１月５日（火） 大丹生（曇り後小雨）
久しぶりに大丹生に行くことにした。途中、黒鯛釣り具店で石ゴカイを買って釣り場には６時半頃到着した。西田さんに挨拶して、出船は７時。今日は筏には私一人だったので、真ん中の筏に乗った。牡蠣ロープを１本引き上げて掃除し、７時半より釣りを開始した。するとすぐに反応が出始め、８時半頃までにガジラが２匹釣れ、そのほかにも何回か牡蠣をとられた。外道の活性がこれだけあればいずれチヌが釣れそうな気がした。９時頃になると、牡蠣漁師さんが次々筏群に来られ作業が始まった。特に私の右隣の筏は２メートル半ほどしか離れておらず、イガイを中心とした牡蠣ゴミの大量投下が始まった。こちらはほとんど牡蠣ゴミがない。細かい牡蠣を割って撒いた。
９時半、寄せ負けしている気がして試しに右筏の方に移動して投げてみた。中層から牡蠣が落下しなくなったので、あわせると巨フグが釣れた。「やっぱりこっちに寄っていたのか！」と思ったが、その後は全くアタリがでない。もちろん自分の釣り座でもアタリはなくなった。高活性だったのは朝一だけだった。全く反応のない時間が過ぎた。もちろん、いろんな場所を探ったがアタリはでない。私の筏を中心にコの字型に５台の筏で作業が行われていた。どこに餌が効いているのか分からない状態だったので、遠投もしたがアタリはなかった。「ポイントの問題というより、潮も動かないし、とても澄んでいるから、魚の活性の問題やな。これはあかんな・・・。」
牡蠣ゴミの投下はその後も続いたので、気になったが定期的に釣り座に潰した牡蠣を撒いた。「これだけ活性が低いと何に反応するか分からない。量では負けるので、継続性だけでも維持しよう。」しかし、その努力も成果無く、時間は経過した。そして打開策もないままとうとう１５時になった。「雨の中がんばったがあかんか。大丹生にチヌはいるのか・・・。でももし時合いがあるとするならこれからか。少量だが牡蠣を撒き続けた自分の釣り座か、漁師さんが大量投下している右筏との間か、どちらにかけようか・・・。」ゴカイもとられない自分の釣り座を諦め、結局右筏との間を攻めることにした。ちょい投げして隣の筏近くを狙った。するとゴカイに微細なアタリがでる。アワセどころのないアタリでゴカイがかじられる。５，６回同じ事を繰り返した。「これは絶対外道や。何回やっても同じ。」餌を牡蠣に代えた。牡蠣にも反応はでる。２度ほど落下する前に取られた。さらに底でも、いつのまにか吸われているようで、少しの負荷で餌が切れてしまう。「牡蠣もあかん。外道の正体を知りたいが、これでは餌保ちが悪いし、チヌまで餌はとどかない。夕方の時合いで、魚の活性は上がっているのは確か。」外道との乱打戦のなかでチヌアタリを期待するのか、餌が残る場所で偶然の回遊で見つけてもらう方がよいのか、もう一度考えた。そして１６時からは自分の釣り座に戻った。徐々に日没が近づき、薄暗くなっていく。アタリは全くない。「やっぱり乱打戦に期待した方がよかったのかなあ。まあ、しゃあない今日は。でも、この冬、大丹生どうしよ。今年はあかんかも・・・。」
「これでラストにしよう。」１６時４５分、最後の落とし込みを行った。ボーと穂先を見つめること１分。突然コツというハッキリした短いアタリがでた。しばらく間があって、またコツとあたった。餌がはずれたと思ったが、まだついている。しばらくして今度はコツコツと小さなアタリがでた。連続したコツの二度目であわせた。すると腕に重量感がのった。「えー、チヌや！ドラマや。ラスト１投できた！」しばらくしてチヌが一度目の強い引き込みをした。「おお！この引きは良型間違いなしや。やったぞ！あっ」天を仰いだ。ばれた。「チヌやったのに・・・。」ダメージは大きかったが、すぐにあと１投することにした、着底するがアタリはない。時刻は１６時５０分。「餌を代えて、あと１投や、」上げようとすると牡蠣がらに引っかかった。ところがやたらに重い牡蠣がらが時々動く。「？？？。タコ？違うな。カレイ？違う。何？」そして上がってきたのは・・・・・・「あなたでしたか。忘れてました。しかもドラゴン。」とてつもなくでかいアナゴだった。そしてこのドラゴン（８１㎝）のせいで、１７時タイムUPとなってしまった。
帰りの船、久しぶりに気持ちが高ぶった。ばれたことは当然悔しかったが、こういう経験は何度もある。それよりもチヌアタリではないと思ったアタリがチヌアタリだったことが、私の心を躍らせた。牡蠣にはいろんなアタリがあり、今までも多くのアタリを経験してきたが、今日のは違うと思っていた。あんなに間が空くアタリはチヌじゃないと思っていたのがチヌだったことが新しい発見だった。思い返すと午前中にも１度同じアタリがあった。「あれもチヌだったのか。」と思った。さらに、１５時台に落下途中でとられたときも、同じようなコツアタリがあったので、チヌの可能性があった。「そうやったんか。わかっていたなら、まだチャンスあったんや。」
陸に上がるとがじろうさんが来てくれていた。がじろうさんに「面白い釣り」だったことを話した。すっかり暗くなるまでがじろうさんと話して帰路に着いた。悔しさは薄れるが、面白さは待ち遠しい。できるだけ早くもう一度大丹生に来ようと思った。
釣果：新たな知識
