8月11日(水) 大丹生(曇り一時晴れ)
台風の余波が終わったが、12日からは雨模様。釣行を予定していた11日だけ、絶好の天気となったので大丹生のカセに乗ることにした。釣り場には5時半過ぎに到着し、しばらくして出船した。船頭さんからはイガイが落ち始めていると聞いていたが、大丹生は舞鶴湾の中では外洋に近く、水温も低いためまだ生き残っているものも多くいた。カセに着くとまずはイガイでやることにした。やり始めて20分ほどは何の反応もなかったが、6時15分頃、底から1メートル付近で、穂先がスゥーとお辞儀した。かかったと思ったが素バリを引いた。「えっ・・・、アタリじゃなかった・・・。」もう一度やってみると今度も同じように引き込まれた。「波のうねりじゃないし、アタリや。なぜ、かからない。チヌじゃないのか。」そして、今度は底まで落として押えるのを待ってあわせた。魚がかかって暴れてはいるが、手応えはあまりない。上がってきたのは33㎝のチヌだった。このサイズだとイガイが大きかったので、かかりが悪かったのかなと思った。とにかくアタリを出していたのはチヌなので、次を期待した。2枚目はその10分後だった。サイズが上がって38㎝だった。
更に3枚目は連発で32㎝。いくらでも釣れる勢いを感じたが、いつもここから伸びないので、丁寧に釣ろうと考えた。案の定、アタリがでない。次が釣れたのは15分ほど経過した6時50分、3分ほど放置した後にあたってきた。引きはそれほど強くなかったが、良型45㎝だった。やっと納得のサイズが釣れた。
時刻は7時10分になった。良型が釣れて20分ほどが経過していた。朝一の時合いは終わったが、潮も緩やかに流れ濁りも多少入り、2度目の時合いがあると思った。イガイで続ける方がかたいと感じたが、当日はイガイが落ちていると聞いていたので、団子を買ってきていた。私にとってイガイ釣りはそれほど面白い釣り方ではないので、団子を投入することにした。数個の団子を投入して、サナギコーンで投入するとすぐにアタリがでた。上がってきたのは良型チャリコだった。
しばらくして、同じような引きでこの度はチャリコと同サイズの26㎝のチヌが釣れた。団子釣りはサイズが小さくなる傾向があると、他の釣り場の情報にもあったが、サナギは大きいチヌも食うので、釣っていればサイズアップすると思った。ところがアタリがでない。8時になった。目の前を足に釣り糸が絡んだ1羽のカモメが横切り、背後の防波堤に下りた。釣り糸が絡み、自由のきかない足を上げて立っていた。前回に引き続き人災で苦しむ野生動物を見るのは辛かった。
何とか捕獲して、糸をとってやりたかったが、サナギでおびき寄せても上手くいかなかった。防波堤に上って試みたが難しい。それにたとえ網で押さえても、そこからも大暴れして一人では厳しい。せめてサナギをいっぱい食わせてやろうと思い、捕獲はやめた。防波堤に上がったついでに、外洋側をのぞいてみると、大量のチヌが防波堤際を泳いでいた。カセに戻って釣りを再開した。台風の影響で漂うプラスチックゴミをすくったり、他のカモメを避けて、片足カモメに上手く餌を投げたりしていると、アタリなく1時間が経過した。暇なので防波堤に登り、短竿で落とし込みをすることにした。流石に短竿だと近づくとチヌに気付かれた。そこで際を歩かずに、いそうな所に防波堤中央から落とすと、すぐに33㎝が釣れた。いくらでも釣れそうだったが、この釣りもあまり好きではないので止めた。団子釣りを続けた。
9時、やっとサナギにアタリが出て、31㎝。その10分後に28㎝が釣れ、団子への反応がよくなってきた。2度目の時合いに入った。すぐにまたかける。この魚は引きが強かったので、良型だと思ったが、後もう少しで、急に上昇してカセ下に潜られバレてしまった。この後、アタリがなくなってしまった。9時40分頃から再び、アタリが出だすが素バリを引く。2回ほど失敗した後、かけた。上がってきたのは丸太のようなでかいボラだった。「ボラか・・・。バラしたのもボラか。道理で変な走り方を最後にしたのか。」ここから大苦戦が始まった。私はハリス団子で釣るので、ボラが激しいとアタリの見分けが難しい。「ボラが来ればなんとやら。」と言うが、チヌアタリはでない。ただ、反応は常にあるので、退屈はしない。餌を代えたり、団子の別打ちで落とし込んだり、団子に包んでみたり、いろいろ試すがアタリは出なかった。
釣れない時間が3時間経過した12時頃から、ハリス団子投入直後にボラアタリより早く鋭いアタリが混じるようになり、12時10分にやっと9枚目のチヌが釣れた。そして、30分後の12時40分、10枚目のチヌが釣れた。昼からの2枚も小さかった。
しかし、その後はボラの活性がどんどん上がり、チヌアタリはでなくなった。2枚釣れたのだから、チヌはいるはずなのだが釣れない。ふと気がつくと、朝から他のカモメがどっかに行っても、私の側から離れなかった片足カモメがいなくなっていた。探すと岸にいる釣り人の側にいた。やがてこちらに飛んできた。みると魚をくわえている。もらったのか、落ちていたのを持ってきたのか、魚はハオコゼだった。何度もたたきつけて飲み込んでしまった。「大丈夫なのか?」心配になった。確かに釣り餌のサナギを大量に食べさせるのも心配だが、ハオコゼでは不安だった。
チヌアタリが出ずに焦ってきたのもあって、紛らわしいアタリを合わせるとことごとく丸太ボラだった。大丹生ではボラの活性が高いのに、チヌが釣れないことはよくある。そのパターンにはまっていると感じた。15時になると当日初めて表層に小アジの群れが現れた。更に魚の活性が上がり、夕方の時合いを感じさせたが、私にはやることが発生した。小針に代えて前回のオキアミの残りを付けて小アジ釣りだ。小アジを釣っては、片足カモメに与えた。5匹ほど投げて、チヌ釣りを再開した。しかし、状況変わらず、16時過ぎにボラを釣った時点で、諦めて納竿した。残ったサナギは当然カモメに全部投げた。
陸に上がるとがじろうさんが来てくれていた。当日はほとんどの時間が曇天で、さらに微風が吹いて過ごしやすかった。蝉がなくなか、涼しさを感じながら話していると、幼い頃の夏の夕方を思い出した。ぶらぶらと知らない街をゆっくりとした気持ちで歩きたくなった。そう言えば、数日前の連休を利用して、トシさんの住む木曽福島に行って渓流釣りをしてきた。谷と渓流魚の魅力を思い出した。
釣果:10枚(45・38・33×3・32・31×2・28・26)