10月11日(火)    大丹生 (曇り)  小潮

 平日に休みをとれる日はもう12月までない。一昨日行ったばっかりだが、大丹生に出撃することにした。自宅を3時40分頃出て、途中、団子(大)、丸貝、サナギ、氷を購入。合計3750円。大丹生には5時40分頃到着。ちょうど、釣り人を一人のせて、おじさんが筏に出て行くところだった。薄暗い中、渡船場でおじさんが帰ってくるのを待っていると、戻ってきたおじさんが私の姿を発見して「あんたも、すきやのお〜。」と言った。「ほんまやね。」と思いながら、笑った。おじさんはカセをすすめてくれた。実は今回は、前回乗った筏に乗ることしか考えてなかった。前回の筏に乗ってのイメージだけ考えてきた。ところが先に出船された方が乗られたのことだった。「あっちゃ〜、誰もいないと思って決め打ちしすぎた。計算外だけど、仕方ない。」カセにのることは全く考えてなかったので、他の筏にしようかと思ったが、おじさんがすすめてくれるのでカセに乗ることにした。

 大丹生のカセは防波堤に近く、防波堤に釣り人がいると落ち着かないが、今日はその心配はなさそうだった。水深は5メートルほどしかない。「ここは久美浜か、まあ久美浜も好きやしいいけど。」筏同様、餌取りは活発だが丸貝は小さくてもさわらない。サナギは一瞬だけど。7時頃には早くもボラが登場。筏ではここ2ヶ月ほど見たことがなかったが、だいぶ状況が違うようだった。団子をつついて割ってくる。理想的な展開だ。しかし、団子が割れた後、チヌアタリはでない。そのうちチヌも来るだろうと思い、手返しを続けるがボラの活性は上がるがアタリはない。白杉での展開が頭をよぎった。時刻は9時になった。「今日は筏で二桁釣ろうと思ってやってきた。せめて筏で釣りをしたい。場所かわろうか。いやいやせっかく朝から餌を撒いたし、ここにのったのも一つの流れ。このままがんばるか。」非常に迷った。「大丹生でボラが寄って、釣れなかったことはない。このままがんばる。」と迷いを吹っ切ったのは10時だった。「しかし、あたらんの〜。なんでや。チヌおると思うけど。」ボラの周りにいるかもと思い、ちょい投げしたりするがダメ。11時頃、カセの反対を向いて丸貝を落とし込んでみた。着底後しばらくしてかすかなアタリ。筏と違い大きな丸貝には、今までさわってこなかったのであわせてみた。「お!かかった!やっぱりおったんや、チヌが!」上がってきたのはまあまあの型のチヌだった。満足。この1枚で朝からの迷いも完全に吹っ切れて落ち着いた。「ようし、行くでー。」しかし、やっぱりアタリは単発で、同じ事をしても追加することはできなかった。アタリのない時間が過ぎていく。

 ボラが団子を割る状況はずっと続いたが、いつまでたってもチヌの気配はない。当日は曇っていたため、3時を過ぎると薄暗くなってきた。風も吹いており、なんとなく寂しい感じがする。でも夕方に期待して釣りを続ける。4時頃になると小さい丸貝が何の反応もなく、なくなることが増えた。「おかしいな〜。チヌやったら穂先に何か反応あると思うけど。」丸貝がなくなるので、どんどん貝のサイズを大きくした。端っこをかまれた丸貝が上がってくるようになった。「やっぱり犯人は外道か。」チヌにアピールするため、大丸貝を落とし込むが勢いを増した外道の餌食。「なんたる外道ども。」活性があがったのは外道だけだった。「落とし込みはあかん。団子に大丸貝を包むか。」4時45分、大きめの丸貝を団子に包んで投入。ボラが団子を突き、割れて一瞬して穂先がクッとお辞儀した。即あわせ。「きた!”チヌや。いい型や!」2度あわせを入れようかと迷ったが、タイミングはあっていたようだったので止めて、やり取りに集中した。カセはロープにやられる心配はない。半分くらい巻いたであろうか、魚が突っ込んで耐えている時に穂先がはねた・・・。「また針がはずれた・・・。」心の中が静まり返った。夕方までの粘りが無に帰した瞬間だった。その後それらしきアタリはでなかったので、5時半納竿とした。

 最初に釣ったチヌは団子に寄ってきたチヌだと思ったが、腹の中からはイガイしか出てこなかった。うろうろしていたら、たまたま目の前に貝が落ちてきたのかもしれない。寄せて掛けたのは夕方の1枚だけだったようだ。そう考えると、午前中から昼にかけては、足元に団子を打ちながらもっと遠投に時間をかけて、防波堤近く等を探ればよかったと反省した。深場での遠投はあんまり効果を感じないが、カセは浅場なので広範囲を探ろうと思えばできたと思う。結局、ボラが団子を割った後、スーと穂先の入るイメージを払いきれなかったのが敗因かもしれない。

 ここのところずっと同じような釣りが続き、帰り道は流石に疲れた。あまりのアタリの少なさとバラシの多さ。しばらく釣りは休もうと思った。しかし、家で一休みすると「あんな風にすればよかった。こうすればよかったかも。」といろいろ思い浮かんでくる。大量に釣れたときはあんまり浮かばないのに。10月後半になって寒くなれば、また状況も変わってしまうだろう。釣りは奧が深いしおもしろい。状況に応じた釣りができるようになるには、まだまだ修行が足りない。


釣果:1枚(36p)