11月27日(日)   大丹生(晴れ)

 各地でオキアミでの釣果がでるようになったので、季節が進んだように思ったが、相変わらずサナギだけを黒鯛釣り具店で買って、大丹生に向かった。今回は4番に乗ることにした。まずはいつものようにサナギを落とし込んでみた。ボロボロにされることもなく、サナギが帰還した。2.3投するが、魚の反応がないので団子を打つことにした。ハリス団子で放り込むといきなり明確なアタリ。さっそく32㎝のチヌが釣れた。7時30分頃だった。

    
 
 いよいよ外道が減って、ハリス団子でチヌが釣れるようになったかと思った。だが次が続かない。「この1枚は前日の釣り人のお陰か。」打ち返してチヌを寄せようとした。ところが寄って来たのは外道。表層はアイゴに代わって木っ端グレがいる。そして底にはワッペンサイズのカワハギ。なんのことはない、今日も同じ展開となった。ワッペンカワハギとの第5戦が始まった。サナギがすぐに皮だけになる。2個掛けでも同じ。ひたすら団子の投入と餌の付け換えをする時間が経過した。ゴールデンタイムも何も感じること無く過ぎていった。潮が満ち潮に代わる昼頃からがよいと船頭さんが言うので、信じてがんばることにした。時刻は12時20分になった。少し外道が静かになった気がしたので、団子を別打ちして外道を引きつけ、その間に重いオモリでサナギを落とし込んだ。すると着底後しばらくして、よいアタリがでた。あわせるとしっかりとした重量感が伝わってきた。チヌだとは思ったが、重さの割に突っ込みはそれほど強くなかった。上がってきたのは良型のチヌだったが、下あごが腫れて変形していた。すぐに外してスカリに入れた。

    

 船頭さんのいう通りになった。ふだん私は潮が満ちるか引くかは気にしていない。だが、やっぱりそれも関係あるのだろうなと思った。ただこの1枚の後、連荘で当たることは無く、再びワッペンが猛威を振るい始めた。その上、怪我をしたチヌを見てテンションも下がった。怪我をしても頑張って生きようとしている姿を見るとかわいそうになる。スカリに入れたチヌが気になった。チヌは浮いて横になっていた。「このチヌを食べる気はない。スカリに入れたのは最後の釣果写真をとるため。」そう考えたとき、チヌが怪我をした原因がわかった気がした。「ストリンガーか・・・。口の中も赤く腫れていたし。」釣り人にぶら下げられているチヌが目に浮かんだ。防波堤でストリンガーを使うことは仕方ないと思う。でも海から上げて数枚を一度にぶら下げている光景は昔から好きではなかった。「さんざんぶら下げられてから、放流されたのか、おまえは」スカリに戻ってタオルで尻尾を掴み、少しでも弱らないうちに逃がすことにした。スカリからだし海につけていると、しばらくすると自分で私の手を振り払い、泳ぎ去った。チヌは真っ直ぐ下に潜っていった。当日は潮が澄んでいたので、チヌが良く見えた。少し潜っては止まり、浮いてしまうかと心配するとまた潜った。それを三度ほど繰り返し、チヌは海の底に戻っていった。なぜかその光景が鮮明に残った。何かを教えられた気もした。

 その後は、結局ワッペンを攻略できず、サッカーの試合もあったので、15時40分に納竿とした。第6回戦をしたいとは思うが、年内に来れるかは未定だし、次は流石にもうワッペンはいない気がする。放流について自分を見直すきっかけとなった釣行でもあった。

釣果:2枚(45・32)