12月4日(日)    大丹生(晴れ後曇り一時雨)  中潮

 金曜日の夜、仕事が一段落したので、土日に釣行しようと思ったが、あいにく寒波が近づいていた。土曜日は一日雨の予報、しかも風がありそうだったので、日曜日にした。ところが土曜日の夕方になると予報がかわり、西からの強風、波は3メートル後6メートル、しかも昼からは雨。土曜日以下だ。「最悪・・・。」釣りはあきらめるべき予報だったが、どうしても行きたい。とりあえず西田渡船に今日の海の状況だけでも、聞いてみようと連絡してみた。やはり結構厳しい状況だったようだ。「天気見て来たらよい。」とおじさんは言っていた。「そうやな〜、釣りする天気じゃなかったやろな・・・。」「ところで今日は誰かきはったん?」誰も来てないと思ったが、一人来られたそうだ。さらにボケで1枚あげられたらしい。「ほーー、すごい人がいるもんや。あの予報で釣りしたんや。」なんだか、勇気がわいてきた。「よし、行くか!」悲惨な目に遭った後、昼で撤退覚悟で出撃することにした。「ボケで釣れたんか〜。」いつ釣れたのかは、おじさんは言っていなかったので、きっと夕方に釣られたのだろうと、勝手に予想した。「外道は少ないんや。冬の状態やな。」と思った。(実は土曜日の釣り人は徹さんで、せっかくすぐに掲示板に書き込んでくれていたのだが見てなかった)

 午前4時半自宅を出発。途中、団子(中)、ボケ10、シラサ1杯、サナギを購入。合計3300円。どうせ、長いことはできないだろうと思って、餌をけちった。ほんとは団子も小にしようか迷ったほどだった。綾部ではすでに小雨が降っていた。舞鶴市内で牛丼を食べ、大丹生に向かった。どうせ昼までで撤退と思い、昼飯は買わなかった。ところが大丹生に到着すると雨はやみ、海は意外と静かっだった。「ラッキーーー!!これなら朝だけでも釣りが出来る。」他にも防波堤に2人、筏に2人組がおられた。おじさんが上げてくれたのは、沖の一番千歳より筏だった。避難箱がない。今日は風が吹くのは間違いなかったので、避難箱がある筏がよかったが、おじさんの上げてくれた筏でやることにしているのであがった。わざわざ避難箱なしの筏にあげてくれたんだから、おそらく前日唯一の釣り人が上がられた筏だろうと思った。今日は朝一勝負と思っていたので、団子は撒かず、仕掛けの準備。強風に備え、短くてかたい竿にした。1.35で、第一関節が折れた竿だ。まずはボケハリス団子投入。しばらくして上げるとボケがない。「外道がもういるのか?おらんと思ったけど・・・」次はボケを落とし込んだ。置き竿にして見ていると着底とともにコンとさわったが、「僕は外道です。」と言わんばかりの軽いアタリだった。2秒ぐらい後、突然穂先が突き刺さった。「うおおお。」あわてて竿をとり、あわせた。「かかった!」すかさず2度あわせをいれた。結構強い。魚はやや前方に走ったので、筏下に潜られそうな感じはなかったが、ハリはずれがこわかった。2度あわせを入れたとは言え、完全に後手をふんだ。ほとんど向こうあわせの状態。こういう時はよくはずれる。「頼むし、はずれんといて。」祈りながらまいた。魚体が見えた時はうれしかった。無事すくう。「よっしゃ!久しぶりの40オーバーの良型や。」ツキのみで釣った1枚だったが、ついてない釣りばっかりだったので逆に余計うれしかった。すぐにボケハリス団子。ボケ落とし込み。ボケ。ボケ。4匹連続討ち死。「はあ〜」シラサ、サナギも撃沈。「あっという間に外道の嵐だー。」カワハギとフグが集結しているようだ。全然勝負にならない状態が続く。サナギですら皮のみか全くなくなってしまう。こんなに外道がいるとは予想しなかったので、丸貝をけちってしまったことを後悔した。仕方ないので、イガイをむしって付けるが流石にこれには何のアタリもない。釣れる気もしない。大量の外道の中で、柔らかい餌で打ち返すのはあまり好きではないが、天気は予報を大きくはずし、晴れていたのでがんばった。


 
 長浜では、外道の活性は時間の経過とともに落ちたので、今回もそうなるだろうと思っていたが9時になっても10時になっても衰えなかった。そして10時半頃からはとうとう風が吹いてきた。時々晴れ間がのぞく状態だったので、まだ寒さには耐えられたがそれにしても強い。立ってられないくらいだ。11時、道具箱は飛ばされないように気をつけていたが、すごい突風が吹き、次の瞬間、タライが5メートルほど先に吹っ飛んだ。「あ〜あ・・・」タライの中には、手洗いバケツ、貝割り器、竿受け、餌のサナギが入っている。しばし茫然。着水したときに水がタライの中に入ったようで傾いている。徐々に浸水している。まるでタイタニック号をみているようだ。おじさんに電話した。「HELP!」しかし、おじさんの緊急救援も間に合わず、タイタニック号はとうとう裏向きになってしまい、高価なものは海中に沈んでしまったようだ。「ジャッーーーク」と聞こえてきそうだった。タライと手洗いバケツはおじさんがすくってくれたが。特に釣りに関して痛かったのは、団子の箱に入れていた10個ほどを除いてサナギを失ったことだった。残った餌はシラサと前回の残りの腐りかけのオキアミとサナギ10個だった。「まあ、仕方ない・・・。」

 風は2時前には止んだ。外道は活発のまま。腹が減ったが食うものはない。空は曇っていたが釣りはまだできる状態だった。3時過ぎ、最後のサナギ。どうせなくなるので、ハリス団子で投げ込んだ。しばらくして回収すると、今日初めて原型をとどめてあがってきた。「うん?なぜ?」しかし、あまり考える間もなく、雨が降ってきた。ただ、風がないのでまだ耐えられる。3時15分、シラサが団子より抜ける。残っているようだ。小さいアタリであわせると重い。上がってきたのは30センチオーバーのカレイ。「ほーーー、シラサがカレイに届いた。外道が減ったのか?」その後もシラサがすぐにはやられなくなっているように感じた。3時半、団子から抜けたシラサに、クッと穂先がお辞儀するアタリがでた。今日初めてのあわせられるアタリだった。「うん・・・、フグ?それとも・・・。」その5分後、おじさんが迎えに来た。タライを拾ってもらった時に「雨降ったら止めるから。」と私が言ったからだ。だが、寒さは耐えられるほどだったし、がじろうさんには4時で止めると言っていたので、おじさんに謝って4時までやることにする。状況が変化したように感じるが、確信するにはいたらないまま時間が経過した。後かたづけをしながら、釣り続行。4時、船着き場にはがじろうさんの車が見える。シラサはもつようになっていたが、チヌアタリはでなかった。最後に1投。団子から抜けても、やっぱり残っている。しばらくすると細かいアタリ。今までと違う所は、軽いアタリが連続して続いたことだった。特にこれといったアタリはでなかったが、時間がなのであわせた。「かかった!なんや?チヌや、チヌがかかった!!」上がっていたのは30p中ごろのいいチヌだった。「やった。時合いか。」おじさんが2度目のお迎えに来られた。「どうしよ・・・。筏下に群れがいるような気がする。でも、がじろうさんが迎えに来てくれているし。おじさんも来たし・・・。うーーん」「おじさん、ごめん。今釣れてん。あと30分やらして。絶対4時半にやめるし。船着き場の友達にもごめんて言ってくれる。」おじさんは「チヌの群れがきたんかもな〜。いいよ。」と言って戻っていった。がじろうさんからも「気の済むまでやってください。待ってますから。」と電話。迷惑をかけながら、あきらめられない私は4時10分釣り再開。団子に包んでシラサ投入。似たようなアタリがでるが、かからない。今度はシラサの落とし込み。細かいアタリ。ちょっと押さえ気味に感じた時にあわせた。のった。先ほどよりサイズダウンしたが、チヌだった。ところがこのチヌにかかったハリがとれない。ハリを切って結び換え、再び団子投入。今度は団子アタリがでている。急いで団子からシラサを抜くが、アタリがでない。時間がないので、誘うと押さえた。「スカ・・・。くそ」その後2,3投したが、チヌか外道かわからないアタリでなくなった。4時半過ぎ、おじさん3度目の登場。がじろうさんの待つ船着き場に向かった。写真を撮った後、おまけで釣れた3枚目は逃がしてやった。
 

 陸にあがるとおじさんが漁師の休憩部屋で、ストーブをたいていてくれた。初めて入った部屋だったが、とっても居心地のよい場所だった。そこで、がじろうさんの買ってきてくれたコーヒーを飲みながらひとしきり今日の釣りの話をした。がじろうさんは時合いなのに、途中で私が止めたことを気遣ってくれたが、そんなことより、釣り終えてこういう時間をもてた、がじろうさんとおじさんに感謝した。そのうえ、いっぱい待たせたし・・・。休憩部屋を出るとあたりは真っ暗だった。5時15分、大丹生を後にした。釣りはちょっと悪天候の方が釣果がいいことが多い気がする。しかし、これに味をしめると、本当に今度はひどい目にあう気がする。冬は無理は禁物だから。

P.S 徹さん、大丹生、初釣果おめでとうございます。徹さんの書き込み見て、私も大丹生で初めて釣った時を思い出しました。なんだか、私もとってもうれしいです。現場を見られれば、もっとうれしかったと思います。また、手が震えるような1枚に出会いたいですね!

釣果:3枚(43,5・35・29p)