12月29日(月) 大丹生(晴れのち曇り)
納竿釣行は久しぶりにイプサムさんと行くことになった。イプサムさんは、各地の釣り場を転戦して釣果を上げている。私もHPを始める前に、そのようなことを目指したことがあったが、釣果が上がらず断念した。今回は大丹生に行きたいとのことだったので、前回と同じ沖側千歳よりの筏を予約した。当日は6時には現地で落ち合っていたが、実際出船したのは7時前だった。日の出がだんだん遅くなっている。私にとってはゆっくり寝てから来れるのでよいのだが。
筏に乗って、牡蠣ゴミを撒いた後、釣りを開始する。牡蠣を落としこむとさっそく何かが触ってきた。「おおっ!」少し押さえたところであわしたが、のらなかった。ハリスには傷がない。「チヌの可能性はあったな・・・。」いけるような気がした。2投目。反応はない。その後もアタリがないので、早目に牡蠣を底で切って、落とし込みの回数を増やすが、状況は変わらない。時刻は8時半を回った。釣れてもよい時間に反応がでないので、筏周辺の探り釣りを開始した。30分ほどやるが、2回ほどフグのアタリがでただけだった。釣り座に戻るもアタリは出ない。「うーーん、厳しそうやな。今年は11月に釣れたから、冬場もチヌがいると思うけど。自信無くなってきた。せっかく、イプサムさんと来ているのに・・・。」ただ、アタリはなくとも天気は予想に反して、晴れており、寒くもなかったので、イプサムさんとの会話ははずんだ。パンを食べながら、会話に夢中になっていた9時半、突然小さくチョンチョンと突くアタリがでた。小さいアタリは連続し、穂先が少し入ったところで突く小アタリであわせてみた。「かかった。」まさかのチヌだった。上がってきたのは40p弱だった。「チヌがいた。」これからが期待が持てると思い、ほっとした。
ところが、集中するがアタリは連続しない。また静かな時間が流れた。時合いは10時過ぎだと思ったが、何も変化はなかった。12時くらいからスイッチが入るとおもしろい釣りになると思ったが、それもかなわなかった。さらに13時頃より、冷たい風が吹き、雨が降ってきた。寒波襲来を覚悟したが30分ほどでおさまった。イプサムさんの「虹がでてますよ。」の声で、ふと顔を向けると、大丹生の集落の上にかかっていた。
状況に変化なく、厳しい時間が過ぎる。大丹生では、冬場に15時頃から突如活性が上がった経験が何度かあったので、その時間帯に期待するしかないように思った。ただ、その予兆となるフグの活性もたいしたことはない。このまま一日が終わってしまうのかという思いが強くなった14時50分、突然イプサムさんがあわせた。大きく竿が曲がる。大物だ。何度もの締め込みをかわして上がってきたのは、年無しを思わせる堂々としたチヌだった。「やったー。流石かな〜。」大型チヌが釣れてよかった。大丹生にとっても、我々にとっても。釣れて10分もするとがじろうさんから幸運のメール。「流石、がじろうさん。いつもは朝にあるメールがこの時間に。離れていても時合いがわかっている。」今が釣れる時間だと気合いが入った。しかし、アタリがでない。「時合いなのだから、食うはず。来てくれないならこちらから行くまで。」探り釣りをすることにした。筏裏を探るが反応はない。最後に午前中、フグアタリのあった隣の筏との間を狙うことにした。牡蠣を投げる。おそらく隣の筏との間くらいに着底。2分ほど経過したとき、フワフワとしたアタリがでた。「アタリや!」構える。すると少し押さえたように見えた次の瞬間、いきなり穂先が海面に引き込まれた。ほぼ向こうアワセになったので、二度アワセを入れる。「きたーー」手応えからすると、午前中と同じくらいに感じた。ただ、大きさよりもこの時間帯に、しかも強烈なアタリでかけたことに興奮していた。中層くらいまで引き上げた。「あと少しや、え!」なぜか、ばれた。ハリスが切れていた。「フグの噛み跡でもあったのか・・・。」大ショックだった。「くっそーーーー」悔しかったが、すぐにもう一度牡蠣を同じ場所に投入した。5分ほど経過したがアタリはない。「あかんか・・・」牡蠣をゆっくり引き上げる。かじった跡はない。もう一度引き上げた牡蠣を投入した。すると着底後すぐにあたってきた。「おお!まだいたぞ。」アタリは連続する。我慢して完全に押さえたところであわせた。「よっし!・・・・・あれ」素バリを引いてしまった。すぐに原因はわかった。引き上げた牡蠣を放り込んだ時、気が付いていたのだが、ハリがずれて牡蠣の耳にかかっており、身に入っていなかった。面倒くさがってそのまま放り込んだためだった。「しまったーーー、何やってるんや。くっそーー。」すぐに牡蠣を投入したが、アタリはでない。「2回も失敗したら、こうなるわな。」諦めが生じたが、投入した牡蠣は長細いものだったので、せめてチヌが一気に食ってくれる形のよいものに付け替えようと思った。丸くてプリプリした牡蠣を投入した。着底。1分ほど経過しただろうか、「おお、触ったぞ。食って。」穂先を凝視した。流れに引かれて、糸はやや張り気味になっている。「うん、食っているのか・・・。」するとまたもや、すごいアタリで穂先が海面に突き刺さった。重量感が腕に伝わってくる。もうその後は必死のやり取り。むちゃくちゃ重い上に、強烈に何度も突っ込む。年無しクラスであることを確信していた。随分時間がかかったように感じたが、やっと水面下にチヌが見え、一発タモ入れ。「やったーー。でかいぞ。」ただ、引き上げてよく見ると、重さと顔は年無しだが、全体の形は金魚というか、マンガにかかれる「ザ・サカナ」のようだった。年無しには全く足りなかったが、大満足の1枚となった。時刻は16時だった。その後1投するが、アタリなく16時半に納竿した。
当日はイプサムさんのおかげで、笑いあり、興奮ありの、1年を締めくくる楽しい釣行となった。ここのところ減少傾向にあった釣行回数も今年は持ち直した。早上がりが多くはなったが、それなりに釣りを楽しめた1年だったと思う。また来年も、多くの出会いと感動のある1年にしたい。年々、時間の経過を早く感じるようになってきたが、だからこそ一日を大切にゆっくりと生きようと思う。
最後になりましたが、このHPをのぞいて下さっている皆様にとって、来年が健康で思い出深い年になりますようにお祈り申し上げます。1年間、ありがとうございました。良いお年をお迎え下さい。
釣果:2枚(47.5・38.5)