6月1日(日)    大丹生(晴れ)

 心身に余裕のある時を待っているとなかなか釣りに行く機会ができないので、思い切って行くことにした。釣れる時期ではないので、半日の予定で大丹生に行くことにした。当日は午前4時前には自宅を出発し、途中黒鯛釣り具店で団子(小)、サナギ、オキアミを購入して、大丹生には5時半頃到着した。駐車場に着いて車を降りると、すぐに西田のおじさんの息子さんが出てこられた。おじさんはどうされたのかを聞くと「引退した」とのことだった。息子さんが65歳で定年となったので、渡船業を引き継がれたらしい。おじさんは90歳だったそうだ。「そうだったのか。90歳か・・・。引退して当然か。」大丹生に来るのはおじさんに会いにくる意味も大きかったので、拍子抜けした。というより、寂しい気がした。「釣り場は続くけど、自分にとっての大丹生はおじさんとともにあった。」そう感じた。

 その後、筏群に送ってもらった。潮が澄み切っており、いかにも釣れなさそうだった。早々に団子を投入し、釣り始めるがオキアミですら、めったにとられなかった。「これは厳しい。」その後も活性は上がらず、退屈な時間が過ぎた。もともと釣れるとは、あまり思っていなかったので、風景を見ながら釣りを続けた。ただ、季節を楽しむには暑すぎた。9時には「もう帰ろうかな。」と思ったが、あまりの早上がりは格好悪い気がしたので、12時までがんばった。そして気配を感じることなく納竿した。

 そそくさと帰り仕度をして車を発進させた。「これからは大丹生に来る回数は減るかもしれないな。筏群では昔のように釣れることはないだろう。そんなことはとうに分かっていたけど、おじさんのいる間は夢を追い続けられた。でも、もう無理かな。」ひとつの時代が過ぎた気がした。「第二幕はあるのだろうか・・・。」

      

釣果:西田のおじさん、ありがとう。