7月2日(日)    上佐波賀(晴れ)

 今回はF君との師弟対決をすることになった。この時期になれば、上佐波賀が釣れるだろうと考えて行くことにした。5時に渡船するとのことだったので、3時に我が家で集合して釣り場に向かった。釣り場に着くと、先客が1名おられ、その方と共に出船した。我々は17番に、もう一人の方は7番に乗られた。筏にイガイは付いていたが、まだ米粒大くらいのものが多かった。しかし、探せばもう少し大きいのもあるので、特に不自由はなかった。

 「さあ、釣ろう。」F君からは楽勝ムードが漂っていた。私もなんとかなると思った。釣り始めたのは5時半前だった。すぐにアタリがでるかと思ったが、さすがに釣り人も入ってなさそうだったので、そうはいかなかった。1度のアタリもなく、時間が過ぎる。多くはないが、時々周りの筏から、チヌがイガイを食む音はしたので、チヌが筏群に入っていることは確かだった。全く気配を感じなかったので、6時50分頃、2メートルほど右に動いて、筏の端で小粒のイガイを落としてみた。すると着底間際にフワフワした感じが一瞬でた。「うん?」穂先に集中していると、当日初めてコツと突くアタリがでた。そして一呼吸置いて小さく押さえた。「よし!」かかったが、手応えはあまりない。上がってきたのは、小型の痩せたチヌだった。型には不満があったが、これからと思った。

 その後は徐々に状況が改善され、8時頃からは釣れる予想だった。しかし、全然ダメだった。9時になっても、10時なっても全くアタリはない。やる気がなくなってくる。11時過ぎには、少し離れた筏で、チヌがバシャバシャし始めた。その光景を見ながら、当日はイガイへの反応が良くないことに加え、何より筏選択が失敗していると感じた。ただ、釣りはどうなるかわからない。根気よく釣り続けるしかないと思った。

 12時を過ぎた。相変わらずチヌが表層で暴れているのが見える。「いるのになあ。」逆に戦意が落ちる。12時半になると天気はそれほどでもないのだが、雷の音が小さく聞こえるようになった。なんとなく、天気がもたないような気がした。釣れないこともあって、15時納竿と決め、渡船屋さんに迎えを頼んだ。その頃からF君には、たまに小さなアタリがでるようになった。そして、とうとう14時、F君の竿が曲がった。「お!・・・・」一瞬の手応えの後、ばれてしまった。もしかしての時合い到来かと思わせたが、その後は明確なアタリはでない。そして、14時40分、若干の未練はあったが、片付けることにした。空を見ると、西の空にやや色の濃い雲が見えた。15時ちょうどに迎えの船が来た。帰港する途中で雨が降り始め、荷物を片付け終わると土砂降りになった。

 車の中で一息ついて帰路についた。天気に関しては見事な読みだった。しかし、肝心の釣りはというと、上佐波賀の鉄則である「筏は本命筏に乗るべし」を軽んじてしまった。久しぶりにF君と会話は弾んだが、致命的な失敗をして、F君に申し訳なく思った。師弟対決をする前に、師匠失格だった。次こそはまともな対決場を準備したい。

釣果:1枚(32㎝)