8月12日(金)   大丹生(晴れ)

 大丹生が13日からお盆休みなるので、その前日に行くことにした。5時過ぎに釣り場に着いて渡船場でボーとしていると1台の車が到着した。なんと降りてこられた釣り人はまこちゃんだった。まこちゃんとはなぜかこんな日にという日によく釣り場で会う。行動パターンか思考回路が似ているのかもしれない。お互いの健闘を願って、まこちゃんは筏へ、私はカセに向かった。カセに着くとまず、団子を2個投入し、仕掛けを作った。当日は団子釣りをするつもりだったので、最初からサナギハリス団子で行くつもりだったが、カセにイガイがまだ残っていたので、第1投はイガイを落とし込んだ。アタリはない。人がほとんど乗っていないらしいので、当然の結果だった。上に大きく誘ってゆっくりもう一度落とした。すると穂先への負荷がなくなった。「あれ、底に着いた?いや、まだのはず。もしかしてくわえてる?」迷っているとすぐに穂先が今度は抑えられた。あわせた。「乗った!」いきなり35㎝強のチヌが釣れた。時刻はまだ5時半だった。

   
 
 こうなるともう何枚かはイガイでと思ってしまう。それから1時間ほどイガイで攻めるが、期待に反して一切アタリはない。何より底での魚の活性が全くない。やばい状況だと思った。イガイを諦めて団子釣りに切り替えたが反応はでない。このまま完封かと思ったが、7時半頃からサナギでガシラやアコウが釣れるようになった。外道でもサナギを食うなら活性があるのかもしれないという期待を持った。そして、8時40分、サナギに非常に小さいアタリが出始めた。私の経験からすると、もうおさえてくるタイミングでもまだ触っている。「たぶん、チヌじゃない。」そこに電話が鳴った。同じタイミングで少し、穂先が入ったのであわせた。予想を裏切る手応え。「あれでチヌやったんか。」40㎝弱が釣れた。電話の主は前々回に続き、幸運を呼ぶまこちゃんだった。

   

 大丹生のゴールデンタイムの9時を前にしての1枚なので、完封から一気に今日はいけるかもという思いが出てきた。そして結果的にいうと、この読みは当たっていた。非常によい日ではなかったとは思うが、楽しい釣りが展開できる日だった。まず10時台に1度目の時合いがあり、次に昼過ぎに2度目の短い時合いがあり、夕方に活性が上がりチャンスを迎える。まさしくそのパターンであった。それを3度のバラシで台無しにしてしまった。餌はコーン。アタリは3度とも小さかった。ハリス切れ、ハリス切れ、ハリはずれ、時刻は9時40分、10時50分、12時30分。特に2枚目、3枚目の引きは強烈で良型間違いなしであっただけに残念でたまらなかった。15時からはコーンがすぐにとられてしまうほどの活性になったが、もう体力が残っていなかったので、15時20分納竿した。バラシで群れの先頭を逃がすとこうなってしまうが、団子に反応があっただけでも次につながる釣りだった。

   

 ところで、先週の週末は木曽福島のトシさんのところに昨年に続いてお邪魔した。金曜日の14時頃に仕事を終え、木曽には19時頃に到着。次の日は8時頃出て、渓流釣り、食べるまで1時間コースのそば屋さん、それからまた少し釣りをして、お風呂。夕方は夕食がてら街を散歩。そして昨年感動したが写真を撮り忘れた木曽福島の駅前の数件の土産物店や旅館の裏側の写真を撮った。一件一件が迫力があり、千と千尋にでてくるひげじいの住んでる建物のモデルに私には見えた。夕食後の木曽は静かで涼しかった。

    
   (表からは普通の田舎の土産物店だが、裏から見ると・・・)


                

 日曜日は隣町まで川や道の駅に寄りながらドライブし、オムライスを食べて12時に帰路についた。3日間過ごしやすい天気だったが木曽では特別な気候ではなかったし、行った所は落ち着いた店や施設だったが、木曽では特別な場所に行ったわけでもないかもしれない。でもそれがすごく新鮮で楽しかった。思い返せば、トシさんとはネットでつながったチヌ釣り仲間だった。知り合って20年ほど経つが、そのトシさんと定年間近になって、木曽の渓流で竿を振っている。人生とは不思議なものだと思う。そう言えば、HPのティーカップの掲示板が終了した。トシさんを含め、20年間の多くの方との思い出の軌跡が消えてしまった。消えることはわかっていたので見返せばよかったかもしれない。でも思い出が多すぎるのでやめた。きっと寂しくなるから。人は振り返るより、前に進むようにできているのかもしれない。時代はユーチューブ。釣り情報のない時代に始めたHPだったが、もうその役割はない。ただ、時代遅れのHPにも時代遅れの良さがあると思ってもう少し続けてみようと思う。

釣果:2枚(39.5・36.5)