7月16日(土) 大丹生(曇り時々晴れ)
我が家の小さな庭の隅には桃の木がある。種類は忘れてしまった。購入して2年ほどは植木鉢に植えていた。全く成長せず、80㎝ほどの単なる細い棒のままだった。転居を機に庭に直に植えた。棒が木になることは想像できなかった。だから、庭の隅に適当に植えた。すると棒の根元から別の新たな枝が生え、その枝がどんどん幹に成長した。そして直植えして5年後に始めて実をつけた。「桃栗3年」というから、随分成長が遅かったのかもしれない。その後、木が大きくなるとともに実の数も多くなったが、桃を収穫する難しさを思い知らされることになった。摘果をしっかりしないと大きくならなかった。袋掛けも最初は知らなかった。袋を掛けずに全滅した。次の年は袋を掛けたが、平気で虫は入ってきてやはり全滅。次の年は袋を早目にかぶせたがだめ。今度は農薬を1度散布したがやられた。8回目の挑戦となった昨年は農薬を代えた。やっと200個程袋掛けして、完品が20個ほどとれた。そして今年は、摘果を大胆に行い(もったいないが、欲張らないことが大事)、農薬の種類を代え、虫のタイミングを考えて3回撒き、さらに袋掛けの方法をより強固にした。その結果170個袋掛けして100個近くが収穫できた。売り物ではないので、完熟するまで待ってから収穫した。ところが時期を見誤ると、せっかく虫にやられなかったのに、まだあまり甘くなかったり、逆に完熟して落下し台無しになったりした。課題はまだまだあるので、またユーチューブで勉強しようと思う。でも、工夫が結果にあらわれるのは、我が家の桃の木がすごい木であることにつきる。園芸点の方によるとこんなに実をつける桃は珍しいという。4年前の暴風台風の時は根っこから抜けて飛びかけていた。幾多の試練を乗り越えてきた桃だから強いのかもしれない。
釣行日当日はできた桃を数個持って舞鶴に向かった。途中、舞鶴のコンビニでがじろうさんと待ち合わせた。5時前に落ち合って桃を渡し、その後釣り場に到着した。天気予報が悪かったため、釣り人は誰もいなかった。今回は前回の釣行から20日経過したので、大きくなったイガイで釣りができることを期待していた。ところがイガイはほとんど成長していなかった。イガイが採取できればカセに乗りたかったが、あきらめて4号筏に乗った。稚貝を撒いてから仕掛けをセットし、5時40分ころから釣りを開始した。イガイに反応がなかったので、すぐに巨イガイの両貝でやると一瞬でとられた。外道の活性は前回より遙かに活発であったので、チヌもいそうな感じがした。手頃なサイズのイガイはあまりないが、小さいのやら大きいのやらを適当に使った。釣り始めて1時間の間にイガイには3度の反応があった。2回は小さなアタリで、素バリを引いた。もう一度は引き込んだがこれも素バリ。イガイのサイズも小さかったのでチヌアタリだという確信は持てなかった。反応はあるのだが、6時半を回る頃には釣れる気がしなくなってきていた。「カセに代えてもらおうか。」などと考えていた7時、着底後すぐに小さな連続アタリが出始めた。少し待ってやや押さえたところであわせた。竿に重みを感じ、その後の何度かの引き込みをいなす。チヌに間違いなかった。久しぶりの引きに緊張しながらも、取り込んだのは40㎝オーバーだった。うれしかった。写真を撮って、すぐにイガイを落とすと着底直後にあたってきた。今度は38㎝をGET。連発した。
次の一投は落下中より触ってきた。雰囲気が一変していた。群れがおり、イレパク状態になったのがわかった。不思議なもので、こういう状態になるとうれしいというより、釣りと言うより漁に近くなるので、やや気後れしてしまう。頭ではこういう状態の時に何枚釣るかがチヌ釣りであることは理解しているが、集中力が落ちてしまう。そのためかバラシを連発し、追加できずに8時に時合いが終了してしまった。いつもの朝一の時合いなのか、活性がよく、また9時半頃から時合いが始まるのか、後者であることを願って根気よく釣りを続けたが反応はなかった。両貝でやると定番のシマイサキが釣れるが、外道の活性も落ちていた。10時半を回っても1度のアタリもでなかった。もう午前中に時合いはない。、午後からを期待するしかないなと思っていると、船頭さんが見回りにこられた。アタリがないことを告げると、筏を変わることを提案された。前回も代わっているし、釣れた筏を乗り換えた記憶はないが、せっかくなのでまたもや動くことにした。実は10メートルほど離れた裏側の筏で、牡蠣作業を8時頃からずっとされていた。牡蠣作業は釣りの天敵の常識があるので、影響はないのかもしれないが、気になっていた。
小屋付き筏に移動したのは10時40分だった。場所のせいなら、釣り始めて1時間くらいで結果がでるだろうと考え、12時くらいまでは集中してやろうと思った。やはりこちらでもイガイにはアタリがでない。両貝には反応があり、餌がもたない。アタリのでないイガイで粘ったが、何も無く12時になってしまった。ご飯を食べた。何時までやるか考えた。雷が鳴り始めていたが、雨が降るのは16時頃の予報だった。12時半、まこちゃんから電話があった。状況などを話していると放置していた穂先に4時間半ぶりに反応がでた。アタリは連続し、やや押さえたので電話しながらあわせた。「ごめん、チヌがかかった!」というイメージが頭に浮かんでいたが、変な手応えがあっただけで魚はかからなかった。右手で巻き上げるとハリスがざらざらになって切れていた。おそらく放置している間にハリスが蠣殻に絡んで合わせ切れしたのだと思った。それから2分ほど、まこちゃんと話した。まこちゃんは電話の切り際に「がじろうさんの電話のように、この電話が幸運の電話になったらいいですね。」と話された。4時間半ぶりにアタリがでたのだから、もうすでに幸運の電話になったと思った。そして、再開後の1投目、着底とともにアタリが出始めた。「まさか・・・」あわせるとのった。重量感はあるが、それほどは強くないが、チヌであることは間違いなかった。上がってきたのは、思っていたよりは良型だった。「本当に幸運の電話になった。こんなことあるんやな。」と思った。
この1枚を皮切りに時合いに突入するかと思ったが、納竿の2時まで1度のアタリもでなかった。本当に不思議な1枚となった。当日の釣果は、満足できるものではなかったが、3枚釣れれば納得するべきだとは思った。釣果の写真を撮るために、筏に何度も海水を撒いた。この時期はあっという間にチヌが弱ってしまうので、速攻で引き上げ、速攻で放流した。久しぶりなので、1枚良型を持ち帰ろうと思ったが、40UPの2枚は産卵から回復していない痩せたチヌだったので、一番小さなチヌを持ち帰った。イガイの状態といい、チヌのコンディションといい、季節が1ヶ月遅れているように感じた。陸に上がるとがじろうさんが来てくれていた。まだ、雨も降らず、曇天で、よい気候であったが、疲労困憊していた。がじろうさんに挨拶をして、帰路についた。がじろうさんの裏山でクワガタ探しでもしたかったが、また今度にしようと思った。
釣果:3枚(47.5・42.5・38)