8月18日(金) 上佐波賀(雨のち晴れ時々曇り)
上佐波賀でここのところ、よい釣りができていない。そろそろ前回やられた17番でも釣れるのではないかと考え、行くことにした。リベンジマッチだ。当日は4時頃出発し、5時過ぎに黒鯛釣り具店に到着した。団子の大を買うと、マスターに「和田さん、今日はやる気ですね。」と冷やかされた。そう言えば黒鯛釣り具店に通って、25年ほどになる。釣りたくて、天気などお構いなしに海に向かって猪突猛進していたころの私を、マスターは知っている。振り返るとあっという間に感じるが、長い年月が経過した。それでも、今も付き合いが続くことを嬉しく思った。
釣り場には6時前に到着し、6時15分から17番で釣りを開始した。釣り場には私だけ。明け方まで降り続いた雨の影響で、海には濁りが入り、潮も緩やかに動いている。条件はよいように感じた。静かな状態が1時間半ほど経過したが、7時40分頃にスレアタリがでる。すると8時頃からは海から大量のあぶくが上がり始めた。コノシロかボラが寄り始めた。そして最初のサナギへのアタリは8時20分だった。かけられなかったが、よい感じになってきた。次にアタリが出たのは8時40分、十分かけられるアタリだったが、少し早アワセになってしまった。残念だったが、次は釣れるだろうと思った。ところが、そこから予想外のことが起こった。あぶくは上がり続けるのだが、底での団子アタリに変わることもなく、サナギにも何も触ってこない。必ず状況の変化があると考え、根気よく打ち返した。中層を狙ったり、団子周辺を探ったり工夫もしたが、アタリはでない。どう考えても、条件はよさそうなのに釣れない。同じ状況のまま時間だけが経過した。いつまでたっても、あぶくだけ。表層にはサヨリが数匹。ストレスだけがたまる。いつかは変化すると信じてやったが、結局納竿の15時まで、何も変わらなかった。延々7時間、全く変化がなかった。上佐波賀、そのものがいけなかったのか、17番などに乗ったのがいけなかったのか。おそらく、後者に原因はあったように思う。フロートのイガイは暑さで全て落ちていたが、それでも浮きチヌがフロートを食む音が離れた筏からは聞こえた。「リベンジなんか考えるから。」
帰りの車は疲労を強く感じた。敗北感だけの釣りになってしまった。綾部を過ぎた時だったか、視界が開け、遙か遠くの緑の山と青い空、そこに浮かぶ大きな入道雲が目に入った。上空にグングンと伸びていく大きな入道雲を見ていると「夏の終わりに」という言葉が浮かんだ。小さい頃、あるいは若い頃、夏には何か淡い期待があった。そして盆が終わる頃、過ぎゆく夏を振り返った。毎年、大した出来事もなかったように思うが、ちょっとした一コマが夏の思い出として残っていた。漠然とした期待を持って、過ごしていた頃の感覚が蘇ったように感じた。そして、いらついた気持ちがすっと和らぎ、穏やかになっていった。「今日は仕方ない。次どうしよかな。」
釣果:そんなこともある。