF君と下佐波賀に行くことにした。下佐波賀には20年ほど前にトシさんと行ったのが最後だと思う。今は上佐波賀と同じ渡船屋さんが渡しているが、昔は違った。優しいが強面の船頭さんがおられ、筏から大きな声を出すとすぐに聞きつけて、家から迎えにきてくれた。筏は4台ほどあり、それぞれが離れており、特徴があって面白かった。その渡船屋さんが17.8年前に廃業され、上佐波賀の渡船屋さんが10年ほど前に復活させ、今は横に8台、縦2列の整然とした筏群になっている。そして、今回はその筏群の真ん中あたりの屋根付き筏に乗った。

 団子を打って5時45分頃から釣り始めた。釣りはじめから、外道のアタリがあり、コーンはすぐに取られ、5投目ぐらいからはサナギにも反応が出始めた。活性が高く、釣れそうな気配がした。ところが1時間もするとアタリがでなくなった。ただ、コーンはすぐに取られる。反応がでればよいのだが、ほぼ穂先が動かない。一方、サナギは無傷の状況が続いた。いつの間にか餌がないのが、個人的には一番集中力が切れるので、サナギを中心に釣り続けた。釣り初めて3時間が経過した9時過ぎ、餌のサナギを回収しようと竿を上げると重みを感じた。結構重かったので、大きな牡蠣ごみだと思った。ところが5,6回巻くと強く引き込む反応があった。「魚か。ヒラメ?」よくわからないまま、グリグリとゆっくり巻き上げると、水面下で白く魚が光った。「お!チヌや。」上がってきたのは40㎝後半の良型だった。何もドキドキすることなく、釣ったというより釣れたチヌだった。

  

 この1枚で、チヌがいることと口を使うことがわかったので、再び集中力が出てきた。ただその後は何の変化もなく、「なんで釣れたのかな。」という思いがどんどん強くなっていった。状況が突然変化したのは11時であった。反応のない竿を少し動かすと穂先が急にクィッとお辞儀した。「サナギに反応があったぞ。」その次の1投にも反応がある。2回ともあわせたので、当然サナギはとれてしまうので、その反応がチヌかはわからなかった。そして、3投目にも反応がでる。小アタリが連続している。10秒ほど我慢していると、穂先がやや入った。きれいなアタリではないが、思い切ってあわせるとしっかりした手応えがあった。上がってきたのは先ほどよりやや小さいが良型のチヌだった。納得の1枚だった。

  

 ここから時合いになることを期待した。活性は一気に上がり、サナギに毎投反応が出始めた。回収したサナギの食われ方を見ると、チヌではないものがほとんどだが、経験上反応無く取られるのではなく、外道でも穂先に反応が出るときはチヌも釣れることが多い。サナギ2個掛けや丸貝を使うなど、チヌの口に届くように集中して釣った。F君にもアタリが出始め、F君は12時半過ぎまでの1時間強の間に30㎝台前半を4枚釣った。私にはあわせるようなアタリはでない。釣れそうで釣れない、歯がゆい状況が続いた。魚の活性よりも外道の数が相当チヌを上回っている気がした。結局その後は、F君も私も餌をとられ続け、14時半に納竿した。当日は私の誕生日だったので、「祝い鯛」という考え方もあったかもしれないが、殺生を避けて釣ったチヌは2枚とも逃がした。当日も猛烈に暑かったが、帰りの船は風を受けて気持ちよかった。穏やかな青い海をずっと走っていたくなった。

 

釣果:2枚(47・45.5)