10月10日(月)   大丹生(曇り時々雨)

 天気予報は悪かったが、行くことにした。朝4時半に出発するが、道中は雨。風は大したことはないし天気は回復に向かうので、これ以上悪くはならないことだけが救いだった。釣り場に着くと船頭さんがすでに待機してくれていた。釣り客は私だけらしい。「申し訳ない。」船頭さんは水潮を心配されていたが、茶色く濁った海は釣れる気がする。天気も全然大丈夫。小屋付き筏に乗った。

 

 7時から釣り開始。まずはサナギ2個付けで落とし込んだ。あっという間になくなった。やはり凄い外道だ、カワハギの寝ている間にチヌを釣ろうと思ったが無理だと悟ったので、すぐに団子を投入。アイゴの群れが出現。ただ、やっていて気がついたが、アイゴは表層だけなので、あまり関係ない。底にはカワハギが相当いるが、5B2個付けでちょい投げするとたまに残ったりする。前回よりややましのように感じた。そうは言っても、落とし込みは通用しないし、団子からでるとすぐにやられる。3分から5分程度、団子に入れて、それから出すと即座にはやられない。ただ、朝は寄せる段階なので、1投に5分はかけられなかった。外道との不毛な戦いが2時間続いた。カワハギよりチヌが先に餌を見つけるとは到底思えなかったので、餌をなかなか出さない作戦に切り替えた。切り替えて、2,3投目だっただろうか、抜けてから微妙なアタリがでない。上手くカワハギをかわせたように感じた。「アタリはなかったようには見えたけど、カワハギにやっぱりやられたかの~」と半信半疑で穂先をみること1分。突然、穂先が突き刺さった。ほぼ向こうアワセで魚がかかった。バレないかと心配したが、上がってきたのは40オーバーのチヌだった。いい型が釣れてほっとした。9時10分だった。

  

 しかし、作戦が成功したのはこの1回で、その後は多少残ったとしても最終的にはカワハギにやられた。チヌの数が少ない気がした。今度は団子釣りにちょい投げを時々入れた。10時20分、ちょい投げで、糸を張りながら落下させると途中から小さなアタリがあり、着底後も小さなアタリが続いた。小さいながら押さえたように見えたのであわせると手応え。上がってきたのは36㎝。これまた偶然釣れたが型がましなので、あと何枚かこの型が釣れれば納得できるかなと思った。

 その後は11時にやはりちょい投げで30㎝。すぐに今度は落とし込んでみると29㎝が連発した。直下の落とし込みでカワハギより先にチヌがきたので、群れが来たと思ったが、その後はまたカワハギ地獄へ。何のアタリも出せずに時間が経過した。1時間が経過して、12時をまわった。午前中に4枚釣れたが、釣った感はあまりなかった。あの手この手で何とか拾ったという感じだった。昔、名人の書いた本を読んで、チヌはオキアミで外道をかわしながら釣るものだと教えられ、団子から抜ける一瞬の勝負をして疲れていた頃を思い出した。「オキアミじゃなくて、残る餌を使うべき」という答えにたどり着くのに、相当時間を要した。こういう状況なら丸貝を使うべきだが、丸貝はない。「なんか久しぶりに、本格的な団子釣りしてる。」そんな気がした。そう言えば、かかり釣りを始めた30年前はいっぱいカワハギがいた。

 13時になった。すると急に潮が飛び始めた。大丹生でこれだけ流れるのは珍しかった。餌を流したりして、しばらく釣っていると何となく体の小さいカワハギはこの流れだと大変のように思えた。さらに団子から抜けた餌がほぼ無傷で上がってきた。「もしかして外道が飛んだのでは!」とひらめき、ハリス団子でサナギを包まず落とすと着底後すぐにコンコングーと穂先が入った。30㎝中頃のチヌが釣れた。タイミングよくハリス団子に切り替えた判断が当たってちょっと嬉しかった。時刻は13時20分だった。

   

 そこからは完全な時合いとなった。もちろん、カワハギもいるがチヌアタリも同じくらい出始めた。型は大きくはないが楽しい。久しぶりに楽しい。粘っているうちに状況が変化して、最後にチヌを寄せて釣る。まさしく団子釣りの醍醐味。14時10分までの50分間に4枚追加して9枚となった。ところが二桁釣果を意識した途端、失敗を連発し始めた。更にボラが当たり出し、かけると超大型のため、大変。ボラを怖がるとなおさら失敗が増えた。いつでも釣れそうな状態のまま、1時間が経過した。しばし落ち着くために10分ほど休憩した。釣りを再開するがやはり釣れない。10枚目は釣れない気がしてきた。15時過ぎごろから、頭の上にカモメの幼鳥がやってきた。サナギをやった。すると他のカモメがやってきた。幼鳥は必死で小屋の屋根を死守しようと叫んでいた。

     

 頑張っている幼鳥に、サナギをまたやった。必死で食べていた。そして、餌を代えようと竿を上げると魚がかかった。結構な勢いで前方に走るので、ボラだと思った。適当に上げてくると前方で白い腹が見えた。「チヌや!」居食いしていたようだった。40オーバーの良型だった。カモメが10枚目を釣らしてくれたように思えた。

  

 竿下にはチヌがまだまだいただろうが、船頭さんが迎えにきたので、15時45分納竿した。がじろうさんに見せるため、久しぶりにチヌを船にのせた。陸に上がるとがじろうさんが来てくれていた。1枚だけ持ち帰り、チヌはすぐに放流した。その後、今日の釣りの話しをした。雨も上がり、気持ちのよい夕方だった。

    

釣果:10枚(42.5×2・36・34・33・32・31・30×2・29)