4月3日(月)    平(晴れ時々曇り)  中潮

 先週釣れた平にもう一度行くことにした。何度もうまくはいかないので、満足できる釣果を上げれば転戦した方がよい気もしたが、大型の魅力には勝てなかった。午前4時に出発。途中高橋釣り具で、魚拓と餌を少々購入し、5時半に大浦釣り具に到着。ここで餌の大半を購入。団子、ボケ30、オキアミ、シラサ1杯、合計4000円。支払いを済ませ、渡船場に行こうとすると乗船名簿に名前を書くことを求められた。「前書いたし、残っていると思えけど。」「毎回、書いてもらうことになってます。最近厳しいから。」「はい。書きます。」名簿をみると書こうとした欄の上には私の名前。「誰も来てないのか・・・。」

 5時50分頃、渡船屋さんの呼び鈴を鳴らすとおじさんが出てこられた。「お〜、また来たんか〜」と笑顔。さらにチヌのお礼を言われた。前回上がるときにおられた他の漁師さんも覚えていてくれたようで、声をかけてくれた。気持ちのよい朝になった。荷物を船に積み込んで、いざ出陣!船がエンスト・・・。「あれま〜」おじさん、格闘すること5分。結局、もう一隻に乗り換えて出発した。上がった筏は当然、前と一緒。釣り開始は6時20分頃だった。まずは前回の釣り座で、ボケの落とし込み。3回ほどやるが反応はない。早くも竿とタモを持って筏周りの捜索開始。岸向きの面を釣る。まずは釣り座に近い場所。反応なし。真ん中。反応なし。前回の最初の釣り座である岸を向いて左。着底間際に穂先がフワフワとなり、スーと入った。「ヒットー!」上がってきたのは30p後半だった。「早くも釣れた。やっぱりチヌいるな〜。」6時40分のことだった。

  その後、落とし込みながら筏を一周して釣り座に戻った。再び2,3度落とし込んだがダメだったので、オキアミを3,4匹入れた団子を5発投入。しばらく釣るが反応はない。「どうしよ。さっき釣れた場所に行くか・・・。でもここの場所も捨てられんしな〜。」しかし、その迷いはすぐになくなった。7時20分、オキアミ餌でしばらく放置していた穂先にチョコチョコと外道のような前アタリのあと、グッと穂先が入った。「よっしゃ、きた!」上がってきたのは先ほどより若干大きかった。

 その20分後、オキアミに同様のアタリ。同型GET。思わず笑ってしまった。「これは、すごいぞ。二桁いくかも。でも、そうはうまくいかんやろ。釣れるときに集中しないと。」果たして、予感は的中。その後すぐに湾奧(前方)向かって潮が強く流れ出すと、アタリがなくなった。堂の浦のように流れていく。「あかん。」おまけに風は反対(正面)から吹き、落とし込むと道糸が筏下に流れ込み、ロープやフロートにからむ。9時10分。とうとう釣り座を離れ、最初に落とし込んだ場所に移った。風に背を向けながら、釣ることにした。9時20分、潮が緩んだ。オキアミ餌で落とし込んで、しばらく放置。するとまたもチョンチョン、グー。完全に油断した体勢だったので、あわせ損なった。「しまったー。久しぶりのアタリやったのに・・・。こんな場所でアタリか。撒き餌なんて関係ないな。」反省している間に再び潮が強く流れ出した。さらに風も強烈に。海が波立ってきた。とてもじゃないが、風を正面から受ける元の釣り座には戻れない。というよりどの場所でも釣りにならなかった。仕掛けを中通し1.5号にしたり、いろんなポイントを釣ったりしたがアタリは1度もでない。3時間ひたすら耐えた。

 いつまでたっても風は収まらない。意を決して12時半、元の釣り座に戻る。強風との戦い。何をしているのかわからない状態。「これでは釣れん・・・。」時刻は14時過ぎになった。やっと風が多少弱くなった。「疲れた・・・。やっとか。」仕掛けを変えた。潮は手前に流れ込んできているが、前方へ8Bのオモリで投げてみた。着底間際フワフワと穂先が揺れた。風も吹いていたので、はっきりとはわからないが、当たればチヌなのであわせた。「のった!ひさしぶり。」朝一だけでは寂しかったので、うれしかった。

 15時頃から、やっと風が収まった。餌はシラサを使いたかったが、シラサはほとんどが超小粒で使えなかった(ほぼ全部上撒きした)。ボケオンリーでやる。餌はチヌ以外はとらないので、ボケはいっぱい残っている。ほっといてもアタリがなさそうなので、ひたすら落とし込んだり、誘ったりした。15時50分、着底直後、コツコツとあたる。「チヌや!くるぞ!」穂先を下げて待つが本アタリがでない。「あれ・・・」5,6秒経過しただろうか、穂先をゆっくりあげてきいてみるとググッグと感触が伝わった。即アワセ。5枚目GET。その後はがんばるもアタリなく17時半納竿した。迎えに来てくれたおじさんは、私の釣果を見て、喜んでくれた。上手から名人に昇格した。しきりに名人という言葉を使ってほめてくれた。筏からあがると、今日は無理かなと思っていたがじろうさんが来てくれていた。おじさんを交えながら、楽しくがじろうさんに今日の釣りの話をした。おじさんはそこでもまだ、私を名人と褒め続けていた。「おじさん、僕より上手な人、いっぱい知り合いにいるよ。彼(がじろうさん)も僕よりうまいよ。」おじさんはぜんぜん聞いていなかった。ふと考えた。おじさんは私の釣り仲間を知らない。だから釣果だけ見て、私が上手にみえるのだろう。こんな条件ならみんな釣る。私はいろんな釣り方をみんなから学んだ。いろんな釣りに対する考え方、楽しみ方を学んだ。「数じゃないんだな〜。名人は。」まわりに名人がいることをうれしく思った。

 検寸後、3枚は逃がし、1枚は自分に、もう1枚はおじさんにあげた。おじさんは非常に喜んでくれた。チヌは好物らしい。帰ろうとするとおじさんが、「牡蠣いらんか?」と言われた。「もらう、もらう。ちょうだい!!」「これ全部持って帰れ。」見ると巨大な牡蠣が50個ほど入っている。天然もの(稚貝が牡蠣ロープ以外のところで成長した2,3年もの?)らしい。さすがに全部は気がひけたが、大好物なので30個ほどもらった。おじさんが身が入っているのを選んでくれた(カラばかり大きいのもある)。駐車場でがじろうさんと話していると、おじさんはさらにフルーツトマトを5個くれた。ある意味おじさんのおかげで大漁になった。

 今週はまだ行こうと思えば、休みがとれる。でも平はもうやめておこう。岸本さんのおかげで十分釣った。次は違う釣り場に挑戦してみようと思う。でも、おじさんはいい人なので、また行こうとは思う。


釣果:チヌ5枚(40・39・39・38・36p)