1月6日(火) 上佐波賀(曇りの雨)
初釣りはマーやんと上佐波賀に行くことにした。予報が悪く、大丹生に代えようか迷ったが、予定通り上佐波賀に行くことにした。マーやんとは現地で6時過ぎに落ち合い、6時半頃に我々二人だけで出船した。乗ったのは17番。誰もいないので、筏群の真ん中でやることにした。牡蠣ゴミを撒いて、釣りを開始したのは7時だった。開始早々に2度ほど穂先に反応がでた。たぶん外道だったと思うが、魚の活性は高いように感じた。1時間ほど経過したが、明確なアタリがでないので、8時過ぎに釣り座を立って筏の端に落としこんだ。すると着底してしばらくするとコツと強く当たったかと思うと、すぐに穂先がクッとお辞儀した。とっさにあわせたが、のらなかった。「しまったーーー。今のはチヌっぽい・・・。」外したのは残念だったが、チヌがいることを確信した。マーやんにも何度かアタリがでているようだった。この調子なら何とか早いうちに釣れるような気がした。
ところが、天気は徐々に荒れ始め、アタリも消えた。気温が高かったので、雨はそれほど気にならなかったが、風が強い。更に潮も結構早く流れだし、釣りにくい。風に上潮が押され、二枚潮になることもあり、魚を寄せようと撒き餌をするが、思ったところに落ちない。期待した9時半は過ぎ、10時を回り、そして12時になった。8時にチヌアタリをはずした後は、フグアタリが2度ほどあっただけ。直下狙いでがんばってきたが、外道の気配すらない。「活性が低いだけでなく、撒き餌が効いているのかもわからない。粘ってもあかんか。」時刻は13時をまわった。昼前くらいから、一時止んでいた風が再び吹き始め、雨も降ってきた。昼間なのに夕まずめの暗さだった。厳しい。
相変わらずアタリは出ないので、再び探り釣りをした。筏回りや隣の筏との間を釣るが、何もあたらない。万策尽きた14時50分、釣り座戻った。「潮は早いし、風で筏も動いているし、ポイントはボケボケや。探り釣りも不発。何を根拠に釣りを展開したらいいのか・・・。」そして、最後はラッキーに頼ることにした。いつもはやらない前方への遠投。糸を引き出して、思いっきり牡蠣を投げた。釣れるかはともかく、糸が前方へでている穂先を見るのは、なぜか好きだ。着底して5分ほど経過しただろうか、雨の中小さくなって穂先を見つめていると、チクチクと軽いアタリがでた。「フグか・・・。フグなら最後は引き込むやろ。」竿を握って、かけてやろうと構えた。やがてチッチッとアタリながらやや押さえた。「オラ。うお?おおおー」すごい重量感が伝わってきた。「チヌや。」前方でかけたこともあって、魚が筏下に入る危険性はなかった。やっとかけたチヌ、絶対釣り上げたかった。緊張感のなかのやり取りが続いた。2度、3度と魚は締め込んできた。その度にズルズルと糸を引き出されたが、何とか竿の角度を保った。「年無し級や。最後にやったかも!」中層ぐらいからは順調に巻き取れたが、おそらく最後の締め込みがあると思った。ほぼ上層に引き上げた時、やはり最後のあがきで強く引いた。これをかわせば、上がると思った。引っ張り合いをせず、強い引きにあわせて、糸をズル、ズルと2度だした。と、その時、穂先がはねた。「ええーーーー」筏上に倒れ込んでしまった。「えーー、なんなん。もーーー、なんなん。新年早々これかよ。」久しぶりに悔しいバラシだった。ハリの先には小さい鱗が付いていた。口の外にかかっていたのだろう。「あと少しやったのに。」3分ほど、マーやんにぼやいていたと思う。いきなり大吉で運を使うより、かかっただけでもついていると考え、これから徐々に上がってい運勢だと考えることにした。
納竿は16時にしていたので、あと1時間。もうチャンスはないと思ったが、一応ハリは面倒くさいが付け替えた。まだ少し、自分の中に諦められない気持ちがあった。その後も遠投するが、アタリはでない。身のプリプリした大きい牡蠣から使ったが、15時半には細かいものしかなくなった。「なんか、へぼい牡蠣やな。まあええか。」思いっきり投げた。するとしばらくすると先ほどと同じような軽いアタリがでた。「軽いけど、さっきのこともある。」集中していると、しばらくして引き込んだ。「よっしゃ・・・・・・」空振り、振り上げた竿からは何の手応えも感じなかった。「あ〜あ、ラストチャンスやったのに。」落胆して、糸を巻き取ると、底でひっかかった。「根掛かりか。うぉ?!」竿が引き込まれた。「魚がかかってる。チヌや。」どういう状態かは、理解できなかったが、とにかくチヌがかかっている。アワセは決まったとは思えないので、バラシの危険性はあったが、とにかく祈る思いで巻いた。先ほどよりは弱い。できるだけ糸を出さずに竿でためて、やり取りした。やがて、チヌが見えて無事GET。「おお〜、釣れた。いい型や。」
その後、納竿時間を延ばして、最終の17時までがんばったが、再びアタリがでることはなかった。夕闇迫る雨の中を走る帰り船で思い出した。以前はどんな時でも、とことんやったことを。「今日はマーやんがいたから、がんばれた。」もちろん最後に釣れたこともうれしかったが、仲間と一緒に釣りをすることが、楽しいと強く感じた一日だった。陸に上がるとがじろうさんが来てくれていた。ひとしきり話をし、また釣りに行くことを約束して帰路についた。放流したチヌの代わりに、後部座席にはマーやんからもらった野菜が乗っていた。
釣果:1枚(48p)