3月26日(木) 大丹生(晴れ)
この冬は大丹生でよい釣りができた。前回はだめだったが、もう一度、牡蠣チヌ有終の美を飾るため行くことにした。当日は午前4時半過ぎに自宅を出発し、途中ボケを10匹購入し、釣り場には7時前に到着した。船頭さんはすでに渡船場におられ、すぐに出船した。乗ったのは前回と同じ、沖側渡船場よりの筏だった。牡蠣作業をして、7時半頃より、釣りを開始した。まずは期待の第1投。すると着底してしばらくすると、チョンチョンとアタリがでた。「おお。」慌てず、押さえるのを待ったが、しばらくすると穂先への負荷が無くなってしまった。「とられた。」回収するとハリがない。「フグか・・・。」でも、第1投からフグアタリがでたことで期待が持てた。続いて、第2投。「くるかー」あたらない。餌を代えてもう一度。あたらない。牡蠣ゴミ投下。アタリはでない。海は沈黙した。牡蠣を触る魚は皆無。餌をボケに代えるとかじる魚はいるが、9時にボケで誘ってフグを釣り上げるとボケにもアタリがでなくなった。「な〜んもおらん・・・。」
時合いは昼からと考えて、丁寧に牡蠣ゴミを撒き続けた。何度も何度も餌を切って打ち返す。筏周辺も探り、遠投も行った。アタリはでない。風が時々吹いて、筏が移動するが、潮は動かない。いけない雰囲気を感じたが、今日は納得できるまでやるつもりなので、根気は切れなかった。しかし、結局何をしてもアタリは出せなかった。潮が悪かったのか、産卵のための移動が始まったのか。たぶん後者のような気はするがダメだった。そして、17時過ぎに納竿した。陸に上がってそそくさと着替えて帰る仕度をしていると、西田さんがおつりと新聞紙を持ってこられた。新聞紙の中身は自家製のネギだった。「ありがとうございます。」「また、お願いします。」「また、来ます。」チヌより元気がでるお土産だった。
実は釣りをしている間、ずっと緊張していた。春は別れと出会いの季節だが、特にこの春の別れは辛かった。思い出を振り返ると途方もなく寂しくなる。たまった疲れのせいか新しい出会いへの勇気が湧かず、立ち尽くしているような感覚があった。しかし、西田さんの優しさを感じ、胸が少し楽になった。車から右手に広がる舞I湾を見た。夕方の光に照らされた海に自衛艦が浮かんでいた。舞Iらしい風景を見ながら思った。「4月からもがんばってみよう。」と。
釣果:春を楽しむ心の復活