12月17日(日)     青井(晴のち曇り)  中潮

 日曜日の天気予報は朝は雨が残り、その後は風が吹くらしい。寒気団が接近し、気温も低い。冬場はこんな予報の時は諦めた方が身のためだ。しかし、今年最後の釣行可能日だったので、かまわず出撃することにした。場所は少しでも風雨を避けられそうな小屋付き筏のある青井に決めた。当日は午前4時半に起床。4時50分に自宅からでると雨が降っていた。「やっぱりか・・・、まあそんなに寒くないし。」縦貫道でも雨は降っているが、小雨である。風は吹いていない。黒鯛釣り具店に到着すると、雨はほとんど降っていなかった。餌は、団子(小)、丸貝、サナギ、オキアミを購入。2800円。マスターに挨拶をして店を出た。再び車で走る。「あ!これが今年最後の釣行だった。『よいお年を』というの忘れた・・・。でも、まだそんな時期じゃないか。」

 青井には6時過ぎに到着した。6時半頃渡船場に行くと、二人の釣り人がおられた。お二人は顔見知りのようで、昨日の釣果について話されていた。昨日はチヌが上がったらしい。場所の選択はよかったと思った。「よく、ここには来られるのですか?」と尋ねると一人の方が親切にいろんなことを話してくれた。その後の会話で、コンスタントに青井で釣果を上げておられるHさんだとわかった。「HPで釣果を見ていたのに、的はずれな質問をしてしまった・・・」練炭を渡船屋さんに借りて、7時前に出船した。曇ってはいるが雨も降っていないし、風もない。この分だと朝のうちぐらいは釣りになる天気だった。私は前日55pが上がったという沖から2列目(一番沖側というのかも)の真ん中あたりの筏に上がった。期待を込めて丸貝で第1投。反応なし。何度か落とし込むが、やはりあたりはない。「まあ、前日上がったと言っても、数が釣れたわけではない。反応なくても仕方ないな。」釣れる気がしないので、早々に筏周りを探るが、どうも雰囲気はない。元の場所に戻って団子釣りを始めた。8時頃になると天気は崩れるどころか、晴れてきた。「ラッキー!落ち着いて釣りができる状態になっただけでもありがたい。」。しばらくすると、小舟が私の横の筏にやってきて牡蠣の引き上げ作業を始めた。私の対面の筏にはHさんが乗られていたが、その隣の筏でも牡蠣の引き上げ作業が行われている。見渡すとあと3カ所ぐらいで行われていた。「隣でやってくれた方が私の筏にもチヌが寄ってくるかも。」ぐらいに考えて、気にせず釣り続けた。中学生くらいの息子を加えた親子3人での作業風景に温かいものを感じた。

 隣では3人の共同作業がしばらく続いていたが、1時間半ほど経過するとすごい勢いで牡蠣ゴミを1カ所に投入し始めた。よくみると竿を手に持っている。トシさんが白杉で漁師さんが牡蠣作業の合間に年無し級を3枚釣っていたと、この間話されていたことを思い出した。「最近の漁師はみんな、ついでにチヌ釣りをするのか!」ふと見ると、対面の年配の漁師さんも竿を出している。「何ですか・・・。でもあんな無茶撒きしたら流石にチヌも警戒するやろ。」しかし、その予想は外れていた。10時頃だったか、突然対面の漁師さんがぎこちないアワセを入れたかと思うと、40p弱のチヌを釣ってしまった。それを見られていたHさんと視線があい、お互い苦笑いしてしまった。「いかん、完全に寄せ負けしている・・・。」

 私の隣ではチヌは上がらなかったが、牡蠣の引き上げ作業は15時頃まで続き、大量の牡蠣ゴミが私の釣り座から最も遠い地点に投入され続けた。団子投入ペースを速め、イガイなどを撒いて抵抗したが、あとの祭りだったのかアタリはでない。オキアミでやるとフグは釣れたが・・・。それでもHさんは、牡蠣作業の一段落ついた15時半から2枚上げられた。この状況で朝一とあわせて3枚釣られたのは流石だと思った。年配の漁師さんも16時頃、大型チヌを水面まで上げられていた。私はというと結局1度のアタリも見ることなく撃沈した。ちょっと悲しかった。恐るべき牡蠣ゴミパワーを実感した釣りになったが、勉強になった。青井で、それなりにイメージした釣りをするにはまだまだ経験が足りないが、あと何年かしたら狙いを持った釣りができるようになりたいと思った。

 16時半に納竿し、陸に上がってしばらくするとがじろうさんが来てくれた。がじろうさんは知っていたが、牡蠣ゴミのすごさは新鮮だったので感心して話してしまった。またがじろうさんの怪我の具合を見せてもらったが、回復も順調そうだったので安心した。来年には一緒に竿を出せることを祈って帰路についた。天気予報よりは遅れて近づいてきた寒波の影響で、冷たい風が舞鶴に吹き始めていた。「そろそろ、雪がふるのかも。」

 今年は最多撃沈回数を記録し、勝率も最低だった。しかし、型のよいチヌがたくさん釣れた。舞鶴らしい釣りができたことに満足している。振り返るとあっという間に過ぎた1年のように感じたが、これも無心に打ち込める趣味を持っている事と釣り仲間との出会いのおかげだと思う。そしてつたない釣行記を今年も読んでくださった皆様、ありがとうございました。また来年もよろしくお願いします。

釣果:来年はゴミ撒き釣りに再チャレンジしたい。