11月14日(日)  大丹生(曇り時々晴れ)  大潮

 今回はもう一度大丹生に行こうと思っていたが、釣行日前日、釣友のF氏より上佐波賀好調の連絡をもらった。「よーし、上佐波賀出撃や。」と思った。ちなみに大丹生はどうだろうかと思い、電話してみた。やっぱり釣れていないようだ。しかし、おじさんの声を聞くと「やっぱり、大丹生に行かないと。」と感じた。「うーーーん、迷うな・・・。どうしよ。」その晩、「ドクター コトー」という番組を見た。よいドラマだった。「人間、心が大切やな。私の釣りは、釣果や技術の向上を最優先しているわけでもないし、またそんな力もない。恩情派釣り師かな。やっぱ、大丹生行くか。」

 朝4時過ぎ、自宅を出発した。昨晩、大丹生にしようかなと考えたのだが、まだ行き先は迷いがあった。途中、団子、丸貝、サナギ、シラサ1杯、氷を購入した。4000円。土曜日は、釣り人が少なかったようだが、当日は27号を数珠繋ぎで車が走っている。「釣り人多いな〜。みなさん、ちゃんと天気予報みたはるな。上も多いやろな。」それでも、釣り場の選択に迷ったので、とりあえず上佐波賀に行ってみた。予約状況をみると、「1番、5番、・・・・・」主要な筏はやはりすべて予約が入っていた。「これで、ふっきれた。大丹生に行こう。」大丹生は人が少ないと思っていたが、大入り満員だった。「あれまあ・・・」

 一番沖側の筏に乗った。本当は岸よりの筏に乗りたかったのだが、おじさんが連れてってくれたのだから仕方ない。いざ釣り開始。丸貝、サナギには前回同様アタリがない。シラサはさすがにとられる。底にはカワハギがいるようだが、たいした数ではない。カワハギが見つけられないときは、ハタやベラが釣れる。さらにはハオコゼまで釣れた。「あかんな〜。ハオコゼが釣れるともひとつあかん気がする。」しかし、今回は渋い状況の中で、微妙なアタリを確実にひろおうと考えていたので、めげずにがんばった。がんばれど、状況は好転しなかった。時折他の筏ではチヌが上がっていたので、全くチヌの食い気がないとは思われなかった。でも、私の筏はというと・・・。時間はどんどん経過した。「やっぱり釣れんは。上やったかな。あっちの方がチヌ多いし。」午後3時を回った頃には帰ろうかと思った。

 3時半過ぎより、釣り座を1メートルほど潮下に移動した。気分転換だ。夕まず目は丸貝オンリーでやろうと思っていた。当然アタリはない。4時5分、今日一の大きい丸貝を付けた。投入後しばらくして、かすかに丸貝にさわった。「うん・・・」集中した。15秒くらいたったであろうか、突然穂先が舞い込んだ。とっさにあわせたが、素針を引いてしまった。がっくり。押さえ込むアタリにはほど遠い、くわえて走ったようなアタリだった。仕掛けを引き上げると半分食いちぎられた丸貝の残骸があった。「間違いなく、チヌやった。前回も同様のアタリが2,3回あった。やっぱりあれもチヌやったんか。いろんなアタリがあるんやな。」しかし、乗らなかったとは言え、唯一のアタリに救われた気がした。全くアタリがないのと、例え1回でも釣る可能性があったのでは大違いだから。

 その後、筏下にチヌがいることを信じて更に集中してがんばったが、アタリなく時間が経過した。時刻は5時になった。穂先も見えにくくなってきた。仕掛けをあげると針上10pに傷がある。最後の1投の前に結び変えた。針も5号にあげた。もう時間がないので、小粒の丸貝に、早く落とすため8Bの重りを付けて投入した。そしてすぐに、おじさんにお迎えコールをするため携帯をとった。呼び出し音がなっている。と、竿が突然突き刺さった。「あ、、、、」ワンテンポあわすのが遅れたがのった。30pほどのチヌだった。めちゃくちゃうれしかった。「最後の1投で釣った!」たった1枚だったが、ある意味爽快だった。大丹生に来てよかったと思った。HP上にはすごい釣果がのっている。当然うらやましいく思う。でも、小チヌでも私はうれしい。「自然にやさしい釣り師。これでいいか」と思う。

釣果:1枚(29.5p)