8月4日(金)   山弘(晴れ)

 今シーズン2度目の山弘渡船さんに行くことにした。目標は団子でよい釣りをする。特にサナギで待って釣果を出すことであった。5時半に私一人を乗せて出船した。前日は釣り人はおらず、その前の日は1号で6枚釣れたらしかったが、前回と同じ2号にした。少し窮屈ではあるが、隣の筏に向かって釣り座を構えた。

      

 団子を2,3個打ってから釣りを開始した。まずはオキアミでやるが、さすがにすぐに取られた。次はコーン3粒刺し。着底したがアタリはない。しばらくして上に誘った。すると着底後何かが触ってきた。アタリはコンコンという明確なものではなく、ビチビチというか、冬場のハオコゼのような小さなアタリであったが継続的であったので、アワセのタイミングをはかってあわせてみた。すると重量感がある。「お!いきなりチヌや!」上がってきたのは43㎝、よいスタートとなった。ただ、1枚目の後は写真を撮ったり、スカリを出したり、時間がかかる。夏場は写真一つも板を濡らして撮らないと魚のダメージもある。釣り座の後ろでごちゃごちゃしていると、ボチャンと何かが海に落ちた。ビックリして海を見るとペットボトルだった。釣り座の向きが悪いと座ったままではできないことが多いので、気を付けようと思った。

    

 釣り座に戻って、ハリを付け替えた。「朝からチヌが寄っているかも。」と考えた。するとボチャンとまた音がした。釣り座の右を見ると、何と竿が海に落ちている。一瞬固まった。何かが違う。次の瞬間、竿をすくわないといけないと判断し、タモを持つが時既に遅し。竿は沈んでいった。茫然とした。「尻手ロープは?」見るとマジックテープのところが緩んでいる。ごちゃごちゃしているうちに抜けてしまい、尻手ロープのついていない状態になっており、その状態で更に腕でもあたり落下したのだとわかった。「何と言うことや・・・どうしよう、予備の竿はあったし、それを使うか。リール買ったばかりやのに。」やっと我に返り始めて、気がついた。左手の親指と人差し指が何かを掴んでいる。それは結んだハリだった。「うん?ハリ?」ハリは糸がつながっている。「うん?そうや、この糸を引っ張ればその先に竿がある!」そして、竿の回収に成功した。あのパニック状態の中、なぜハリをずっと掴んでいたのかはわからない。「ラッキーやった。」

 流石に竿を落下させるとアタリは連発することはなかった。でも、魚はいるので根気よくやればまた寄ってくると思った。7時くらいになった。背後でジャアーというスコールが近づいてくるような音が聞こえ始めた。振り向くと横幅30メートルくらいの白波が音をたてながら寄ってくる。「大きな船が通ったのか。白波が見えるということはやばいかも。」筏の上に水が上がるかもしれないと思って、荷物を押さえて身構えた。するとその波は、20メートルくらい先で消えた。波と思ったのは何かに追われた小魚の群れだった。「凄い大きな群れ。初めて見た・・・。サワラかハマチか。こないだ買ったルアー投げればよかった。」そして次にチヌが釣れたのは8時15分であった。餌はコーン、サイズは40㎝強。型も揃っているし、よい時間に再び釣れたので、ここからだと思った。

    

 しかし、一気に時合い突入という感じではなく、直後の1・2投は気配があったが、また無言になった。1時間後の9時20分、突然の大きなアタリで魚をかけた。上がってきたのは小型だったが、チヌだった。数釣りモード突入かと思ったが、やはり続かない。30分に1回くらいはサナギやコーンに反応はでるがかからない。釣れそうで釣れない状況が続いた。天気は晴れて灼熱地獄、ただ風は吹いているので暑さは多少はまし。しかし山弘筏はその風が強過ぎる。パラソルが心配になる。

 やっとサナギへの突然のアタリをとらえたのは12時20分だった。大きなアタリを出すのは、よくチャリコなど小型の魚だったりするので、サイズは期待してなかったが、すぐに強く引きだした。年無しクラスだと思った。とれないかもしれないという不安が起こったが、魚が前方に出たので、ついていると思った。徐々に上がってくる。「これはとれる。大きさは!」と期待した瞬間、魚が動かなくなった。なぜだかわからなかった。「中層に障害物?」と思ったが、よく考えると前方の筏との距離が近い。どうも前方の筏のロープにかかったようだった。油断した。あと一歩だったが、びくともしない。糸を引いて切ろうかと思ったが、魚がついているので、こちらから切る必要はないので、糸を緩めて待つことにした。期待せず穂先を見ていると1分ほどすると魚の引きが穂先にあらわれた。巻いてみると巻ける。どうも糸が外れたようだった。「ラッキー」そして、すぐに良型が見えた。傷付いたハリスが切れないか心配だったが、無事GETした。年無しではないが、綺麗なチヌだった。

    

 13時頃からは、何度かアタリが出て、いよいよ釣れ始めるかと思ったが、よいアタリはでない。そして、時刻は14時半になったので、片付けを始め、15時に納竿した。当日は釣れた以外にも10回くらいはアタリがあった。おそらく、スレアタリやチヌじゃないのもあったとは思う。でも、かけられそうなアタリがこのくらいあり、40㎝台を含んで4枚釣ればかかり釣りとしては満足すべきだと思った。しかし、釣っている最中も、納竿後もあまり満足感がなかった。なぜだか考えた。答えにすぐに気がついた。「暑すぎる。」釣っているときも、常に水分補給を考えてしまう。体力がないとは思っていないが、逆にそれが仇となってしまうかもしれない。筏の上で熱中症になったら、誰も助けてくれない。ここまで暑いと不安がつきまとう。「釣りに集中できないし、楽しめない。」帰路の車中で決めた。「もう晴れの日はいかない。行くなら天気の悪い日にしよう」と。

     

釣果:4枚(47・43・40.5・28)