6月15日(土) 大丹生(晴れ)
朝、黒鯛釣具店に寄った。マスターにお会いすることはもうないとわかっているが、マスターのつくられたお店だし、応援はしたい。だから、できればこれからも黒鯛釣具店で餌は買う。ただ、私にとっての黒鯛釣具店はマスターと勝部さんだった。餌を買って店をでるときのちょっとした会話が記憶に残る。寂しい。寂しすぎる。私の釣りを支えてきたのは、釣果でも技術でもなく、人だったことがあらためてわかる。
大丹生に着き、カセにのる。最初は小粒のイガイで1時間半ほどやるが、アタリはでなかった。その後、団子釣りに切り替えると、オキアミで根魚やフグが釣れるが、魚影は薄い。まだ6月だから仕方ない。あと半月もすれば状況もかわり釣れるだろうけど。最近は1枚を意地でも釣ろうとする粘りに欠ける。今シーズン最短かもしれないが、13時過ぎに納竿した。本当はもっと早くやめてもよかった。長年やるとダメな日はすぐにわかる。萎えた気持ちを支えてくれたのは、背後の防波堤にいたカモメだった。見てすぐにわかった。右足の先がないのが。釣り人の捨てたテグスが絡んで、腐った落ちたのだろう。餌のサナギを投げた。他のカモメが来ると大きな声で縄張りを主張した。「大丈夫、君にしかあげないから。君だけがずっと私の後ろで待ってたんだから。」しかし、納竿時はそうも行かず、残り餌をぶち撒いたら、鳥山ができてしまった。「がんばれよ、カモメ君。元気でな。」
釣果:また今度。