2月11日(火)   大丹生(晴れ)

 土日の出勤が多く、2月に入って2回目の休日。天気予報がよいので大丹生に行くことにした。当日は6時40分頃釣り場に到着し、7時頃に出船。牡蠣掃除に左右されたくなかったので、沖側の渡船場寄りの筏(3号)にのった。土曜日にはフグが激しかったと聞いたので、撒き餌をせずに牡蠣を落とし込んだ。何も触らない。餌を切って次を投入する。反応なし。外道の活性が高くないので、30分ほどで牡蠣やイガイの撒き餌を投入することにした。8時半頃に1度フグアタリがでたので、これからかと思ったがその後反応はない。竿下に魚の気配がしない。時間は9時を回り、大丹生のゴールデンタイムの10時になった。何事もなく時間が経過する中、10時20分頃にメール音がなる。がじろうさんからの返信だと思った。がじろうさんのメールがあったときはチャンスになることが多いので、穂先に集中する。しかし、がじろうさんの神通力もむなしく10分が経過した。「釣れん・・・」がじろうさんのメールを読むと「投げ釣りで爆釣」とあった。「牡蠣掃除を避けて沖の筏にいるので、投げる目標がありません!」とすぐにメールを打とうとした。その時、ふと目に入ったのは、真ん中の筏の前の筏で牡蠣掃除をしている光景だった。「この筏は投げる目標ないけど、真ん中の筏ならある。筏を代わるか。」かれこれ3時間ほど撒き餌をしたので、多少未練があったが、牡蠣掃除周辺の方がチヌがいる確率は高い。船頭さんに電話するとすぐ来てくれた。

 10時50分より真ん中の筏で釣りを開始した。直下で釣る気はないので、撒き餌はしない。いきなり遠投する。牡蠣掃除までの距離は8メートルほどか。思いっきり投げれば確実に届くが、船に放り込んではしゃれにならないので、慎重に投げた。

     

 船の手前2メートルほどに投げるとすぐにフグアタリがでた。「やっぱりいるところには魚がいる。」移動して正解だったと思った。筏の中間辺りでは反応がないので、できるだけ船の近くに投げた。細長いのを投げた時だった。2メートル手前に着水したのだが、そこから作業筏方向に向けて沈下していった。良いところに入ったと思っているとすぐに明確なアタリが出始めた。しっかり穂先が入ったところであわせると確かな手応え。結構必死でやり取りしたが、上がってきたのはそれほど大きくはなかった。でも、移動して30分で釣れてほっとした。

     

 アタリは連発しなかったが、やはり牡蠣掃除には寄っていると思った。その後、昼食を食べていると、12時10分頃牡蠣漁師さんも昼食のため陸に上がられた。船がいた場所に思い切って投げるチャンスだと思った。大きい牡蠣を選んで、魚が散る前に急いで投げる。ところが糸がひかかって餌だけ飛んでいった。すぐに次のを選んで投げた。良いところに着水した。今度のはあまり大きくない牡蠣であったので、沈むのに時間がかかると思って竿から目を離した。実は牡蠣で切った指からの出血が気になっていた。再び目を竿に戻す。まだスプールが回って糸が出ていた。もうそろそろ着底かなと思ったが、まだスプールからは糸が出ている。「勢いがいいな、軽い牡蠣やのに。」2,3秒後おかしいことに気がついた。「糸の出が早すぎる」スプールを指で押さえると一気に竿が引き込まれた。「食ってる。」あわすと衝撃でリールが空回した。「きた!でかいぞ。え!巻けない。」見ると糸がハンドルに絡んでいる。「うわ、はずさな。え、とれへん。」10秒ほど外そうとあがくが、魚が猛烈な強さでひっぱり絶対外せないとわかった。「大型間違いなしだけど諦めるしかない。」観念した。ねじを外して、スプールを取り、それからスプールを持ってハンドルのまわりを回して絡みをとった。魚をかけてから1分は経過していた。魚はやや浮きながら隣の筏に突っ込んだようだったがまだ手元に引きが伝わってくる。再び戦闘開始。しかし、少し巻くとロープにすれている感触が伝わってきた。「これは無理やな。切れるやろな。」ダメ元で魚の引きがダイレクトに感じるときにゆっくり巻いた。変な感触がしながらも徐々に巻ける。すると半分くらい巻いたところで、魚が前に出たようで、糸の角度が隣の筏から離れた。「もしかして外れた。そんなことあるんや。」その後もしばらくやり取りが続き、やがて海底から大きな魚の影が見えた。指の傷口が開いて手元が血まみれになったが、あまり経験のない釣れ方をしたのでスリルがあって面白かった。

    

 牡蠣漁師さんは13時頃にはまた戻って作業を開始された。ゴミをぶち撒いて欲しかったが、作業開始すぐにそれはなかった。私としては、ただ投げるしかなかった。すると13時10分、着底してしばらくするとコツとはっきりしたアタリがでた。チョンチョンと等間隔にアタリがでる。チヌと確信したので、いつあわせるかドキドキした。途中のタイミングでもかかるような気がしたが、確実なアタリを待った。「こい!・・・え?」アタリがなくなり、餌が切れてしまった。「うーーーん・・・」 残念だったが、まだチヌがいることがわかったので、前方の筏際に投げる集中力が上がった。そして10分後、またもアタリがでる。今度は早いタイミングで引き込んだので、アワセは迷わなかった。ずっしりした手応えとともに、強烈な引きが始まった。沖でかけているので、動作がどうしても大きくなる。短竿は沖から寄せてくる竿でないことがよくわかる。やがて3メートルほど沖で魚が浮いてきた。予想通り年無しを確信するサイズだった。無事すくったのは、きれいな魚体のチヌだった。

         

 周りを見渡すと、大丹生全体で6,7人の漁師さんが作業されていた。朝から吹いていた風も止み、温かい日差しが降り注いでいた。のどかな雰囲気だった。海の状況は時間の経過とともに、生命反応が消えていった。潮も動かず、池のようになった。筏代わりからの逆転劇だったので、「もういいかな」と思った。15時半に船頭さんが迎えに来てくれて陸に上がった。船着き場には犬のだいちゃんを連れたがじろうさんが待っていてくれた。30分ほど冬とは思えない強い日差しの中で話した。大ちゃんは臆病で人見知りらしいが、帰る時には側に来てくれた。16時、がじろうさんと別れて帰路についた。我が家の犬も臆病でよく吠えるのでだいちゃんと同じ。でも、似てはいるが会わせても、決して仲良くならないと思った。

       

釣果:3枚(51・50・40)