11月12日(土) 大丹生(晴れ)
今回はよい釣りができていないカセでリベンジしようと思った。流石によい季節なので、釣り場は人が多かった。ただ、カセのある一文字は3人しか乗られていなかったので、いつもと変わらない状況だった。まずはサナギで様子をみるが、カワハギにボロボロにされた。外道の活性は高いが、ある程度の時間なら、原型が残っているので、チヌの食うタイミングはあるように感じた。そのため、サナギで打ち返す正攻法の釣りにこだわったが、何の反応もないまま餌をボロボロにされるだけであった。コーンを付けると穂先にやや反応がでるが、外道に取られていることが、すぐにわかるだけでチヌに届く可能性はゼロに近かった。
変化しない穂先を見つめる時間が2時間した8時50分、サナギの2個付けをハリス団子で放り込んだ。もって2分かなと思って、放心していると突然穂先が突き刺さった。風が結構吹いていたので、前アタリを見逃したのかもしれないが、当日初めてのアタリがすさまじかった。辛うじて飛ばされかけた竿を押さえた。ずっしりとした重量感を感じた。カセでは大物をかけると圧倒的なパワーで引きずり込まれることがある(私はチヌじゃない気はしてるが、上げたことがない)が、この魚は強いがそこまでではなく、大きなチヌだと確信した。2回、3回と突っ込みを耐えた。おそらく3分の2は巻き上げ、とれるのではないかと思った次の瞬間、穂先が跳ねた。それほど強く引かれた瞬間ではなかったので、拍子抜けするハリ外れだったが、心底落胆した。外れた原因はもちろんたくさんあったが、それを反省するより気落ちが激しかった。
20分ほど、気持ちの整理にかかったが、そのうち悔しさは消えていった。年をとったからなのかもしれない。その後は、更なるアタリを求めてがんばったが、一切状況は好転しなかった。餌取りは活発なので、チヌが釣れる可能性はある。それなのに一切アタリがでないのは、精神的には厳しいものがあるが、毎回同じ状況なので、あきらめはしなかった。時刻が13時を過ぎ14時なったころにはたぶんボウズだとは思ったが、最終の16時までやる気ではいた。15時になると続々と釣り人が帰り始めた。15時20分、潮が強く流れていることに気がついた。前々回に強く流れた時によくなったので、チャンスかもしれないと期待したが、やはり反応もなくボロボロに2回ほどされた。15時40分、餌もちがよいサナギ2個掛けで、ハリス団子で放り込んだ。カワハギのサイズが小さいためか、1個より2個の方が穴は開けられるが、中身が残ることはわかっていた。着底後1分経った。微細な動きがなかったので、たぶんまだサナギの原型はあると思ったので、そのまま放置した。すると小さく穂先に反応がでた。竿を持って構えた。次の瞬間穂先が見事に入った。なぜ、その時集中していたのかわからないが、アワセのタイミングはバッチリであった。魚に先手をとられることなくアワセをしたが、ハリ外れはこわかった。早く上がってきて欲しいという気持ちでやりとりした。そして無事GET。「こんな時間にばかりに釣れるな」と思わず苦笑いしてしまった。でも、気分はとてもよかった。スカリを出す時間でもなかったので、魚はすぐに締めようかと思ったが、最後の最後で釣れてくれたので放流した。写真を撮ったりしているとこれが事実上のラスト1投になってしまった。「もうあと30分やりたかったな」と思って立ち上がると夕日が山に入っていくところだった。
釣れたからそう思うのかもしれないが、カワハギなど外道の多い状況で団子釣りをするのは難しいが面白い。釣れるとイガイや牡蠣での1枚より嬉しい。水温はまだ高かったので、まだやれる。早いうちにもう一度来たいと思って、大丹生を後にした。帰路、色付き始めた木々に夕日があたり綺麗だった。時間に余裕ができたら、写真を勉強したい。
釣果:1枚(42.5)