8月23日(水)   大丹生(晴れ)

 天気の良くない日に行きたかったが、この夏はそんな日がない。台風で雨は降ったが、それまでは日照り。台風後も灼熱。私の住んでいる地域では、若い街路樹が枯れている光景を見かける。前の家や店の人が水をあげて欲しかったけど・・・。

 当日は3時20分に起床し、釣り場には5時半頃到着した。船頭さんが来られて出船。筏でも釣果は出ているが、カセに乗ることにした。最近は誰も乗っていないらしかったが、カセが好きなので気にしなかった。カセに乗って船縁を見ると、イガイが多少付いていたので、まずはイガイでやってみることにした。小粒を撒いて、仕掛けをセットし、6時頃より釣りを開始した。第1投を落とし込む。すると着底後すぐに小さなアタリが出始め、穂先がおさえられた。あわせるが手応えはなかった。「なぜ、かからなかった。あのくらい押さえたらかかることが多いけど。早かったのか。もしかしたらあそこからまだ入ったのかも。」チヌアタリに思えたので、チヌかどうかはっきりさせようと次はやや大きめのイガイを落とし込んだ。着底すると今度もすぐに触ってきた。穂先に神経を集中させる間もなく、すごい勢いで穂先が突き刺さった。穂先を押さえるというより、重量が竿の胴の部分に乗ってきた。相当でかいのがかかったのは、すぐにわかった。糸を出したら障害物だらけなので、まずとれないと思って耐えた。魚を底から切ることができない。ここでばらすと魚も間違いなく散る。朝一から最大の勝負が来たと思った。何とか徐々に巻き上げてくる。数メートルくらいは巻き上げたが、とにかく強い引きからして、まだまだ魚には体力があることは想像できた。「あがるだろうか?」そう思ったとき、魚が一瞬重くなると同時に糸が切れた。多分、橋脚のどこかに触れたのであろう。「あ~、何でこうなるかな~」当然アタリはなくなった。朝一から年無しを釣り、更に連チャンモードに突入する機会を逃したことが、あまりに残念だった。ショックを引きずりながら釣り続けた。イガイに3度目のアタリが出たのは6時30分だった。着底後しばらく放置したイガイに触ってきた。しつこく触るので、チヌだと思っているとこれまた大きなアタリで穂先が入った。今度も先ほどではないが、結構引く。これをばらしたら、大きなダメージになるので、祈る思いで巻き、無事取り込んだ。サイズは44㎝の良型だった。しかし、その後はアタリなし。散った残りの1枚が幸運にも釣れたパターンだった。

     


 7時になった。背後の防波堤に上がって少し歩いみると、10メートルほどの距離で捕食中のチヌが7,8枚見られた。どれもこれもでかい。「いっぱいおるな~。」カセに戻った。イガイを探して、イガイ釣りもできないことはないと思った。浮きチヌを見ても、イガイを食ってるだろうし、根気よくやれば、潮が悪くなければ、必ず釣れると思った。しかし、当日は珍しく団子は大を買ってきた。「う~ん、大丹生の時合いは9時半から10時頃やし、そこまでイガイでやったら、団子は11時からか・・・。」イガイはやめて団子釣りに切り替えることにした。ところが団子を投入して1時間経過してもサナギにアタリはない。コーンもほぼ残る。だめな日にあたったか不安になった。しかし、8時半頃より、サナギがかじられるようになった。チヌじゃなくてもサナギがかじられる日はチヌは釣れる。しかも8時半は朝一ではないので、潮が悪いという不安は消えた。そして、2枚目は9時に釣れた。型は31㎝だったが、よいアタリであった。15分後にはサナギの2個掛けで35㎝。この2枚で団子釣りを楽しめる日になると思った。

     
  
 9時半頃からは団子にボラのアタリが出始めた。大丹生ではあまりないが、典型的なチヌ釣りの状況である。穂先は頻繁に動くが、押さえるアタリがでない。追加できないで1時間強が経過した10時半、餌をコーンに変えると26㎝が釣れた。「こんなのがいるのか。餌取りみたいなアタリもこいつかな。」食い込みはよいので、勝負は早いけど、このサイズではと思ったので、サナギでやることにした。11時、着底後すぐに穂先が刺さって30㎝、11時20分にも同型を追加した。しかしこの1枚を最後になかなか追加できないで時間が経過した。

 12時からは強い風が吹き始め、安物パラソルは抵抗できなくなり、12時半にパラソルをかたづけた。太陽は出ているので暑いが体力がもたなくなったらやめるつもりだった。ボラの活性は落ちることなく、海の状況はよいが釣れない。なぜ釣れないのか疑問に思った。私はよっぽどでないと餌は団子に入れない。だから、団子にボラあたりがあると、餌へのアタリと判別が難しくなる。ただ当日は短時間でボラが団子が割るので、見極めやすかった。なぜ刺し餌を食わないのかを考えると思いつくことがあった。それは刺し餌によく透明の海藻が付いて上がってきたことだった。「釣り座の下に海藻が生えて、団子は大きいので見えるが、刺し餌は海藻に入って魚が見つけられないのか。」カセは長年同じ場所にあるので、釣り人の落下物など底荒れしている。そこに海藻が付くことは十分考えられる。そこで、5Bを二つ付け、サナギを遠投した。するとすぐに大きなアタリで32㎝が釣れた。それからは団子を付けたままちょい投げして、同型を3連発した。「もっと早く気がつけばよかった・・・。」

 30分ほど釣れない時間があったが、14時過ぎから同型が2枚釣れた。サナギは大きいのから小さいのまで釣れる餌だと私は思っているが、計ったように30㎝前半のチヌばかりなので、今度はイガイでやってみると、またもや同じサイズ。次のイガイへのアタリは途中でばらしたが、手応えは同じであった。「餌の問題ではなく、このサイズが寄っているのか。」団子釣りをしたかったので、十分アタリを楽しめたが、数を釣って満足するタイプではないので大物が混じらないとドキドキ感がない。集中力が落ちたせいか、我慢できなくなって適当にあわし、最後はボラを2連発して、15時半納竿した。パラソル無しで後半はがんばったが、灼熱の中での釣りは多分これが最後だと思う。季節の良い時期はなかなか釣りに行けないが、チヌはたくさんいるので、天気と釣りの両方楽しめる時間に次はしたいと思う。

   

釣果:13枚(44・35・33~30×10・26)